第3784話 人工湖の話は魔王国にはぼかす方向で話をしよう。(次回までに味噌の試食の用意をします。)
「そうだ。
エルヴィス侯爵領の東町からこっちに向かってくる際に人工湖という工事現場があったのだが。
あれはなんだ?」
ヴァレーリが武雄とエルヴィス爺さんに聞く。
「何と言われても、人工湖です。」
武雄が言うとエルヴィス爺さんも頷く。
「何の為に作っているんだ?」
ヴァレーリが聞く。
「あれ?言っていませんでしたか?
将来、船を使った物流が出来ないかと思って先行工事をしているんです。
まだ、何も現実化していませんが、出来るとなった際にすぐに試験が出来る準備をしています。」
武雄が言う。
「船を使った輸送?
聞いたかなぁ?
うーん・・・」
ヴァレーリが考える。
「船を下流に行かせるのは楽ですが、戻ってこさせるのは、どうやるのですか?
風が下流からずっと吹く訳ではありませんから、漕ぐか陸に上げて馬車で輸送するか、川沿いで引っ張るしかないと思いますが?」
アンナローロが聞く。
「はい、なので、どうやれば楽に出来るかを考えています。
まだ、何も形になっていませんけどね。」
武雄がしれっと言う。
「ふむ・・・キタミザト殿、下流には何があるんだ?」
「ゴドウィン伯爵家とテンプル伯爵家ですね。
輸入物が増えて行けば、ここから輸送しても良いですけど。
まぁ、ゴドウィン伯爵は魔王国のパーニ伯爵とは、あまりやり取りをしていないようですけどね。」
武雄が言う。
「ふむ・・・まぁ、パーニはなぁ。
ファロンみたいに人間種嫌いではないんだが、自らにとって利益にならない事はしないだろう。」
「良く言えば、一癖あるが利で動くという所か。」
ヴァレーリの言葉にグローリアが言う。
「その一癖が独走しまくるからな。
何かしているが、施政者として悪いわけでもない。
ま、領内に籠って、何かしている分には監視程度で終わりだ。」
ヴァレーリが呆れながら言う。
「まぁ、今回の領地異動で少々変更しましたしね。
当面は国外うんぬんではなく、領内の開発に力を入れざるを得ないでしょう。」
アンナローロが言う。
「となると、その南にあるゴドウィン伯爵とパーニ伯爵は輸出入が限定的なんだね?」
ブリアーニが聞いてくる。
「特段、ゴドウィン伯爵家から輸入物を勧められていません。
私としては、あっちがしない内に、魔王国にガッチリとした商流を食い込ませておきたいですね。
コショウとか紅甘とか!」
「ウスターソースにウォルトウィスキーもな!」
武雄の言葉にヴァレーリも言う。
「はは、それは順次です。
拡大するまでお待ちください。」
武雄がしれっと言う。
「私の方としても順次拡大中としか言えません。
お待ちください。」
エルヴィス爺さんも言う。
「生産と販売の2人に言われると諦めるしかないか!」
ヴァレーリが悔しそうな顔をさせて言う。
「何度言っても変わらないわよ。
それに余剰があるなら、キタミザト殿の事だから売ってくれるって。
追加で売り込みに来ない所をみると、本当にないのよ。」
ブリアーニが言う。
「わかっているさ、ああ、わかってる。
だが!出てくるかもしれないからな!何度でも言おう!
少しでも多くを輸出してください!」
ヴァレーリが頭を下げる。
「ない物はないです。
さ、次の話題に行きましょう。」
武雄がスルーするのだった。
一方の精霊達はというと。
「ほぉ、味噌の試作が。
ふむ・・・一旦落ち着きましょうか。」
チビガミジンがお茶を飲みながら驚いている。
「うん、タケオのGOサインは出たよ。
とはいえ、大豆は他領産だし、味もまだ1個だし。
この1年くらいで、どのくらい熟成させるのが美味しいか・・・検討しないとね。」
チビコノハが言う。
「ちなみに、味噌の仕込みはいつに?」
ガミジンが聞いてくる。
「去年は7月だよ。
暑い中、一生懸命に作ったよ。
ちょうど、熟成が始まる時期が寒くなっていけばなぁという感じでね。
カビとかあるしさ。」
「ふむ、なら、今年も7月に?」
「そのぐらいかなぁ。
小麦は種蒔き12月の7月頃の刈り取りだからね。
小麦が刈り終わったらしているんだよ。」
チビコノハが言う。
「ふむ・・・魔王国には大豆がないですね。」
「あら?そうなの?」
「ええ、うちに輸出してくれますか?
大量生産しますよ?」
チビガミジンが聞いてくる。
「ダーメ。
というより、この大豆の生産元が侯爵の跡取り孫息子の婚約者の実家なんだ。
なので、魔王国で作られてしまうと大豆の価値がねぇ。
だから、ガミジン、一生懸命作るから味噌の方を買って!」
「ふむ、わかりました。
今度、来た際に味噌の味見をさせてください。」
「あいあい。
タケオに言って用意させるよ。
とはいえ、まだ出来たばかりの試作だけど良いの?」
チビコノハが聞く。
「構いません。
キタミザト殿が生産にOKと言ったというのなら、最低限の味はあるのでしょう。
楽しみにさせて頂きます。」
チビガミジンが言うのだった。
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