第3772話 監視していますよ。(準備はしていますが、たぶん何事もありません。)
ヴァレーリ一行が宿に到着し、夕食までの間、割り振られた部屋でのんびりとしていた。
「・・・監視は一応、付いているな。」
ヴァレーリが窓の外を見ながら言う。
「護衛の間違いでしょう。
キタミザト殿が計画しているのでしょうから、本気の監視をするのならこの程度ではないでしょう。
これは問題事を起こさないようにする為の周辺の警護程度かと。」
ヴァレーリと同室のアンナローロが言う。
「そうだな。
とりあえず、何事もなく到着出来たな。」
ヴァレーリが窓際から離れ、ベッドに腰かけながら言う。
「そうですね。
明日のエルヴィス家への講師陣の着任式の服は簡易ドレスでしたよね。」
「我としては、旅装束でも良いんだが・・・エルヴィス殿が来るだろうからな。
失礼でない程度のドレスにしたが。
まぁ、そんなもんだろう。」
「・・・ダニエラ様、このドレスでカレーを食べるのですよね?」
「あー・・・そうだったぁ・・・思いっきり食べれないじゃないか!」
ヴァレーリがゴロンとベッドに横たわって悔しそうな顔をさせる。
「うーん、一旦、宿に戻って旅装束に着替えますか。」
「そうだなぁ。
気兼ねなくカレーを食べたいよな。」
「なら、夕食後に旅装束を拭いておきますか。」
「そうだな。
そうしよう。」
ヴァレーリが頷くのだった。
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ヴァレーリ達が泊まる宿を監視できる位置にある家の空き部屋。
「・・・外での監視でなくて良かったです。」
ジーナが室内を見ながらリュックを置く。
「外はまだ寒いですからね。
小さいですがジーナ様、ノット様が作った折り畳み椅子と折り畳み机を持ってきました。
それとスズネ様が考案して、ノット様がササっと作ったスコープ用の三脚も持ってきました。」
アスセナが持って来た物を大きいリュックから出し、並べながら言う。
「すみません。
重たかったでしょう。」
ジーナが言う。
「いえ、このぐらい大丈夫ですよ。
それと監視用で何が必要かと話していて、弱くとも明かりが必要だろうという事とお湯ぐらい作って飲みたいだろうとの事でステノ技研から特注品のオイルランプと着火用のオイルライター、研究室で使っているオイルランプの上に置く台のセット、そして軽い小さな鍋です。」
「オイルランプとは?」
「最初の試作段階ではアルコールランプという名称でしたが、着火用でオイルライターという商品ができていて、燃料がSL-01液で同じなので、名称を統一にしてオイルランプとなっています。
SL-01液を満タンで4時間です。
火事には注意してください。」
アスセナが言う。
「わかりました。」
ジーナが頷く。
「それとキタミザト様と試験小隊のベイノン様とブレア様が途中にお客様に顔を見せに行くそうです。」
「わかりました。
そちらの方はご主人様達にお任せします。」
「はい、それでは私はこれで。
研究所に戻ってから帰宅します。」
「はい、ご苦労様でした。」
「失礼します。」
アスセナが退出していく。
「・・・さーって・・・窓際に椅子を持って行って・・・お?良いですね。
座ると窓の下枠辺りに目が来ますか。
これは楽ですね。」
ジーナが窓際に椅子を持って行って、宿が見えるか確認する。
「ジーナ、ここまでの監視は必要なの?」
チビパラスが現れて言う。
「特段、必要とは思えませんね。
それに私は子供達が窮地に陥った際の防衛行動が主にですからね。」
「そうなの?
子供達の査定だと思っていたけど?」
チビパラスが言う。
「違いますよ。
何かあった際の対処要員です。」
と扉がノックされ、ジーナが許可を出すとエンマとエルダームーンスライムの浜風(狼(成獣))が入って来る。
「ジーナ殿、お疲れ様です。」
「エンマ殿、お疲れ様です。」
ジーナとエンマが挨拶をする。
「ジーナ殿、後はお任せくださいね。」
「はい・・・とはいえ、お1人は大変でしょうから。
私は朝まで一緒に居て、交代で休みましょう。」
ジーナが言う。
「ジーナ殿がそれで良いのならそれでいいですけども。
交代で仮眠出来れば楽ですよね。
で、何をしているので?」
エンマがジーナに聞く。
「先ほどまでアスセナ殿が居て、机とか椅子とか持って来てくれました。
あと、お湯を沸かせるようにオイルランプセットを持って来てくれています。」
「私は毛布とサンドイッチとコップ等々を持ってきました。
毛布を敷いて、軽く横になりましょうか。」
「そうですね。」
エンマの提案にジーナが頷く。
「それで・・監視業務というのは初めてなんですけど、何をするのですか?」
エンマが聞いてくる。
「何か問題があったら精霊通信とスライム達で各所に連絡を入れる仕事です。
まぁ、私は子供達を守る防衛行動をしますが、エンマ殿は各所への連絡をするだけで良いですよ。
そもそもそういう事は起きそうにないですけどね。」
ジーナが言うのだった。
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