第3778話 493日目 小麦の輸入について話しましょう。(小麦をブレンドして王城に送ってしまおう。)
エルヴィス侯爵邸の客間。
湯浴みを終えた武雄が合流し、エルヴィス爺さん達と話をしていた。
「ふむ、パナ殿経由で聞いておるが、小麦輸入についてじゃが。
王城との調整は必要じゃが、わしとしては大丈夫と思うがの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「数年ではなく、十数年は越える口約束となると即決は出来ないですよね。」
「口約束であろうが、約束は契約じゃからの。
わしからの要望はパン用の小麦に限定させたいの。
そうすれば、領内の備蓄を王城に送れるからの。」
「ふむ、当面はパン用の小麦の存在は領内のみという事ですね。
その間に領内の小麦生産の品種を変更してしまおうと。」
「うむ。
試験的に今年から始めるが、広げるのに年数がかかるじゃろう。
パンの質が変わるとはいえ、現状のパンが好きな者もおる。
わしらが良いと言って、領民を置き去りには出来ぬからの。
徐々に変更していくしかないの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「パン用の小麦は、まずは組合関係から卸していくと侯爵様は言っていました。
私も組合経由で認知度を上げ、商品として提供し、認知度を上げる。
どこかの段階で一気に増えるでしょうが、それまでは消費量は少ないかと。
需要が高まれば、生産の方の取り扱い品種が変わると思いますので、それまでは我慢です。」
エリカが言う。
「まぁ、我慢かはわからぬがの。
じゃが、早急に品種を変えるには需要が鍵を握っておるのは確かじゃの。
今の所、それをこれから始めようという段階じゃ。
とはいえ、出ているパン等を見ていると需要は、そこまでかからずに出来るとは思うがの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「王都に行った際には、その辺の話をした方が良いですか?」
武雄が考えながら言う。
「どうなのじゃろうかのぉ・・・出来れば、小麦をこの領である程度、収穫できるようになってから品種については教えたいの。」
エルヴィス爺さんが考えながら言う。
「コノハ、薄力粉と強力粉を混ぜれば中力粉になりますよね?」
「うーん、正確には品種の違いで作った方が品質の面では良いと思うけど、合わせても中力粉は出来るね。」
チビコノハが現れて言う。
「となると、領内で強力粉と薄力粉の2品種の小麦の栽培をして、王城に送る際はブレンドすればいいのですよね?」
武雄が言う。
「まぁ、そうなるね。
でも、籾殻付きでの輸送だよね?
小麦の籾で違いがあるのを混ぜているのがわかるかもしれないよ?」
チビコノハが考えながら言う。
「ふむ・・・じゃが、挽いた際の品質がいつもと変わらなければ問題ないという考えもあるの。」
エルヴィス爺さんが言う。
「侯爵、それは均一に混ざればだよ。
輸送時の街道の路面状況とかで小麦を積んだ荷馬車が揺れると、振動で袋の中で品種の偏りがあるかもしれないわよ?
こればかりは、手の打ちようがないわ。」
チビコノハが言う。
「いや、そこはわしらも知らないと言えば、大丈夫じゃろう。
各町や村から収穫した物を集約し、まとめて袋詰めをしておるから、多少の偏りがあるという但し書きを付けておけば、王城も認知するじゃろう。」
エルヴィス爺さんが言う。
「それに知られたら知られたで『いままでそうしていたから』といえば、良いのでは?
今後、分類を分けろと言われたら『努力する』と言って対応すれば済む話でしょう。
エルヴィスさんの方で薄力粉の小麦と強力粉の小麦を出荷する気になった際に初めて2品種での輸送をすれば良いかと。」
武雄が言う。
「タケオ様、それは時間を稼ぐという事ですか?」
アリスが聞いてくる。
「そうですね。
それに『薄力粉の小麦と強力粉の小麦に分けて納入する事』と王城命令が出るのなら、寧ろ、それを使って、エルヴィスさんは各農家に品種改良の指示を強制出来ます。
それまでは、こっちで中力粉のブレンド小麦を作って、送れば良いと思います。」
武雄が言う。
「なるほど指示が無ければ、『今までと同じ品質相当の物』を王城に納入しているとしておけば良い。
領内の農家さん方へは、出来るだけ早期に品種を変更して貰うように促しながらも、強制はせず、需要の変更をしていく。
そうやって、領内の生産変更していく。
で、王城から特に何も言われないなら、ブレンド小麦を出荷し続け、王城から指示がある、もしくは侯爵様が領外に出す気になった際に初めて薄力粉の小麦と強力粉の小麦を発表すれば良いと。」
エリカが考えながら言う。
「まぁ、その手の話はすぐに王城が感知すると思いますけども。」
アリスが言う。
「そうなったら、そうなったです。
なので、それまでは魔王国から輸入した小麦を領外に出す際は、ブレンドをして出していけば良いという所で終わりですね。
あとは量を王城に確認しないといけないですね。
輸送費用等を含めた見積もりは今後となりそうですので、王城へは量のみの確認で終わらせます。」
武雄が言うのだった。
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