第2527話 ジーナは通常業務に戻ります。(王城に報告に行きます。)
寄宿舎の玄関。
「いや~、改めて良い物見たと思うわ。
ジーナを労わないとね。」
「そうですね。
お祝いのスイーツも買いましたしね。」
「夕食前に食べちゃおうぜ。」
「夕食前に食べたら夕食食べられないでしょう?
イーデンは大丈夫だろうけど。」
グレース達がワイワイと玄関を入ってくる。
「あ、おかえりなさいませ。」
出かける用意をしていたメイド姿のジーナが出迎える。
「「「なんで先に帰ってきているの!?」」」
グレースとイーデン、カイルが驚く。
「はは・・・」
スミスは苦笑している。
「いや、待って。
いくらなんでもジーナ早すぎよ!?
私達がスイーツを買いに行っていたのはあるけど、仕合会場の周りは凄い人だかりだったし。
こんなに早く帰ってこれないわよ!?」
グレースが言ってくる。
「はぁ・・・どこにもよらずに真っ直ぐ帰って来ただけですが。」
ジーナがとぼける。
「ジーナ、これから王城?」
スミスが聞く。
「はい、アリス様から定期連絡が来ておりますので、行って来ます。」
ジーナが頷く。
「うん、いってらっしゃい。
気を付けてね。」
スミスが言う。
「あ、ジーナ、帰って来たらスイーツ買ってきたから食べましょう。」
「はい、わかりました。
行って来ます。」
ジーナが玄関を出て行くのだった。
「・・・イーデン、お預けよ。」
「流石に祝う本人が居ないのに食べたりしませんよ。」
グレースの言葉にイーデンが言うのだった。
・・
・
王城の入り口の受付。
ジーナがいつも通りに入ってくる。
「キタミザト家ジーナです、陛下と第3皇子一家にご報告に参りました。
よろしくお願いします。」
「はい、わかりました。
ジーナ殿、優勝おめでとうございます。」
「ありがとうございます。
小太刀をお預けします。」
「はい、わかりました。
少しお待ちください・・・では、こちらを。」
警備兵が小太刀の詳細をメモし、番号が書かれた木札を渡す。
「はい、お願いします。」
「では、少しおかけになってお待ちください。
陛下と第3皇子一家の予定を聞いて参りますので。」
「わかりました。」
ジーナはそう言って受付前の椅子に腰をかけるのだった。
・・
・
王城のアズパール王の執務室。
アズパール王とオルコット宰相、外交局長、軍務局長、王都守備隊総長が居た。
今日はウィリアムとアルマ、レイラも来ていた。
「失礼します。」
ジーナが案内をしてくれた王都守備隊員と共に入ってくる。
「うむ、ジーナ、先ほどぶりだな。」
「はい、陛下。
ご報告に参りました。」
「うむ、聞こうか。」
「はい、では、届きました2日前の朝の配置報告を致します。
と言っても、戦場に目立った動きはないそうです。
小競り合いが昨日の報告以降で4回程あり、全て領主軍が対応しているとの事です。
怪我は多少ある物の死者なし、回復済みと書いてあります。」
「ないか・・・・」
アズパール王が腕を組んで考えながら呟く。
「キタミザト家とエルヴィス家の物資の状況が来ていますが、目立った不足品は発生していないとの事です。
また、エルヴィス伯爵領軍、第二研究所共に病気等の兆しはないとの事です。」
「ふむ・・・確か前回の慣例の戦争では死者が出ていたと思ったな。」
アズパール王がそう言いながらオルコットを見る。
「はい、前回の報告は見返しましたが、戦闘でというよりも大半が病気との事でしたね。
発覚したのが発症後でケアも上手く行かずに・・・との報告だったはずです。」
オルコットが言う。
「うむ、ゴドウィン伯爵から報告のあった負傷者の交代と早期の回復戦法が上手く行ったという所と陣地内に1か所、魔法師が待機していて小さな怪我や症状が出たらすぐに対処する場を設けたとあったな。
今回は相当、兵士達の体調管理を徹底しているようだな。」
「はい、報告書には救護所と書いてありましたね。」
アズパール王の言葉にオルコットが頷く。
「うむ。
それとタケオが考案したトレンチコートも使っている兵士がいるだろうな。」
「そうですね。
複合的に動いていて、結果が良いという事でしょう。
最終的な報告を待って、王都で検討をし、騎士団や兵士達に取り込ませましょう。」
オルコットが言う。
「軍務局長、これほど動かないという事は何かあるのでしょうか?」
外交局長が聞いてくる。
「わかりません。
散発的な小競り合い自体はあります。
なので、全く何も動いていないという訳でもないようです。
少なくともある程度の緊張感は最低限維持出来ているはずです。」
「戦闘の専門ではありませんが・・・例えば、相手の戦意を維持させるために小競り合いを仕掛けるような事はせず、数日間全く何もしないで相手を油断させ、いきなり多数のオーガの1点突入とかの方が効果があるのではないですか?」
外交局長が言う。
「効果は絶大でしょう。
ですが・・・それと同時に数日間全く何もしないと言う事は我が国から何か大規模な戦闘を仕掛けるかもしれません。
仕掛けられるのを嫌うのであれば定期的に小競り合いを起こし、大規模な攻撃の準備をさせないようにしている・・・とも考えられます。」
軍務局長が言う。
「なるほど。
・・・戦場の事は難しいですね。」
「他国の情勢を調べたり、接触している外交局の方が難しいと思いますがね。」
「ま、それは専門家ですから。
お互いに考え抜くしかないですね。」
「ええ。
今は伯爵方やキタミザト殿が警戒を解いていませんから、安心して報告を見ていられます。」
外交局長と軍務局長が話し合うのだった。
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