第2851話 王都守備隊と試験小隊の飲み会。(クラーク議長の屋敷に行こう。)
第八兵舎に近い赤ワイン煮の良い店にて。
「では!二研の試験小隊が無事に我らの新人を撃破した事を喜び!
カンパーイ!」
「「「やーい、負けてやんのー!!」」」
「「「・・・」」」
王都守備隊のベテラン達が新人達に言うが、新人達は何も言えないでいる。
「相変わらず酷い部隊だ」
「これこそ王都守備隊。」
「「・・・はは。」」
「いただきまーす。」
「この店、前にきましたよね。」
アーキン、ブルック、ケイとパメラ、ミルコとアニータが各々で反応し。
「「古巣だなぁ。」」
オールストンとアーリスがしみじみと酒を口にする。
「おーい、邪魔するぞ~。」
ラックと女性隊員数名がブルック達の席にやってくる。
「ラック隊長お疲れさまです。」
ブルックが言ってくる。
「いやぁ・・・参った参った。」
ラック達が空いている隙間に座りながらラックが言う。
「ラック隊長、なんで最後にジーナ殿と模擬戦したんですか?」
ブルックが聞いてくる。
「俺にもわからん。」
「なんですかそれ?」
「いや、なんだか急遽組まれた。」
「はぁ・・・ジーナ殿の動きがキレッキレでしたけど?
いつもああなんですか?」
「あぁ、それな。
王都守備隊の近衛分隊や情報分隊の訓練時に一緒にしているが・・・
やはり御前仕合後から動きに無駄が無くなって来てな。」
ラックが言う。
「ふむ・・・御前仕合はジーナ殿に良い刺激になったという事ですね。」
「あぁ、ジーナ殿達は多対戦闘を熟せるからな。」
「達?」
「エルヴィス家のスミス殿が2人、ジーナ殿は4人同時に対戦が出来る。」
「・・・頼もしいですね。」
「全くな。」
ブルックの言葉にラックが頷く。
「そういえば、マイヤー殿はどうしたんだ?」
ラックが聞いてくる。
「マイヤー殿はお仕事中、トレーシー殿は伯爵殿と一緒にクラーク伯爵の所に行っていますよ。」
「ほぉ、そうなんだな。」
ラックが頷く。
「あ、ブルックさんだー。」
「おひさしぶりでーす。」
王都守備隊の女性隊員がブルック達に挨拶に来るのだった。
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少し大き目な邸宅の門にて。
「・・・はぁ・・・」
トレーシーがため息をついていた。
「ふむ、トレーシーが疲れておるの。」
「まぁ、奥様のご実家ですし。」
エルヴィス爺さんの言葉にジーナが言う。
「はぁ・・・慣れないんですよ。」
「妻の家族とは言え、他所の家じゃからの、そういうものじゃろう?
それに毎日居たわけでもないだろうしの。」
「はい・・・」
トレーシーが頷く。
「では、参ろうかの。
ジーナ、すまぬがここからは先導をしてくれるかの?」
「畏まりました。」
ジーナを先頭にエルヴィス爺さんとトレーシーが屋敷の玄関に向かうのだった。
・・
・
クラーク伯爵邸の客間。
エルヴィス爺さんとトレーシーはソファに着席し、ジーナはエルヴィス爺さんの後ろで立ちながらクラーク議長を待っていた。
「失礼する。」
クラークが入って来る。
エルヴィス爺さんとトレーシーが立って出迎える。
「すまんな、所用を片付けていた。
エルヴィス、トレーシー、まぁ、座ってくれ。」
クラークに言われて、クラークと一緒に腰を下ろす。
「エルヴィスは先ほどぶりだな。
トレーシーは久しぶりだ。
トレーシー、地方に行ってどうだ?」
「はい、十分に楽しんでいます。」
「はは、孫がまた出来るという報告を受けた時は驚いたが、良い事だ。」
クラークが笑いながら言う。
「はい・・・それで、キタミザト様の奥様のアリス様が身籠っておりまして。」
「それは聞いている。
キタミザト家も早々に世継ぎは必要だろう。
悪い事は1つもないな。」
クラークが頷く。
「はい、で、セシリーが乳母になると。」
「お・・・おお・・・そうなのか?
エルヴィス、どうなんだ?」
クラークがエルヴィス爺さんに聞く。
「はい、私としても本人がよろしければ問題ないとしましたが、決まりました。」
「そうか・・・英雄の子の乳母か・・・なかなかに凄い肩書だな。」
「私からしたら普通の孫娘ですがね。」
クラークの言葉にエルヴィス爺さんが言う。
「うむ、そうだな。
だが、世間はそうは見ない。
噂を大きくして、アリス殿を思うものだ。
アリス殿に会ったことある者など数はたかがしれているだろうしな。
そうか、英雄は置いておくとしても貴族家の乳母になれたのは良いな。
エルヴィス、すまんがよろしくしてくれ。」
「わかっております。」
クラークの言葉にエルヴィス爺さんが頷く。
「ふむ・・・そうだ。
エルヴィス、セシリーに余計な事を言ってくれたものだ。」
「クラーク先輩の昔の事を思い出しただけです。
余計な事を言った記憶はないですよ。」
エルヴィス爺さんが言う。
「ううむ・・・大変だったんだぞ。」
「それは当時の行いが原因ですね。
私の事ではありませぬ。」
「まじめだな、相変わらず。
まったく・・・」
「クラーク先輩の交友関係が派手なだけでしょう。
私は極一般的な生徒として過ごしていただけです。
田舎者ですし。」
「あの頃からエルヴィス伯爵領は貧乏だったからな。」
「今は多少はマシになっておりますよ。
それに成長する余地がまだあると捉えれば、悪い事ではないですしね。
王都は成長が横ばいでしょう。」
「ま、安定的と言えるだろう。
トレーシーは王都と田舎をどう思う?」
「・・・そこで振るのは止めてもらいたいですね。」
トレーシーが難しい顔をさせながら言うのだった。
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