第2721話 ビエラ、武雄の下に行く。(手紙を届けに来ただけですよ。)
ブリアーニ王国のデムーロ国との関から3時間程度の距離にある広場の魔王国 王軍陣地内の武雄達のテント前。
「タケオ、これ、美味しいよ?
これじゃないの?」
戻ったビエラが、ホットケーキのような物を頬張りながら武雄に言う。
「残念ながらね、それにしても残っている時に戻って来るとは思いませんでした。
ちなみにその粉の配合を売り出そうか、さっき料理長と話していたんですよ。」
「へぇ~、大変なの?」
「菓子系の小麦や砂糖の量って結構、決められた分量でしないと上手く行かないんですよ。
なので一般家庭で同じ味を出すというのは中々に慣れが必要なんです。
そこで水や卵と混ぜる手前の状態で粉を売り出せないかとさっき話していたんですよ。
家庭内で作りたいという需要はあるはずですからね。
そうすれば国内の小麦の販売量や一緒に使われる物も売れるのではと。」
「ふーん、で、料理長はなんて?」
「面白そうだけど、いろいろと下調べが必要だろうと言っていましたね。
これも各々で考えて、国内で出来たら売るという事をしてみようと話しましたよ。」
「タケオはするの?」
「魔王国から菓子用やスイーツ用の小麦を輸入しますし、協力工房に雑貨屋がありますからね。
少量を売ってみてですかね。」
「やるなら私はタケオに期待するよ。」
「・・・ビエラはやらないのね。
で、ビエラ、明日戻りで良かったのですよ?」
武雄が言う。
「んー?ジーナから手紙貰ったし。
へーかの状態、教えたかったし。」
「その言い方だと陛下が病気に伏しているように聞こえますが・・・生きてましたか?」
「大丈夫、でもタケオの手紙で泣きそうになてたよ?」
「そうですか、感涙するほど喜んでくれましたか。」
「・・・うん、で、ローナとアンが居たよ。」
「そうですか。
じゃぁ・・・手紙を見ますかね。
ふむ・・・ふーん・・・うん、満額回答ですね。」
武雄がニヤリとしながらビエラを見る。
「タケオ、儲けた?」
「ええ、十分な利益は確保出来ましたね。
当面の遊ぶ金には困りませんね。」
「ふーん・・・で、アンとかグレースの話書いてあった?」
「あー、ありましたね。
ふーんとしか思いませんけど。」
「え?伯爵とアリスが真面目に悩んでたよ?」
「それはスミス坊ちゃんがらみと領主としての何かに巻き込まれないかという思案をしないといけないからではないですか?
私は仕事に関してもあまり関係のない事ですし、割と傍観者的に見ていられますね。」
「そなの?」
「ええ、『私は』・・・ですけどね。
研究所は陛下の直属ですから、次期王のクリフ殿下とは、とりあえず話せますしね。
パット殿下の時は代替わりして私はのんびりとしているでしょうから・・・深く関わらないでしょうね。」
「そなんだ。
なら、タケオは見てるだけなんだね。」
「ええ、私はそのつもりですよ。
まぁ王都に行けば何かしらあるのでしょうけど・・・その時はその時で話し合いに参加すれば良いと思っている程度ですね。」
「あ、そだ。
アリスがスミスが帰って来る前に屋敷を増やすって言ってたよ。」
「増やす??」
「うん!えっと・・・今の屋敷の左右に屋敷立ててスミスの屋敷とアリスの屋敷を作るって。
今の屋敷は皆で集まったり、泊めたりする所にするって。」
「今の屋敷の両サイドに?・・・それって国会議事堂のような感じにするという事かな?」
「うん?」
「・・・まぁ、良いです。
とりあえず増築とリフォームをするという事ですね。
土地の入手とか増築で費用がかさむかぁ・・・んー・・・今回のお金だけでは足らないなぁ。」
武雄が考えながら言う。
「足らないの?」
「私とアリス、ビエラ達の屋敷分は今回の陛下から貰ったので出来そうですけど・・・屋敷を挟んで反対側もとなると・・・もう少し貸付られる資金が欲しい所ですね。」
「へーか、泣きそうだたよ?
あれ以上は出せないんじゃない?」
「陛下の懐は寒くなりましたか。
となると次は・・・どこから資金を得ましょうかね。」
「ローナとアルマも出してたよ。」
「となると王家からはとりあえず搾ったという事ですね。」
「そういえば、エイミーがリツの棲み処の跡地にドラゴンの革の工房を作って、貴族に貸すって言ってた。
へーかがエイミーに紙を要求してたよ。」
「・・・その話、詳しく知りたいですね。
ビエラが王城に行っている間にダニエラさんと同じようなドラゴンの革の工房の話をしていたんですよ。」
「へぇ~・・・エイミー、凄いね。」
「そうですね。
そうか・・・となるとドラゴンの革の加工は国家事業に格上げとなるから国家予算で買ってくれるんですね。
・・・ビエラ、グローリアさんに依頼して、他のドラゴン達のいらない皮を売ってくれないですかね?」
「売るというより、ワインと交換じゃない?
そのぐらいしか買う物ないし。
服とかは魔王国で買えるし。」
「なるほど。
なら、ローさんに言ってドラゴンが好きそうなワインを用意して貰いますかね。
で、グローリアさんに選んで貰って、立て替えて・・・で良いかな?」
「良いんじゃない?」
「なら少し考えますかね。
ビエラは今日はこのままここに?」
「んーん、屋敷に帰るよ。
あっち今日米だって。
私も食べたいし。」
ビエラが言うのだった。
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