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第2852話 内々の打ち合わせ。(こっそりとした打ち合わせ中。)

アズパール王国 アズパール王の執務室

アズパール王とマイヤーが居り、執務机にアズパール王、対面にマイヤーが座っている。


「・・・」

アズパール王がマイヤーから出された報告書を軽く読んでいた。

「ふぅ・・・魔王国との戦闘の経緯までは読めた。

 後は、じっくりと読ませて貰う。」

「はっ!」

「で・・・タケオの下に行ってそれなりに経つが、どうだ?」

「大変ですね。」

「我とどちらが大変だ?」

「精神的に陛下で、肉体的に所長でしょう。」

「言いよる・・・タケオは動き過ぎだと思うがな。」

「半分程度は望んではいませんが。」

「半分は自らが原因か。

 で・・・マイヤー、タケオをどう見る?

 前の報告から変わったか?」

「どうもこうも前と同じですよ。

 これが生まれながらの貴族であれば、時間が経過したので、屋敷の内外で態度が違うというボロが出そうではありますが、所長は気にせず同じです。

 良くも悪くもですが。」

「心地よい気風だな。

 ま、タケオ1人で十分ではある。」

「・・・こういった報告書なら良いのですが、先に渡した所長の行動報告等も今後は所長に見せてから出したいですね。」

マイヤーがいけしゃあしゃあと言う。

「ま、タケオなら全てを報告すると言って『いいよ』と言うだろうな。

 マイヤーは逆に我に見せたくない物を止めてくれているんだよな?」

「・・・まぁ、いくつか陛下にまだ報告できない事項はあります。

 所長も『まだどうなるかわからないから』という理由で報告していないと伺っています。

 陛下がそれも開示しろと命じれば私も所長は従うと思いますが。

 致しますか?」

「見返りが怖い・・・違った、タケオとマイヤーがまだ早いというのなら我は待つとする。

 上手く行けば報告がされるのだろう?」

「その予定で所長は話しています。」

「うむ、ならば良い。」

アズパール王が頷く。

「・・・陛下、本当によろしいのですか?」

マイヤーが聞いてくる。

「・・・何だか、念を押してくるな・・・

 タケオには好きにさせておくのが一番だと思っている。

 それにそこまで国家に不利益になるような事を企んではおらんだろう。

 これは信頼と取って貰って構わないぞ。」

「・・・魔王国とそれなりに通じているというのは?」

「タケオとエルヴィスに限ってなら結構な事だ。

 表立ってはゴドウィン伯爵の所を通じてやり取りをしているが、屋敷裏の勝手口で向こうと世間話をしているのは不用意な事故を防ぐにはちょうど良い。」

「特務な仕事という事ですね。」

「流石に他の貴族達がしているというのであれば、第三情報を動かすが・・・あの2人は真面目に魔王国とやりあってくれている。

 信頼するしかない。

 それに、あの2人がダメなら我が国の誰もがダメだろう。」

「そこが所長が懸念している事でしょうね。」

「・・・外交局が西側に対して忙しくてな。

 引き継ぐのも先になるだろう。」

「そうですね。」

「マイヤー・・・魔王国をどう見る。」

「私は所長とエルヴィス伯爵様、魔王国のヴァレーリ陛下との会談には立ち会いませんでしたが・・・

 所長からの報告では魔王国は我が国への本格侵攻は望まないというのはわかります。

 その後、所長より聞かされたデムーロ国との話を総合的に判断すると。

 領土は欲していないが、自国民に被害があったら攻め込んででも取り返すという事は確実かと。

 何よりも国民の安全に気を使っているようです。」

「ふむ・・・タケオからも同じような報告が来ていたか。

 マイヤーもそう見るのであれば、やはり魔王国はこちらから領土を切り取るような攻撃をしなければ穏便に対処して貰えるという方針だと言えるか・・・

 ま、あとはタケオが魔王国とデムーロ国での戦争で何を見て来るか・・・だな。」

「所長の事ですから更なる好感と個人的な友好を築いてくるでしょう。」

「ますます、外交局が引き継げなくなりそうだな。」

アズパール王が難しい顔をさせて言うのだった。


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クラーク伯爵邸の客間。

トレーシーは一足早く戻る為、退出し、ジーナが送りに行っている。

今はクラークとエルヴィス爺さんの2人で酒を片手に話をしていた。


「貴族会議との会談で・・・そう感じたか。」

クラークがエルヴィス爺さんの話に頷く。

「あれが・・・個人の資質的、性格的な物言いなのですか?

 会話の最中は貴族会議の方針かとも勘繰りましたが。」

エルヴィス爺さんが首を傾げる。

「それはすまなかったな。

 ・・・あれはあれで貴族会議を運営するのに役立つのでな。」

「スムーズな会議は良いですが、何も決定がされない無意味な会議をしているのであれば問題でしょう。」

「ふむ・・・おおよそ動議を発動した者の意見に大幅な修正が必要でなければ皆、何も言わなくなっているのは、その通りだが・・・」

「今後も変わりませんか。」

「そこまで強く変える必要があるかというと・・・貴族会議内だけの話であればないな。」

「そうですか。

 で、あるのなら、貴族会議の者との会話はそういった物として対処しましょう。」

「すまんが頼む。

 決定がされない会話か・・・嫌味や口撃はするんだがなぁ。」

「弁舌が上手いと?

 先の私との会談では、薄っすい持ち上げを受けましたが。」

「ああいうものだろう。

 ・・・根本は皆、出身領に引っ張られているのだがな。」

「未だにそんな事を・・・困ったものですね。」

「エルヴィスがそういったのをやらな過ぎなんだよ。

 ま、王都の貴族会議は貴族会議、地方領は地方領として対処してくれ。

 あれはあれで使えるのでな。」

「わかりました。

 不必要な干渉はしないように今後もします。」

クラークの言葉にエルヴィス爺さんが頷くのだった。


ここまで読んで下さりありがとうございます。

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