第3774話 魔王国の農業政策が動き出しそうです。(ふむ、町2つ分は多いのか少ないのか。)
ヴァレーリ達の夕食の酒場では。
「そうだ。
キタミザト殿、相談なんだがな?」
「はいはい、なんです?」
ヴァレーリの言葉に武雄が顔を向ける。
「明日の会談でエルヴィス殿にも聞こうと思ったんだが、先にキタミザト殿の意見を聞きたくてな。
次期国王であるカストの政策の1つにファロンの所の農業政策があるんだ。
簡単に言えば、ファロンの所の農業従事者で新たに開墾した畑の税率を4年に渡り半減させる。」
ヴァレーリが言う。
「・・・農政改革ですか?
いきなり半減は思い切ったと思いますけど。
まぁ、領民は喜びそうな話ですね。」
「確かに支持率上昇をしたいというのもあるが、小麦余りの状態を創り出したい。
その為に農地を増やしたい。」
ヴァレーリが言う。
「ふむ、単純に考えて、その地に住んでいた領民の半数が南部に移動してしまって、耕せる土地はあるものの人手が足らないという所ですか?」
「まったくもって、そのとおり。
人口比率的には今の農家数でファロンの所は食べて行けるだけの生産量は確保できそうだ。
だが、ここを穀倉地帯とし、デムーロ国に売りたい。」
ヴァレーリが言う。
「ウィリプ連合国で同じような事をしていますが、他国の食料を握るのですか?」
「それもあるが、暴発を管理したい。」
ヴァレーリが言う。
「ふむ、出来なくはないでしょうが、実際にしてみないと問題点が浮き上がってこないかもしれません。
文面上は、今のダニエラさんの説明で十分に利益が出そうですので、皆さんは了承されるのではないですか?」
武雄が考えながら言う。
「あぁ、皆は了承している。
カストとしては、安定させて我が国にちょっかいを出されないようにしたい。
次に、ちょっかいを出して来たら、首を絞めたいという意思だな。
それとこれはアズパール王国からの穀物の輸出した依頼分を賄わせる為でもある。
で、相談だ。」
「ふむ、何がお困り事が?」
「継続的に輸入してくれないか?
そうすれば売り先が確保出来て、農業政策に力を入れられる。」
ヴァレーリが言う。
「確か、相当の量でしたよね。」
「あぁ、準備は進めている。
カストの政策としてはアズパール王国の・・エルヴィス殿の所の町や村は何人が基本だ?」
「町を2000名、村が300名か350名だったかと。」
「うむ、町2つの1年間分は用意出来る見込みだぞ。」
「それ、エルヴィスさんに相談しないといけない事ですね。
私の一存ではなんとも・・・少なくとも王都の経済局に私は、この話を持って行きます。
ちなみに町2つ分が下限ですか?」
「あぁ、今はな。
とはいえ、2つ分になる見通しがあるだけで、今すぐに用意は出来ないからな?」
ヴァレーリが頷く。
「それはわかっていますが、個人としてはキタミザト家の収入面の増強案なので全数の輸入は構わないのですが、地方と国の政策に落とせるかですかね?」
武雄が考えながら言う。
「出来そうか?」
「何とも言えませんね。
出来そうではありますが、不確実な要素が多いので、エルヴィスさんと王城の判断が必要です。
なので、今の段階ではなんとも回答は出来ませんね。」
「ふむ、なら、明日、聞いてみるか。」
ヴァレーリが腕を組んで考えるのだった。
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エルヴィス侯爵邸の客間。
アリス達がお茶をしていた。
「以上です。
お爺さま、どうしますか?」
アリスがエルヴィス爺さんに聞く。
「ふむ、町2つ分との。
こう言ってなんだが、少ないと思ったのは、わしだけかの?」
エルヴィス爺さんがアリスとエリカに聞く。
「確かに。
我が国で言う所の1つの地方領丸々増えて、そこを穀倉地帯にする。
その政策は至極当然とも思いますが、穀物増産を目論むにしては、町2つ分だけというのは少ないでしょうか。」
エリカが考えながら言う。
「話の中で『デムーロ国向け』とも言っていました。
実際にはデムーロ国向けの小麦は別口であるのではないですか?
そして余剰が町2つ分出たと。
消費させないといけないので、私達に買わないかというお誘いでしょうか。」
アリスが言う。
「どういう背景があろうとも町2つ分の小麦の輸入提案をどうするか。
わしとしては、わしらの所で備蓄している小麦を王都に全て持っていくとして、輸入した小麦を備蓄に入れられば事は足りるの。
それに魔王国産の小麦という事はパン用とスイーツ用の2種類あるという事じゃの。
パン用なら町2つ分買っても良いじゃろう。」
エルヴィス爺さんが言う。
「確か、王城はスミス殿にカトランダ帝国への小麦の輸出で問い合わせをした事がありましたか。
それに組み込んでしまえば良いかもしれませんね。」
エリカが言うのだった。
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