第2860話 エルヴィス爺さんに報告しよう。2(エイミーとアンに聞きましょう。)
「少し物足りない返事じゃったが・・・まぁ、スミスらしいと考えるか。
で、エイミーとアンじゃの?」
エルヴィス爺さんがエイミーとアンを見る。
「「はい。」」
エイミーとアンが背筋を伸ばして返事をする。
「うむ・・・エイミーの方はアリス達から聞いておったのじゃが・・・
アンはどうしたのじゃ?」
エルヴィス爺さんがアンに聞く。
「はい!私もスミスに嫁がせて貰いたいのです!」
「んんっ!」
アンの言葉にエイミーが咳払いをする。
「あ!嫁ぎます!
スミスの伴侶として精一杯愛し、エイミーお姉様と一緒にエルヴィス家を盛り立てます!」
「うむ・・・エイミーはどうじゃ?」
エルヴィス爺さんが頷いてからエイミーに聞く。
「はい、アンと同じく、2人でスミスを愛します。
それと同じくらいエルヴィス伯爵領の領民を愛しむようにしていきます。」
「そうか・・・3人共、何よりも自分達が幸せに過ごすのが一番じゃからの。
その次に領内の事をすれば良い。
自分達が幸せでないのに領民を幸せには出来んよ。
スミス、エイミー、アンよ、おめでとう、苦難はあるじゃろうがしっかりの。」
「「「はい。」」」
スミスとエイミー、アンが返事をする。
「うむ・・・とはいえ、スミスよ。
ちと節操がないのぉ。
王家の姫を2人同時とは・・・エイミーは報告を受けてはいたのじゃが・・・」
「それは・・・」
「まぁ、スミスの事じゃ、アンに押し切られたとわしは見るがの。」
「・・・」
スミスは何も言わない。
エイミーは「よくわかっていらっしゃる」と思い、アンは「押し切りました」と思っている。
「優しさと優柔不断は見方によるからの。
もう少ししっかりとしないと周囲からの評価が乱高下するの。」
「はい・・・」
スミスが返事をする。
「さて、エイミーはわかっておるじゃろうが、アン、わしが治める領地は収入が少ない。
潤沢な予算はないと思わないといけない。
それはわかるかの?」
「はい、お義爺さま。」
アンが返事をする。
「うむ、わかっているのなら良い。
食事は問題なく食べさせられるし、普通の生活は出来るじゃろうが、高価な装飾品にはすまんが手が出せん。
これが偽りない我が領の実情じゃ。
アリスもレイラの挙式の際は王城で借りたと言っておったの。」
「まぁ、王城だと・・・ですが、大丈夫です。
その辺は心得ていますし、これから買えるくらい税収が増えるように領内を発展させれば良いのですよね?」
エイミーがエルヴィス爺さんに言ってくる。
「まぁ、そうじゃの。
すぐには出来んがの・・・エイミーはうちの文官達が待っているからの。
こちらに来たらしたい事をして構わん。」
「ありがとうございます。」
エイミーが軽く礼をする。
「アンは何かするかの?」
「しても良いのですか?」
「予算は少ないがの。
家に籠っても面白くも・・・案外、ビエラ殿達がおるから面白いのじゃが、外で仕事を少しした方が街の様子もわかって気分転換になるしの。
何かあるかの?」
「あの!ヒルダという子がいらっしゃるのですよね?
タケオさんのお弟子さんで。」
「うむ・・・料理をしたいという事かの?」
「はい!料理は楽しいです。」
「ふむ・・・良いの。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「あ、良いのですか?」
アンが逆に驚いている。
「うむ、わしらは領内に発表する料理を模索しておる。
今はタケオの料理を段階的に広めようとしておるのじゃが・・・ジーナ、王都ではしておらんのか?」
「王家はやる気なのですが、経済局が待ったをかけています。
以前、伯爵様がレイラ殿下にお出ししたレシピ公開の報告書を王都に置き換えて入念な準備をするとの事で遅れております。」
「うむ・・・そういえばエイミーの実家である第2皇子一家領ではしておると聞いたが?」
「はい、タケオさんにレシピを教えて貰って実施しています。
キタミザト家、エルヴィス家に納入している大豆の料理を。
少し前に実家に戻った際に確認しましたが、徐々に受け入れられており、大豆の増産が今後も見込まれます。
お戻りになったらタケオさんに増産しているとお伝えください。」
エイミーが言う。
「うむ、伝えておこう。
でじゃ、タケオだけの知識ではの、先細りになると思っておる。
なので皆で意見を出して、料理を作り、公表出来る物は公表していこうと思っておる。」
「素晴らしいですね!」
アンが言う。
「料理の種類が増えれば、飲食店も多くなり、ひいては家庭内の料理にも波及するじゃろう。
そうすれば農業の生産拡大が可能になる。
好循環を生み出すのは新しい発想じゃよ。
ま、やり過ぎると過剰生産になるからその辺は考えてしなくてはならないがの。
じゃが、今は農地に出来る土地も多い。
あまり気にせずに拡大計画が立てられる。
その為には調理方法を広めないとの。」
「それを私が?」
「うむ、自由にとはいかないが、生産している食材の新しい料理を研究してみてはどうかの?」
「やらせてください!」
「うむ、その意気じゃ。」
エルヴィス爺さんがアンのやる気に笑顔で頷くのだった。
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