第2727話 さらに報告が届きました。(あ、昇進の話がきましたよ。)
ヴィクターとフレデリックがアリス達と打ち合わせをして退出した客間では。
「はぁ・・・夕霧ちゃん、あとはフレデリック達に任せましょうか。」
「ん、スライムの監視は多めにしておきます。」
アリスと夕霧がソファに座りながら言う。
と、1体のスライムが夕霧の下に来て吸収される。
「ん、アリス、ズイウンが戻りました。
ジーナからです。」
「はい、わかりました。
なら、窓を開けて招き入れてください。」
「ん。」
夕霧が立って、窓を開け瑞雲を招き入れる。
「そうか、今日から彩雲、紫雲、瑞雲の鳥型のスライムでうちとジーナちゃんとお爺さまの所に行くのね。」
「ん、ここに来て鳥のエルダームーンスライムの需要が急増しました。
フウガに頼んで亡くなったらエルダースライムに吸収させます。」
「そうねぇ・・・こうもこの連絡手段が好調だと使いたくなるよね。
まぁ、すぐには無理でも今から準備はしないといけないか。」
「ん、アリス、ジーナからです。」
夕霧が瑞雲を抱えながら小瓶をアリスに渡す。
「はい、ありがとう。」
「ん、なら、ズイウンに残飯あげてきます。」
「はい、お願いします。」
夕霧と瑞雲が客間を退出していく。
「さて、ジーナちゃんから定期連絡を見ます・・・おぉう、定期連絡じゃなかったよ・・・
お爺さまが出立した途端にこれって・・・」
アリスが額に手を当てガックリとする。
「ジーナ、なんだって?」
チビコノハが机に現れ、アリスに聞く。
「・・・これ。」
アリスがジーナからの手紙をチビコノハに渡す。
「はいはい。
・・・ふむ・・・ほー・・・凄いじゃん。
アリス、タケオが侯爵に内定だって!スミスが伯爵維持かぁ・・・スミスは奥さんの影響だね!
まぁ良い事だね。」
チビコノハが笑いながら言う。
「はぁ・・・侯爵って随分前からなっている方はおりません。
侯爵・・・かぁ・・・」
アリスが難しい顔をさせる。
「うん?何がいけないの?
昇進した事は良い事よね?」
「いけなくはないですけどね。
ついこの間、男爵になって、歴代最速で子爵になって・・・伯爵にならずに侯爵かぁ・・・
敵増えそう。」
「タケオに敵なんているの?」
「やっかみは人の常ですよ。」
「そりゃ、確かに。
生きているだけで誰かに恨まれるのが人生だからね。
でも・・・タケオの実績が認められたんじゃないの?」
「まぁ、確かに、タケオ様がしている事は群を抜いて結果を叩き出していますけど・・・侯爵になる程かと言われると弱い気がするんですよね。
王族が王位継承権の直系から外れる際になる大公、公爵と並ぶ一般貴族の最上位爵位だからなぁ。」
「タケオは王家に並ぶのね。」
「序列では全貴族の最上位ですよ。
領地持ちでないのになって良い爵位なのでしょうか・・・」
アリスが考える。
「内定が出たのなら王都としてはなれると判断したんでしょう?
ありがたく貰っておきなよ。」
「はぁ・・・タケオ様がなんて言うか・・・」
「領地はいらね、金くれだね。
お金は全然足らないしね。」
「それはそうですけど・・・侯爵かぁ・・・
とりあえず、お爺さまに報告を送らないといけないわね。」
「そだね。
伯爵驚くんじゃない?」
「それは驚くでしょう。
まぁ、私もそうですが、昇進自体には納得するでしょうけど。」
「ま、あれほどやりたい放題していればなるよね。」
「それもそれでおかしいんですけどね。」
アリスが呆れながら言う。
「えーっと・・・伯爵の泊まる部屋とエイミーとの面談場所は確保したって書いてあるね。」
「ええ、そこはジーナちゃんなら何回もしている事なので大丈夫でしょう。」
「あとは・・・新兵たちの研修の件?
そんなのあったっけ?」
「前にお爺さまがエルヴィス家の新兵も1日ぐらい王都のどこかで研修を受けさせた方が良いかと言っていましたね。
地方の新兵なんて相手にされないだろうけど、とりあえずジーナちゃんに出来そうな所があるのか聞いてみるよう依頼はしましたね。
そこまで読めていませんでした、なんて書いてありますか?」
「第1騎士団。」
「・・・うん?」
「第1騎士団って書いてあるよ。
王都守備隊は研究所の試験小隊と訓練をするから無理だって。」
「なぜ?」
「どっちについて『なぜ』よ?
まぁ、試験小隊はほぼ古巣だから『なぜ』なんて言わないだろうけど。
第1騎士団がエルヴィス家の新兵に訓練付けてくれるって。」
「・・・ありえない好待遇ですね。
地方の新兵に第1騎士団なんて・・・普通なら相手にもされないのに。」
「それだけ評価されているって事なのかな?」
「んー・・・わかりません。
この間、王都に向かった者達が良い結果を出してくれたのでしょうけど・・・第1騎士団はほぼ魔法師専門学院の卒業者だと聞くし、地方の非魔法師なんて相手にしないと思うんだけどなぁ。」
「でも相手してくれるって。」
「んー・・・何か裏があるのでしょうか・・・」
アリスが考えるのだった。
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