第3831話 496日目 金貨を蓄えるというのは危ういのかもしれない。(ま、陛下には相談しましょう。)
エルヴィス侯爵邸の客間。
武雄達がティータイムをまだしていて、のんびりしていた。
「ふむ、莫大な金額を表す貨幣のぉ。」
エルヴィス爺さんが考えながら言う。
「はい、ヴィクターは気になるようです。
ですが、もし、ないとしたら作るのは国家間の金の価値の均一化を考えると難しいと思います。」
「そうじゃの。
我が国だけでなく、カトランダ帝国、ウィリプ連合国、魔王国、ブリアーニ王国は金の価値がほぼ同じで流通をしておる。」
「金本位制ですね。
金の価値を共通し、流通の根幹をなすという制度だったかと。
これは金の品質を統一するからこそできる事です。
なので、これ以上の価値がある貨幣が出来てしまうとその統一性を作るのが大変です。」
武雄が言う。
「うむ、そうじゃの。
じゃが、国家間ないし、領主間でのやり取りは、金貨の量が多いのは確かじゃ。
金貨よりも上の価値のある貨幣があれば、個々の商流は使えないにしても使いようはあるとは思うの。」
「ですが、金が基本になって、流通がされているのも確かです。
・・・まぁ、貨幣制度は国家が決める事なので、私やエルヴィスさんが、どうこういう事ではないのですね。」
武雄が言う。
「そうじゃの。
とはいえ、冒険者組合があるおかげで、金貨を輸送しておらぬからの。
額面だけ貰い、使う際は冒険者組合から引き出しておるのが実情じゃよ。」
エルヴィス爺さんが言う。
「で、タケオ様はデムーロ国で金融不安を仕掛けたのでしたか?」
アリスが聞く。
「実験としてね。
結果は報告書に記載していますが、大衆心理と恐怖心理は伝播しやすいという結果になりました。
この街の冒険者組合事務所でも話が出ましたが、各街に置かれている組合事務所では、兆候が見られたら冒険者組合事務所の金貨や銀貨の保有額を上げるような体制になっているようです。
まぁ、その話の一環で私も何があっても良いようにある程度の金貨の現物を持っておこうとしている訳です。」
武雄が言う。
「ふむ、まぁ、スミスの代になった際に人口を増やそうという気構えでおるからの。
金貨、銀貨の流通量は今と同じくらいにしないといけないだろうとエルヴィス家でも考えておる。
なので、各局にある程度の金貨を保有するようになっておるよ。」
エルヴィス爺さんが言う。
「あ、していたのですね。」
武雄が驚く。
「スミスが王立学院で屋敷を出る際に領内の人口を多くすると言ったのじゃ。
それに付随する問題点を洗い出すのは当然じゃろう?
まぁ、とはいえ、すぐに金貨の現物を貯め込んでいる訳ではないがの。
徐々~に増やしている最中じゃ。」
「ふむ、現金を置いておくと良い面と悪い面もありますよね。」
「良い面は、市場の動向を見ながら放出したり、金払いの良い貴族になれるが。
悪い方は、溜めている場所がわかると盗賊の被害が多くなってしまうという事かの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「隠し場所・・・保管場所は聞きませんが、主導しているのは経済局ですか?」
「財政局じゃよ。
経済局と総務局も嚙んでおるよ。
額が額なので保管場所は領内で分散しておるとだけ言っておこうかの。
タケオの方はどうなのじゃ?」
「私個人としては書斎に金貨500枚、銀貨5000枚あります。
あとは自分で持っているか、冒険者組合にありますね。
今後の事も考えれば、書斎に置く量を増やしていくしかないかと。」
「ふむ、まぁ、タケオは保管する場所は多く出来ないのかもしれぬの。
まぁ、わしらもタケオもスミスの次代では貨幣が足らなくなるだろうと思っているというのは確かな所じゃの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「はい、そうなるかと。
あとは、どうやって集めるかですが。」
「徐々にしか出来んよ。
こういうのは、周りから色んな事が言われるからの。
周りにわからないようにじっくりとしていくしかないじゃろう。」
エルヴィス爺さんが言う。
「それは国内ならですよね。」
「タケオがすると目立つと思うがのぉ。」
「陛下から苦言を言われますかね?」
武雄が聞いてくる。
「ふむ・・・タケオの事じゃから王都でも、こういう話はしておるじゃろうが・・・
実施段階で何か言われるかもしれないの。」
エルヴィス爺さんが考えながら言う。
「今回、聞いて来た方が良いでしょうか?」
「うん?8月のウィリプ連合国か・・・うーん・・・黙ってやっても良い気もするがの。
陛下ぐらいには言っておいた方が良いかもしれぬが、判断は難しいの。
一貴族がやった事と知らぬ存ぜぬと国は言えるからの。
下手に残ってしまうと国家間の事になりかねぬよ。」
エルヴィス爺さんが言う。
「少額を何回かでしますか。
それなら王城でも黙認されるのではないでしょうか。」
「まぁ、そうじゃの。
あとは王城での判断じゃのぉ。
何となく・・王城自体がしておる気もするからの。」
エルヴィス爺さんが言うのだった。
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