第2725話 332日目 スミス達のティータイム。(エイミーの考察は当たるのか。)
夕食後の寄宿舎、エイミーとドネリー、ジーナがスミスの部屋でお茶をしている。
「あー、お爺さまがその件をジーナに話したのね。
なら、私も心行くまで話せるというものだわ。」
エイミーが言う。
「心行くまで話されても・・・」
ジーナが苦笑する。
「エイミー殿下、つまりはパット殿下と夫婦になりたい女性が現れたもしくは、クリナ殿下を迎えると?」
「まぁ・・・そうね。
バビントン男爵家はエルヴィス家のような立ち位置になるわね。
ちなみにねぇ、スミス、両方なのよ。」
「何が両方なのですか?」
スミスが聞く。
「パットの正室とクリナの嫁ぎ先の申し入れがね。」
エイミーが言う。
「・・・大胆ですね。」
スミスが驚きながら言う。
「まぁ、バビントン殿が言い出したかは、疑問が残るけどね。
少なくとも王家に娘を王家から嫁をというのはエルヴィス家にそっくりだわ。」
「流石に王妃はなっていませんけど・・・レイラお姉様が王妃?・・・怖い国家が出来ますね。」
スミスが考えながら言う。
「そぉ?レイラお姉様が王妃になったらもっと国家は発展するかもしれないわよ?
あれほど売れている本を書いている作家なんですから。
他の芸術的、文化的な事を推進するかもね。」
「んー・・・レイラお姉様がですかぁ・・・」
スミスが悩みながら言う。
「ま、仮定よ。
パットが跡継ぎ候補として最有力でその正室がバビントン殿の長女になる見込みよ。
あ、クリナは断っているから。
クリナは王立学院に入ってから決めると言っているからどこかに嫁ぐわ。
バビントン家に入るかは本人達の努力次第よ。」
エイミーが言う。
「エイミー殿下、これってどちらが先だったのですか?」
ジーナが聞いてくる。
「うん?先?」
エイミーが首を傾げる。
「ご主人様の侯爵への爵位の昇格とパット殿下関係での新貴族達の昇格がです。」
「ふむ・・・そこは私も知らないわね。
昇進の話はジーナから聞いたんだしね。
ま、私は今回の戦争の結果を見るとタケオさんが伯爵になるとは思っていたけど、いきなり侯爵とは思わなかったのは確かだわ。
侯爵はお爺さまの代では居ないからねぇ。
貴族最上位、王家と肩を並べるという事なんだけど・・・お爺さまも思い切ったわよね。」
「ですが、爵位授与から少ない期間で最上位の侯爵です。
絶対に敵対する者が現れます。
現に研究所の予算を上げて頂いた時もご主人様は貴族会議の方々に嫌味を言われたと溢しておいででした。
それが今代最高の爵位ともなると・・・」
「ま、そうね。
だからこそ王族がエルヴィス家に入るのかもしれないし、タケオさんの同期を味方につける為に昇格をさせるのかもしれないわね。」
エイミーが言う。
「・・・陛下は急いているようにも見えますが。」
「水面下で行えと?
まぁ、水面下でも出来たでしょうが・・・秘密は漏れるものよ。
漏れてしまえば妨害もあり得るわ。
妨害に屈するのか、潰すのかは知らないけど・・・何かしらの被害は出るでしょうね。
同じ被害を出すのなら、王城から仕掛ける方が御しやすいと思ったのかもしれないわね?」
「それがご主人様の侯爵位の授与ですか?」
「・・・元々昇進はされる予定だったと思うわ。
この戦争以前にタケオさんが絡んだことが多すぎるからね。
ウィリプ連合国の情勢の把握と人員の勧誘、カトランダ帝国の情勢の把握。
魔王国の上層部との連絡手段の確保。
各王家に精霊を入れさせ、皇子誕生にも寄与している。
奴隷制度の改定を機に自身も奴隷の雇用を率先して行い、異種族への雇用差別をしていないという見本を示している。
さらには王城の専売局や財政局と組んで国内での収入を増やそうと画策しているともお爺さまから聞いているわ。
エルヴィス伯爵領での動きは言うに及ばずね。
これだけの動きをした者を伯爵以上にしないというのは他の者がタケオさん以上の結果を出さないと伯爵になれないという事よ。
そんなの無理に決まっているわ。
なので、昇進は必須だったはず・・・侯爵位というのは驚いたけど・・・
ま、昇進自体は驚きはないわね。」
エイミーが言う。
「侯爵ですよ?」
「そぉ・・・侯爵よねぇ・・・
過去の文献を探してみないとわからないけど・・・領地持ちでない者が侯爵なんてなった事あるのかしら?」
エイミーが首を傾げる。
「なぜ前例がない異例の昇進をさせるのですか?」
「・・・ここからは私の想像だけど・・・
まずはパットの正室の件から貴族達の目線を逸らせたいと思うのよ。
お爺さまとクリフ伯父上はパットの件はすんなり決めさせたいからね。
その為には、タケオさんを餌に反王家や魔王国側の貴族達を舐めている者達を炙り出す気なのかも。
タケオさんに批判が行けば、いろいろと動けるだろうし・・・」
「明確に線引きをすると?
少々危険だと思いますが。」
「確かに現状を維持しておくのも悪くはないけど、王城の指示を西側に伝える際に自分達側の貴族を見極めておいてからの方が良いというのもわかるわ。
まぁ、もしかしたら貴族会議や王都の壁辺りの反応を見てみたいのかもしれないわね。
・・・お爺さまは、もしかしたらクリフ伯父上の時代に移る前に見極めをしておきたいのかもしれないわね。
王家側に有能な部下を残しておきたいと思うのは親心なのかもしれないし。
・・・少し荒れそうね。」
エイミーが言うのだった。
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