第2858話 妻たちの評価。(あ、購入希望者が居た。)
第八兵舎の外。
絶賛テント設営中。
「ねぇ、ウィリアム、なんで参加しないの?」
ヒナを抱っこするレイラが聞いてくる。
「ふふっ・・・僕はこんな事しなくても特殊コンテナ搭載馬車が良い物だとわかっていたからね。」
ウィリアムが言う。
「実際は?」
ローナが聞く。
「僕には無理ですと懇切丁寧に総長に説明しました。
ヒナとエドワードの前で無様な姿は見せられません!」
「いや、さすがにまだ2人には見えないわよ。」
アルマがエドワードを抱きながら言う。
「まぁ・・・子供の前であれはないかぁ。」
ローナがクリフとニールの動きを見ながら言う。
「ねぇ、ウィリアム、テントの設営ってしないの?」
レイラが聞いてくる。
「設営自体はしたことあるけど、王立学院で数回。
卒業後は・・・行く先々で用意されていたね。
兄上達もほとんどした事ないんじゃないかな?」
ウィリアムが言う。
「そっかぁ・・・あ、試験小隊の方は終わったかな?
整列しているし。」
レイラが言う。
「早いわねぇ。
これだけ違うと買いたくはなるか。」
アルマが言う。
「設置が早いという事は撤収も早いという事よね。
何かあった際の退却も早くて済むか。」
ローナが頷く。
「これで頑丈だと言うんだから欲しがるよね。
ただ、これを作れるのはエルヴィス伯爵領のみというのが問題点と言えば問題点だね。」
ウィリアムが言う。
「まぁ、試験小隊が持ってきたという時点でタケオさん関係の工房だからねぇ。
タケオさんの発想が詰め込まれているだろうし・・・
余程の事がない限り、王都や他の領では競合になり得ないでしょうね。」
ローナが言う。
「ウィリアムはこれ買うの?」
アルマが聞いてくる。
「そこがねぇ・・・領地異動に普通の馬車で移動をするけど。
宿泊はあれにしようかと。
アルマとレイラ、子供達を寝かせるのにあれが良いと思うんだよね。
テントだとゆっくり寝れないだろうし、音も聞こえるしさ。」
「あー、そうだねぇ。
夜泣きもするだろうから随行の者達の睡眠の邪魔は出来ないね。」
ウィリアムの言葉にアルマが頷く。
「ふむ・・・移動時の夜泣きかぁ・・・
うちも買って王都への移動時に使うかなぁ。」
ローナが考える。
「となると、同じ時期に数台の納入をお願いしないといけないですね。」
レイラが言う。
「距離的には私達が先でレイラ達は少し後かな?
まぁ、製作的には同時期なのは確かか。」
ローナが言う。
「なら、ウィリアム、試験小隊とお爺さまに言って先行手配して貰おうか。
今ならジーナちゃんが居るから明日、明後日には連絡が届くだろうし。」
「あー、そうだね。
特殊な素材だと言っていたから、今から頼んでおかないといけないね。」
「あ、それ、うちも~・・・んー・・・費用いくらかなぁ。
レイラ、ジーナに言って見積もり送って貰って。
私達が領地に戻ってしまっていたら、すぐに送ってくれる?」
「わかりました。
見積もり依頼をですね。
今回のお爺さまが使った特殊コンテナ搭載馬車と同じ仕様でと伝えます。」
「ええ、お願い。
じゃ、設置出来た特殊コンテナ搭載馬車の中を見に行こうかしら。」
ローナが立ち上がる。
「あ、私も見たいです。」
「あ、私も~。」
レイラとアルマも言う。
「両殿下、エドワード殿下とヒナ殿下を預かりますから。」
エリカが子供達を預かるべく動くのだった。
一方の設営体験中の者達は。
「えーっと・・・ここを通して・・・」
「張る為の紐はこっちに引っ張るのか?」
「うーむ・・・もっと簡単なテントを開発しないといけないか・・・うん?これはどこの部品だ?」
アズパール王達3人は説明書通りに作っている。
「「「・・・」」」
補助の者達が「もう、私達にさせてください」と手と口を出すのを我慢しながら質問や手伝いを言われるのを待っている。
「・・・だからぁ、こっちを通すのが先で。」
「違う、こっちが先。」
「いやいや、あっちの方が先。」
財政局と総監局の若手幹部達は混乱していた。
補助の者達が「これはこれで楽しいなぁ」と温かく見守っている。
総長とマイヤーはと言うと。
「・・・マイヤー、予想以上に遅いな。」
総長がボソッと言う。
「こんなものではないでしょうか。
慣れないと設置自体も出来ない物です。
総長もあの中に入れば出来ないでしょう?」
マイヤーが言う。
「・・・ここで見栄を張る事は無いか。
もう十数年前にしたのみだからなぁ。
あそこまでは酷くないと思いたい。」
総長が言う。
「そもそも、普通に兵士がテントを設営する速さより早いのがあの特殊コンテナ搭載馬車なんですけどね。
まぁ、それだと苦労がわからないだろうからと今させていますが。
・・・総長、この後、本当に剣を刺すのですか?」
「その予定だよ。
防御面がどれだけ優れているかも見せないとな。」
「努力して設営したのを壊すのは可哀そうですがね。」
「マイヤーは売る側だろ?そこは割り切らぬとな。」
「そうですね・・・所長でもこういったのを考えそうです。」
「キタミザト殿ならもっと衝撃的な比較をするだろう。
たとえば、ドラゴンに踏ませるとかな。」
「・・・否定は出来ません。」
王都守備隊総長の言葉にマイヤーが苦笑するのだった。
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