第3817話 空いた時間に冒険者組合に行って来よう。(現金を持つという意味。)
ヴァレーリ達が去った試験小隊の訓練場。
「さて。
明日は、私達がアズパール王都へ出立します。
3時課の鐘(9時)に出立しますので、侯爵邸の玄関前に集合でお願いします。」
「「「わかりました。」」」
武雄の言葉に兵士3人が言う。
「それでは解散です。
明日の朝、用意をして集合してください。」
「「「了解しました、失礼します。」」」
兵士3人が敬礼して、裏城門の方に行く。
「ふむ、大丈夫かな?」
「平気でしょう。
王軍から選抜されているのです。
少なくとも王都に行くまで何もありません。」
「王都守備隊で上手く過ごせれば良いのですけどね。
と、ヴィクター、カールラさんと話していましたよね?」
「はい、里帰りは出来るのかと。
快諾頂きました。」
「うん、そうですか。
ヴィクターには言っていましたが、いつか実家を見に行きましょう。」
「はい。」
ヴィクターが頷く。
「ご主人様、この後はどうされますか?」
ジーナが聞いてくる。
「コンテナ搭載馬車の納入には少し時間がありますかね?
・・・冒険者組合にでも行ってきますかね。」
「なら、私が同行します。
お父さまは、一旦、お休みください。」
ジーナが言う。
「・・・ふむ、言葉に甘えたいのは確かですが、仕事もありますからね。
主達の出立の準備と確認をしていましょう。」
ヴィクターが言う。
「なら、それでお願いします。
時雨、居ますか?」
「タケオ、呼んだっスか?」
小屋から時雨が出てくる。
「あの3名の周りの警戒を強めておいてください。
たぶん、何もないだろうと思いますが、念の為に。」
「了解したっス。
街中や各町までのスライム専用通路で、ほぼほぼ問題事は把握しているっスけど、街中では特に何もないっスけどね。」
時雨が言う。
「ええ、それは安心ですね。
とりあえず、明日の出発まではお願いします。」
「わかったっスよ。
それと後でユウギリ達と情報共有しておくっスよ。
前みたいにオークが増えていたりしていないっスから安心して欲しいっスね。」
時雨が言う、
「時雨、ありがとうございます。
王都までの状況がわかるのはありがたいです。」
武雄が頷くのだった。
・・
・
エルヴィス公爵邸がある街の冒険者組合の応接室。
武雄とジーナが冒険者組合の事務所長と話をしていた。
「キタミザト家よりキタミザト様に入金がございました。」
事務所長が言ってくる。
「あー・・・魔王国に売った物と展示即売会の私の取り分ですね。」
武雄が言う。
「現在、お預かりしている金額は、こちらになります。」
武雄の前にも金額が書かれた証明書が出される。
「ふむ・・・金貨1050枚ですか。」
「はい、下ろされますか?」
事務所長が聞いてくる。
「・・・そうですね。
金貨260枚をお願いします。」
「高額ですが・・・わかりました。
対処いたします。
少々、お待ちください。」
事務所長が処理の為に一旦、退出していく。
「ご主人様、お手持ちが増えましたね。」
ジーナが言う。
「ふむ、ヴィクターには総額を報告済みですよ。
ちなみにエルヴィス家への融資は金貨7000枚してありますから、うちの家は私が無職になってもエルヴィス侯爵邸で過ごせるようになっています。
ついでに王城には金貨4000枚貸していて、来年4月末までに金貨4800枚が戻ってきますか。
さらに言えば、ドラゴンの革が130kg手元にありますね。
あ、今日換金したから少し増えましたか。」
「・・・まぁ、キタミザト家は安泰というのはわかりました。
ですが、ご主人様の事です。
そうなったとしてもお金は稼いでいくのだろうと思っています。」
「そうですね。
今の目標はジーナ達を雇用し続けられる収入を王城からの収入以外で確保する事ですかね。」
「はぁ・・・そう遠くない日に達成されそうです。」
ジーナが呆れながら言う。
「そういう風になればいいですが。」
武雄が頷く。
「ちなみに、金貨260枚は何の為に下ろされるのですか?」
ジーナが聞いてくる。
「書斎においてある金貨と銀貨を500枚ずつにする為ですよ。
色々あって、金貨が240枚になっていたので、500枚にしておこうかと思ってですね。」
「そうですか。
ご主人様のお手元には金貨550枚のいつでも使える現金があるという事ですね。」
「ええ、そうですね。
これから先、人口を増やそうとすると金貨、銀貨、銅貨をこの地域に持たせておかないといけません。」
「冒険者組合にあると思いますが?」
「額面ではね。
ですが、地域にある金貨、銀貨の総量というのは、そこまで変動するような物ではないでしょう。
なのに、人口だけ増えて、地域にある貨幣の量は変わらないというと色々と問題が発生します。
例えば、1000人に対し銀貨1000枚用意しないといけないのに、人口が2000人になっても銀貨が1000枚しかないというのは困るでしょう?
なので、足らなくなった場合に備え、私達は貨幣の備蓄をして、適切に冒険者組合に供給しないといけません。」
武雄が言う。
「だから・・・今、現物で持つという事ですね?」
「ええ、スミス坊ちゃんの時代に信用不安なんてさせられないですからね。
少なくとも市場で足らなくなったから、入れられるくらいの金貨と銀貨の備蓄は領内にあると知らせないと領民は不安でお金を使わなくなってしまいますからね。
見せる為のお金は持っておかないといけません。」
武雄が言う。
「ふむ・・・そういった考えはご主人様だけなのですか?」
「さぁ?話してはいませんが、どの経済局でも検討はしているものだと思いますよ?」
武雄が言うのだった。
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