第2850話 第1騎士団との食事会。(同期が変わったのか、自分達が変わったのか。)
アズパール王国 王都のとある酒場では。
第1騎士団とエルヴィス伯爵領軍の若手との立食形式の懇親会が開始されようとしていた。
「では!軍務局と第1騎士団の若手とエルヴィス伯爵家の若手の皆さんの成長を願って!
飲むぞー!!」
「「「「「飲むぞー!!!」」」」」
「「「「「ははは・・・」」」」」
皆が音頭と共に飲む。
「鐘1つ分は貸し切りだから、遠慮なく飲んで、話して、懇親を深めてください!」
司会が注意を言ってその場を引くと皆が各々で近くの面子と飲食を始める。
「ジーニー!皆ー!」
「元気だったかー!」
「おぅ!元気かぁ、第1騎士団のエリート様!」
「おー、元気だなぁー。」
ジーニー達が魔法師専門学院の同期2名と合流する。
「聞いたぞ、魔王国との戦が初陣だったんだろう?どうだった?」
「正直、敵軍を見た時にこれから死ぬんだと思った。」
「確かに・・・あの光景は一生忘れられないだろうな。」
ジーニー達エルヴィス伯爵領軍の新人魔法師達が頷いている。
「おー・・・言葉に重みが違うな。」
第1騎士団の同期が言う。
「あれ、凄かったよなぁ。
11000名の整列だしさ。」
「「11000!?」」
第1騎士団の同期が驚く。
「あれ?ゴドウィン伯爵様から報告行っているんじゃないの?」
「まだだよ。
俺達下っ端は魔王国側貴族領軍が戦況悪化が予想されるから最終防衛拠点構築計画が発動されたとしか・・・な?」
「あぁ、相当に不利な状況下になっているんだろうと先輩たちは言っていたが・・・11000名だったのか。」
「・・・正確には兵士11000名、オーガ90体。
兵士11000名の内、1000名は魔法師だったな。」
「1000名の魔法師!?」
「なんという戦力なんだ・・・ん?オーガ90体?」
第1騎士団の同期が驚いている。
「戦闘はオーガ90体だけだけどね。」
「流石に65体の一斉攻撃は覚悟したし、必死だったな。」
「「オーガ65体が一気に!?」」
「実際は35体を相手取ってね。
私達エルヴィス伯爵家は援護と戦闘後の掃討をやったけど、二研は私達の前に陣取ってね、ケイとパメラは最前で戦っていたわ。
二研が凄かったよね。」
「戦場を横断して戦果をだしていたよなぁ。
ケイとパメラなんてオーガを倒しているし。」
「・・・あのパメラが?」
「ええ、そのパメラがね。
実戦は大事よ。
二研の試験小隊という部隊で過ごすと、貴方達が見下していた者がオーガを倒せるくらい急成長するんだから。
改めて魔法師専門学院は基本でしかないというのがわかったわ。
あとは本人の努力でどう成長するかよ。
そういった意味ではパメラは相当苦労したのかもね。」
「ま、まぁ・・・パメラは素質としてはあったしな。」
「発動が遅いだけだから、そこが上手くなれば上手くもなるか。
だが、俺らも訓練をしこたましているしな、オーガに後れは取らないさ。」
ジーニーの言葉に第1騎士団の同期が言ってくる。
「・・・なるほど。」
ジーニーが第1騎士団の同期を見ながら頷く。
「うん?なんだ?」
「いや、なんでも。
2人を見ていると私達生き残ったんだなぁとね。
他の皆は?」
「あぁ、あっちだ。
呼んで来るから待ってろ。」
「じゃあ、ついでに私達の餌も確保してきて、お腹空いたから。
お客様ではがっつけないと思っていたんだ。」
「わかった、わかった。
じゃあ、そこで待っていろよ。」
「大盛りで持って来てやるよ。」
第1騎士団の同期2名がジーニー達から離れる。
「・・・」
ジーニーが笑顔で2人を見送る。
「・・・ジーニー、どうした?
急にテンションが下がったようだったが。」
エルヴィス伯爵領軍で同期の者がコソッと聞いてくる。
「・・・私達はエルヴィス伯爵家に仕えられて良かったな・・・とね。
あの2人あんな考えだったっけ?」
「・・・俺達が実戦経験を積んだからかもな。
あいつの言った言葉に俺は恐怖を感じたよ。」
「ええ、私もよ。」
「俺もだ。」
ジーニー達エルヴィス伯爵領軍の最若手の魔法師3名が難しい顔をさせる。
「・・・ねぇ、彼ら戦争を意識していないわよね?」
「あぁ、ジーニーがパメラの奮戦を語ったが・・・戦争の戦闘でだ。
普通なら『凄かったんだなぁ』や『良く生き残ったなぁ』と言いそうだが、出てきたのが『オーガ相手に後れは取らない』だと。
討伐しに行ったわけではないんだがな?」
「11000名の敵兵を前にしてエルヴィス伯爵領軍の魔法師の援護があったと言っても30体程度のオーガを最前で相手したという意味が解っていないな。」
「・・・王都の騎士団がこうだと・・・西側の貴族領に行った同期は大丈夫なのかしらね?
あっちは戦争はないと言っていたし。」
「そこは・・・なんともなぁ。」
「あの2人だけかもしれない、あとの同期にも同じ話をして、第1騎士団の教えを垣間見た方が良いかもな。」
「そうね・・・今日はお酒控えた方が良いかもね。
何か口走りそうだし。」
「「そうだなぁ。」」
ジーニー達が頷くのだった。
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