第3788話 国家間の貿易収支を考えてね。(スニーカーは紹介していなかったかな?)
試験小隊の訓練場。
射撃を終えた武雄とヴァレーリ達がその場に車座に座り、話し合っていた。
「何が『それなりに強い武器が出来ました』だ。
キタミザト殿、これは凶悪極まりないぞ!」
ヴァレーリが言う。
「魔王国の大砲も凶悪極まりないですよ。
国境の関を破壊出来る仕様の飛び道具っておかしいと思いませんか?
私は大砲の接近を許さない兵器を作っただけです。」
武雄が自分の事は棚に上げ、「魔王国が先にした」と言い放つ。
「くぅ・・・だが、あれは危険だ。
威力も高い。」
「その言い分だと魔王国の大砲も威力が高いので危険です。」
武雄がヴァレーリに言う。
「はぁ・・・で?なんだっけ?
魔王国は大砲部隊をアズパール王国側には8個以上を配置しない事とキタミザト殿はこの兵器を自分の部隊のみに配置だったわね。」
ブリアーニが諦めながら言う。
「そう言っていたな。」
グローリアが頷く。
「・・・今になって、タローマティが狼狽えた意味がわかった。
これは・・・キタミザト殿の部隊が化け物じゃないか。」
ヴァレーリが言う。
「個人で戦力となりえるダニエラさんに言われるのは心外です。」
武雄が言う。
「でも、魔力量の消費が激しいのが唯一の欠点よね。
とはいえ、ブリアーニ王国では対策がないわ。
600mの射程を超える兵器なんて、無理だわ。」
ブリアーニが言う。
「キタミザト殿は我が国の大砲に対抗する為と言ったが、今度は我が国はキタミザト殿の兵器に対抗する物を作らないといけないな。」
ヴァレーリが言う。
「はぁ・・・ちょっと、待ってください。
それでは軍拡競争になってしまいます。
相手より強い武器を持たないと安心できないというのはお互いそうですけど。
それは私と魔王国でやりあう事ですか?
魔王国の兵士は、そもそもアズパール王国の兵士の基準よりも上に居ます。
なので、純粋な戦力で言えば、我が国は魔王国と比較になりません。
そんな状況の中、私の部隊が特殊な武器を使ったからといって魔王国の勝利は揺るぎません。」
武雄が言う。
「まぁ、そうかもね。
お互いにぶつからない為に魔王国は大砲を見せ、キタミザト殿は、この兵器を見せたのでしょう?
なら、これでお終い。
それに兵器の開発に力を入れる前にエルヴィス殿もダニエラも、アズパール王国も魔王国も内政をどうにかしないといけないのでしょう?」
ブリアーニが言う。
「それは・・・そうだな。
いつ使うかわからない、見栄を張る為の兵器に金をかけるのなら、国内のしなければいけない政策に予算を振るか。」
ヴァレーリが渋々頷く。
「そうですね。
魔王国とブリアーニ王国に売る、商品の開発をしないといけないですね。」
「「え?」」
ヴァレーリとブリアーニが驚く。
「先の会談の話ではないですけど。
このまま行くと魔王国からの穀物輸入が爆増、対して私達の輸出品は現状維持。
我が国の金貨が大量流出します。
国内の金の量が低下すれば、国民の生活に影響が出るでしょうからね。
なので、その埋め合わせが出来る商品を作らないといけません。
一方が多額の利益を得る様な輸出入は色々と問題が発生します
国家間の貿易収支は出来ればトントンになる位が望ましいのですよ。
これは私もそうですし、ガミジンさんも認識しています。」
武雄が言う。
「ふむ、貿易収支か・・・で、我らが買いそうな商品を今から作るのか?」
「そうですね。
食品としてはウスターソースやウォルトウィスキーがありますから。
別分野で何かないかと探さないといけないでしょうね。」
武雄が色々としているが、そこは言わないで検討中と回答をする。
「今の所はないのだな?」
「うーん、スニーカーは出来ましたし、新色も出したので、少数ですがブリアーニ王国や魔王国に輸出しても良いかもしれないですよね。」
武雄が考えながら言う。
「スニーカー?
うーん、見ていないかもしれないな。
アンナローロ、買ったか?」
「買っていないと思いますね。
この街で買ったのはダウンジャケット等ですし、カールラ様は製作権を買っていたようですが。」
「うちも衣服を作りたいからね!
あ、これは魔王国に売り込むからね。」
ブリアーニが言う。
「カールラの所という事はシモーナさんとレバントおば様の所で売るな。
カールラ、種族的な物があるから、凄く大きいのも作ってくれ。
価格は他の物より高くても良いからな。」
「それは魔王国向けという事で商品ラインナップを考えるわ。」
ブリアーニが言う。
「それとそのスニーカーというのは、この後、見に行ってみよう。
これはキタミザト殿が輸出品としたいと言っているからカールラは権利を買うなよ?」
「わかっているわよ。」
ブリアーニが言うのだった。
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