第3781話 食事会をしています。(今回は国外生産拠点は作らせませんよ。)
エルヴィス侯爵邸の食堂。
「・・・なんで、こんな料理が魔王国にはないんだ。」
ヴァレーリが打ちひしがれていた。
「本当にねぇ。
小麦に野菜や小分けの肉を混ぜただけなのに、こうも美味しいんだね。」
ブリアーニが食べながら言う。
「野菜が多くても食べ応えがあって野営時の食事に良いかもしれません。」
アンナローロが言う。
「ソースが甘いな。
これは甘いから美味しいのか?
それともウスターソースでも良いのか?
どちらにしても面白いなぁ。」
グローリアが言う。
「甘いから美味しいんだよー。」
「ぎゅー♪」
「きゅ。」
ビエラ達がグローリアに言う。
「中濃ソースにちょっと手を加えています。
このソースも含めて、領内に『お好み焼きとお好み焼きソースの基本レシピ』を公表予定なんですよ。
まぁ、遅れていますが。」
武雄が言う。
「・・・なぁ、キタミザト殿。」
「ダメですよ。」
ヴァレーリの言葉に武雄が拒否を示す。
「まだ、何も言っていないぞ?」
「言いたい事はわかります。
『ウスターソースの製造権が欲しい』という事でしょう?」
「うっ・・・」
ヴァレーリが苦渋の顔をさせる。
「反対の立場なら私だって言い出しますよ。
ですが、ダメです。
これは私だけでなく我が国王家が関与しているので、他国に生産拠点を作るには許可が必要です。
そして、エルヴィス家の収入源であり、唯一に近い外貨獲得の商品なので、エルヴィスさんも許可しないでしょう。」
武雄が言う。
「ううむ・・・だが、供給量が足らん!
もっとくれ!」
「どこもかしこも同じ要求ばかりですよ。
原材料の生産量の拡大、ソース工房の拡大を順次行います。
4月から融資が実施だったかな?
今年は増やせそうですよ。」
「あぁ、期待する。
・・・期待するしかない。」
そう言いながらヴァレーリがブリアーニを見る。
「うん、キタミザト殿、まずは私にご一報を!
で、その後、魔王国に私が!連絡します。」
「くぅぅ・・・輸送経路か!
カールラ、増やしてくれぇ。」
「要協議!」
「ちくしょう!輸送経路の中間にあるというのは強いな!」
ヴァレーリが悔しがる。
「ははは、我が国の収入源の1つよ!
手放さないわよ。」
「キタミザト殿!量を!」
「はいはい、領内への分配を司るエルヴィスさんと取り合いますよ。
どうなるかは確証出来ませんが。」
「うぅむ・・・頼む、量を増やしてくれぇ。」
ヴァレーリが懇願する。
「そうだ。
キタミザト殿、前回出たシュークリームは今回はあるのか?」
グローリアが武雄に聞いてくる。
「この後の歓談時に出すのは餡子にしていますが・・・前回、驚きが少なかったので毎回ではなくて良いかと思って、今回は違う物で良いかと。」
武雄が言うとヴァレーリとアンナローロがガックリとする。
「あ、あれ?
えーっと・・・あれ?」
武雄が2人の反応を見て、困惑する。
「ううむ、あれは美味かった。
いや、餡子もとても美味しいから不満ではない。
まったくもって贅沢な事だが、今日も出ると思っていた。」
グローリアが言う。
「うーん・・・すみません、即答は出来かねます。
材料の手配が出来るか・・・確認しないといけません。
この後の会談中に用意出来るか、料理長に確認します。」
武雄が言う。
「あぁ、よろしく頼む。」
グローリアが言う。
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エルヴィス侯爵邸の厨房。
「と、いう訳でお客様からの要望を叶える為、シュークリーム作るわよ!」
チビコノハがカーティアの肩で立って、料理長達に言う。
「えええ・・・今からは・・・」
料理長がたじろぐ。
「この後の会談を上手く乗り切るために要望は出来る限り叶えるべきよ!
料理長!ない物は?」
チビコノハが聞く。
「シュークリームの生地は絶対に間に合わん!
夜までなら出来るが、会談まではとてもではないが時間がない。」
「うん?ホイップクリームは用意出来るの?」
「あぁ、今日の夕食後の方でマドレーヌにホイップクリームを添えて出そうと思っていた。
だから、大急ぎで作ればホイップクリームは出来るだろう。」
料理長が言う。
「となると・・・あ、どら焼きにしようか。」
「どら焼き?・・・に、ホイップクリームを挟むのか??」
料理長が首を傾げる。
「そそ、クリームどら焼きだね。
ホットケーキ生地を作って焼けば良いから・・・料理長、竈は?」
「えーっと・・・5分で用意しよう。
餡子も冷蔵箱で冷やしてあるからすぐに使えるだろう。」
「あいあい、では、クリームどら焼きを作っていこうか。
小麦粉と砂糖を用意して、すぐに混ぜて焼き始めるからね。」
チビコノハが言うと料理長達が動き出すのだった。
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