第3741話 スライムに指輪が付けられますか?(新種のスライムが出来ちゃいました。)
テイラーの魔法具商店。
「「ん~・・・」」
アリスとエリカは魔法の指輪を見ていた。
「結婚指輪に合わせて替えた方が良いですよね・・・」
「ですよね・・・これなんか良いかと思うのですけど。」
エリカが指さす。
「確かに。
でも、何を入れますかね?」
「私の固有以外はやはりケアとアクアは万が一、山に取り残されても生きていくために必要ですよね。」
「うん、山に放置はしないでしょうけどね。
ケア、アクアは決定として最低3種類、同じのにした方が良いのか、用途によって変えるべきか・・・
となると、結婚指輪に合わせると・・・これらが無難ですかね。」
アリスが指さす。
「「うーん・・・」」
2人が悩んでいる。
「アリス、エリカ、ちなみに私達が付けたらどうなるのですか?」
初雪が聞いてくる。
「え・・・初雪ちゃん達はスライムだけど、衣服は溶かさないように出来るから付けられない事はないと思うけど・・・」
「魔法適性はありそうですよね。
スライムを測定した事はないでしょうから過去に遡っても文献は出てこないでしょうね。」
「うーん、してみても良いかもしれませんが、した事がないから慎重に対処しなくてはいけないとも思いますね。」
エリカとアリスが言う。
「タケオ、相談です。」
初雪が武雄に向かって言う。
「うん?呼びましたか?」
武雄が初雪の下にやって来る。
「はい、タケオ、私達、エルダームーンスライムが指輪をしたら魔法が使えるのですか?」
「わかりません。」
武雄が即答する。
「仁王様、初雪達エルダームーンスライムが指輪をしたら魔法が使えるのですか?」
「さぁ・・・我は知らん。
エルダームーンスライム自体が希少中の希少だからな。
文献でもその辺はないんじゃないか?」
チビニオが考えながら言う。
「そうですか・・・初雪、なんでそう思ったのですか?」
武雄が初雪に聞く。
「はい、デムーロ国に行った際にアスセナが持っていたネックレスと同じ物を見つけ、タケオの指示でスライムに吸収させました。」
「オークを呼び寄せるアレですね。
それで?」
「取り込んだエルダースライムが魔物を引き寄せているようです。
頻繁にオーク等が近づいて来るのを躱しながら移動をしていたようです。」
「うん?」
初雪の言葉に武雄が首を傾げる。
「えーっと、前にルフィナちゃん達とゴドウィン伯爵領からここに向かう時にミアちゃんがグルグル巻きにしてオークを呼んでいたネックレスを吸収したら、そのエルダースライム自体が魔物をおびき寄せてしまう結果になったと?」
アリスが聞く。
「はい。
なので、私達、エルダームーンスライムも指輪をしたら何か出来るのかと思ったのです。」
初雪が言う。
「・・・ふむ、そう言われるとやってみる価値はありますが、今までしたという文献探しと実施に際しての入念な下準備が必要ではないでしょうか。」
エリカが考えながら言う。
「そうですね。
初雪、とりあえずその件は夕霧達と一緒に皆で考えましょう。
それまでは何か影響が出るかもしれないので、そういった魔法具は装着しないようにしてください。」
武雄が言う。
「はい、わかりました。」
初雪が頷く。
「で、なんで、デムーロ国でネックレスを吸収したスライムの話を知っているのですか?」
「ここに来たからです。」
武雄の問いに初雪が足元からスライムを持ち上げて見せてくる。
そのスライムは他のスライムと違いなんとも言えないくすんだ灰色になっていた。
「・・・・・・・・・うん、来ちゃったのね。
まぁ、街中ならそこまで問題はないでしょうが、街の外に行くと集まって来るでしょうね。
そちらも検証と打合せが必要でしょう。
それまでは・・・・・・私預かりにしますか。
私の書斎で過ごしなさい。」
そう言うと灰色スライムが右回りをする。
「うん、まぁ、取り込んだ遺体の姿形になれるのですから、ネックレスになったり、その効能を引き継いだりしても良いのかもしれませんね。」
アリスが言う。
「それはそれで問題が多いかもしれませんね。
エルダースライムも希少です。
スライムではなく、エルダースライムというのも重要だったのかもしれません。」
エリカが言う。
「気軽に試せないですが、とりあえずなってしまったという事にしましょう。
もしかしたら意外な仕事が出来るかもしれません。」
武雄が言う。
「タケオ、新種のスライムが出来たのか?」
チビニオ達もやって来る。
「はい、魔物を引き寄せるネックレスを吸収したエルダースライムが、その性能を引き継いでしまいました。」
「ふむ、不思議な事よな。
だが、希少中の希少という事だな。
もしかしたら魔法が使えると思わせる進化だ。」
チビニオが言う。
「はい、初雪もそこに思い至ったようです。
なので、今日、エルヴィスさん達と協議してみようかと思います。」
「うむ、様相が一変するかもしれぬな。
慎重に議論するべきだろう。」
チビニオが頷くのだった。
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