第3830話 ヴィクターとジーナの雑談。(莫大な金額を表す貨幣があるのか。)
ヴィクターとジーナ、狭霧が自宅に戻ってきていた。
ジーナは自室で明日からの旅の支度をしており、ヴィクターは狭霧と食卓でのんびりと将棋をしていた。
「ふむ、狭霧殿、この駒ですが、こことここのどちらに移動させたら後々、有利になりそうですかね?」
「ヴィクター、前の方が良いかも。
これは防御に向けての駒の動きと考えられます。
エリカが良く使っています。
後ろの方は侯爵が良く使っていますが、攻めようとしていても上手く使えていない感じです。」
ヴィクターが狭霧と将棋研究をしていた。
「ふむ、守りをですか。
となると・・・全体的に攻め込まないようにして、相手の攻勢に耐えるように駒を配置するか。
・・・こっちの駒も少しまとめた方が良いでしょうかね?」
ヴィクターが指を指す。
「まとめてしまうと各駒の動きを阻害する可能性があります。
駒の動きを連動させられるように配置を考えないといけません。」
狭霧が言う。
「1手ずつなので、難しいですね。」
「それを制するから勝てるのです。」
狭霧が言う。
「お父さま、狭霧殿、支度は終わりました。」
ジーナが部屋からやってくる。
「お、早かったな。」
ヴィクターがジーナに顔を向け言ってくる。
「特に何かを持っていくわけでもありませんので、すぐに終わります。」
ジーナが言い、席に着く。
「ハツユキとは、情報共有出来ています。
王都でも問題ないと思います。」
狭霧が言う。
「はい、キタミザト家の家計的な事が話に上がったら、ハツユキ殿に相談します。」
ジーナが頷く。
「ふむ、家計的な・・か。
主は王城でそういう事を言うのだろうか。」
ヴィクターが考える。
「・・・足らないとは言いますが、具体的な数値は私が知る限り、ありません。」
ジーナが考えながら言う。
「ふむ、主は王家に物を売って、資産を形成していますが、王都側は聞いてこないのか。」
「はい、王都側としては、ご主人様の資産はあまり気にしていないようです。
エルヴィス侯爵様等の報告により、ご主人様は地域開発に資金を投入していると考えていると思われ、地域経済の発展と地方よりの税金の増加が計画的になされているのなら、個人の資産については気にしないのでしょう。」
ジーナが言う。
「ふむ、ジーナ、王都の経済局か総監局に行った際に、莫大な金額を表す貨幣があるのかを聞いて来てくれるか?」
「金貨の上の貨幣ですか?」
「うん、魔王国、ブリアーニ王国にはない。
すべてが金貨で賄っているのだが・・・人口を1.5から2倍にしようと考えているエルヴィス侯爵領では、金貨不足が発生するかもしれない。
その際の対応策があるのか、確認しておきたい。」
ヴィクターが言う。
「・・・お父さま、ご主人様より『現状での金貨以上の貨幣の創設は難しいはず』との事です。
そして『今回の王都への貸付において、金貨4000枚貸していますが、返済に関して、上の価格の貨幣を示されませんでした。
なので、最低でも金貨1000枚の価値のある貨幣というのは存在しません。
金貨10000枚に相当する貨幣が領主貴族と王都間では、あるかもしれませんが、少なくとも私は聞いていませんよ。』との事です。」
ジーナが精霊通信の内容をヴィクターに伝える。
「ふむ、金貨のみですか・・・となると、主の取っている金貨の備蓄もあながち間違いではないのでしょうか。」
ヴィクターが考えながら言う。
「前にご主人様が人口が増えるのであれば、相応に貨幣を増やさなければならないが、怠ると大変な事になるので、なっても良いように貯めると言っていました。」
ジーナが言う。
「ふむ、間違ってはいないでしょうけど・・なるほど、そこでウィリプ連合国か。」
ヴィクターが何か考えながら頷く。
「お父さま?」
ジーナが聞いてくる。
「いや、前に主が王都で言っていた事が実行されるのだろうと思っていただけだ。
私は報告書で見ているが、本気だったのかと思ってな。」
ヴィクターが言う。
「はぁ・・・ご主人様から『そういえば報告書に書いてあったね』との事です。
ご主人様とお父さまがわかりあっているのであれば良いですが。
私に話がないようなので、まだ上で知っていれば良いと言う事柄なのでしょう。」
ジーナが言う。
「うーん、というか、ジーナが知っていても、あまり意味がない事だな。
主と王都、侯爵様辺りが知っていれば良い事だろう。
私とマイヤー殿は知っているだけで良いという話だ。」
「はぁ・・・つまりは領主ないしは国家間の話という事ですね。」
「そうだ、そして、こういう話は好きで首を突っ込むものでもない。
振られてから考えれば良いんだ。
それと私がジーナに聞いて来て欲しい事は主が聞いて来てくれるだろう。
と伝えておいてくれ。」
「わかりました。」
ジーナが頷く。
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