第2859話 エルヴィス爺さんに報告しよう。1(スミス、頑張れ!)
エルヴィス爺さんとビエラに宛がわれた部屋の扉前。
「「「・・・」」」
スミスとエイミー、アンがじっとしていた。
「・・・」
扉の横でドネリーが待機している。
ジーナは先に室内に入って、エルヴィス爺さんの方の支度をしている。
と扉が開き、ジーナが顔を出す。
「ドネリー様、こっちの準備は大丈夫です。
任せます。」
「わかりました。」
「では。」
ジーナが顔を引っ込めて扉を閉める。
「皆様、先方の用意が整いました。
スミス様、エイミー殿下、アン殿下・・・お覚悟を。」
ドネリーが言う。
「その言い方だと討ち取られるようじゃない。
まぁ、覚悟だけど。」
エイミーが言う。
「私なりの励ましですよ。
さ、待たせるのもあれですので、開けますよ。」
ドネリーが扉に手をかける。
「はい、待ちなさい、
スミス、アン、冷静に行きましょう。」
「「はい。」」
「落ち着いて、相手はスミスのお爺さまよ。
この話も事前に合意を貰っている・・・大丈夫、今日は歓談で終わるからね。」
「「はい。」」
「うん、大丈夫。
ドネリー、行くわよ。」
「了解しました~♪」
そう言いドネリーが扉をノックするのだった。
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エルヴィス爺さんとビエラに宛がわれた部屋に続く廊下の端では。
「うむ・・・これからですね。」
「大丈夫だろうか・・・」
「何かあってもすぐに対応しますからね。」
オルコットと料理長、メイド長がこっそりと見ていた。
「ふぅ・・・緊張します。」
メイド長が顔をこわばらせながら言う。
「エルヴィス伯爵殿は反対はしておりません。
和やかに進まれるでしょう。」
オルコットが言う。
「他国の使者や皇子一家相手にやりあっているのにメイド長は緊張するのか?」
料理長が聞いてくる。
「緊張の種類が違いますよ。
あのエイミー殿下が・・・ですよ?
皆が心配するのは当然です。」
「オルコット宰相殿、少し前にエルヴィス伯爵殿に会ったのだろう?
どうだった?」
「特に緊張はされておりませんでした。
何かあるとは思えませんね。」
料理長の言葉にオルコットが言う。
「お茶もスイーツも最高の物を用意出来たと思うんだが・・・
あとはエイミー殿下達が粗相をしなければ良いんだが・・・」
料理長が考える。
「頑張ってください!」
メイド長が祈るのだった。
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エルヴィス爺さんとビエラに宛がわれた部屋。
エルヴィス爺さんとビエラ、エイミーとスミスとアンとでソファで対面に座っていた。
ジーナはエルヴィス伯爵の座る斜め後ろに、ドネリーはエイミーが座る斜め後ろに控えている。
「・・・」
「「「・・・」」」
黙々とエルヴィス爺さんとスミス、エイミー、アンがスイーツを食べている。
「・・・」
ビエラが一早く食べ終わり、顔をジーナに向ける。
「・・・」
ジーナが首を振る。
「・・・」
ビエラがキョロキョロと皆の顔を見回し。
「スミス、話すの?」
ビエラがスミスに言ってくる。
「うん・・・はい、そうですね。」
スミスが言い出すとエイミーとアンが食器を置き、背筋を伸ばす。
「お爺さま。
言わなくてはいけない事があります。」
「うむ、聞いておくかの。
何かの?」
エルヴィス爺さんも食器を置き、真面目な顔でスミスを見る。
「はい・・・この度、僕の伴侶を見つけました。」
「うむ。」
「エイミー・ニール・アズパールとアン・クリフ・アズパールです。」
「うむ。」
「・・・えーっと・・・」
スミスはエルヴィス爺さんが頷くだけなので困っている。
「よろしいですか?」
スミスが聞いてくる。
「・・・はぁ・・・スミス、そこはもう少し男前を見せないといけないと思うのじゃがの。」
エルヴィス爺さんが呆れたように項垂れる。
「えーっと・・・」
スミスが困る。
「わしには事後報告で良いと思うのだがの?
『よろしいですか』なんて聞く物ではないの。
『決めました』で良いのじゃよ。
ジェシーもレイラもアリスもそう言っていたじゃろ?」
「アリスお姉様は言ってましたか?」
「・・・少なくとも『よろしいですか』なんて言ってないの。
タケオは経緯が経緯で謝っていたが、娶る事に許可を得ようとしていないの。
お互いに結婚をしようと決めたのじゃろ?
『決めました、部屋を用意してください』で良いんじゃよ。」
「お爺さま、それで良いのですか?」
「わしはそれで良いと思っておる。
スミス、お主が自ら決めた事じゃろ?
自らで決め、自らで責任を負うと覚悟を決めたのじゃ。
その決断をわしは尊重しておる。」
「はい・・・お爺さま。
僕は2人を娶ります。」
「うむ、わかった。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「スミス、しっかりな・・・と言ってやりたいが、まずは両人から信頼を育まなくてはの。
出来るかの?」
「はい、不誠実な事はせずに全力を尽くします!」
「うーむ・・・」
スミスの言葉にエルヴィス爺さんが難しい顔をさせるのだった。
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