第2523話 留守番の2人は何を。(雑談か昼寝か。)
「国王陛下ならびにウィリアム殿下がご到着されました。」
観覧席の一番上の特別席にアズパール王が現れると会場が沸く。
アズパール王とウィリアムが観覧席に向かい手を振ってから席に着く。
同席者は王都守備隊総長と第1騎士団長。
王都守備隊員3名と騎士団員3名は端に立って警護をしている
「さて・・・気が逸ってしまって決勝よりも早く着いてしまったようだな。」
アズパール王が観覧席を見ながら言う。
「そうですね。
今の状況は?」
「現在、準決勝第1試合が終わり、ジーナ殿が無事決勝に進んでおります。
これから準決勝第2試合と準決勝の敗者同士の3位戦、決勝が行われます。」
アズパール王達が座っている場所を先に警護していた騎士団員が言う。
「父上、早く来過ぎましたか。
だから言ったのに。」
「ジーナが出ているんだ、遅れる訳にはいくまい。」
「それでも早すぎだと言ったじゃないですか。」
「仕事が手に付かんのでな。
とりあえず、間に合わなかったがジーナが決勝進出して何よりだ。」
アズパール王が頷く。
「これから対戦相手を決める戦いですか。
どんな感じですか?」
「1人は昨年の3位、もう1人は昨年の優勝者になります。
予想としては昨年の優勝者が決勝に行くだろうと言われております。」
「順当に行けば昨年の優勝者が勝つか。
まぁ、準決勝に残っていた者ならば、実力は拮抗していそうなものだ。
確実にとは言えないかもしれないな。」
「はい。
また、情報としては、昨年の優勝者は剣技を変えて出てきていると言われております。」
「へぇ、そうなんですね。」
ウィリアムが感心する。
「勝っているにも関わらず、自らの戦い方を変えられるというのは並々ならぬ覚悟と努力をしたんだろうな。」
アズパール王が言う。
「はい、聞いた所では、昨年は一撃での攻撃を主体としていたという事です。
今年は連撃での攻撃を主体としています。
向き不向きはあるとは思うのですが、両方を使いこなすというのはあまり聞かないかと。」
「で、個人の見立てとしてはその昨年の優勝者とジーナどちらが勝ちそうだ?」
「個人としては昨年の優勝者が優勢ではないかと。
ジーナ殿は一撃で屠る剣技を使っておりますが、少々短い木剣を使っている事もあり、連撃を繰り出してくる相手に防戦一方になる可能性があります。
同じ剣技を使っているエルヴィス殿が防戦一方で負けております。」
騎士団員が言う。
「では、これより準決勝2試合目を開催します。
まず、昨年の優勝者」
アナウンスが流れる。
「さて、どうなるか見ものだな。」
アズパール王がそう言いながら舞台を見るのだった。
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王城の第3皇子一家の執務室。
「「はぁ・・・」」
アルマとレイラがため息をついていた。
「見に行きたかったねぇ。」
アルマが言う。
「ジーナちゃんの勇姿を見たかったなぁ。」
「レイラ・・・一応、弟のスミスの試合を見たいと言わないといけないんじゃないの?」
「スミスはいいんですよ。
元々優勝する気はないみたいですし。
そこそこの成績が出せれば本人は満足だと思いますから。
でもジーナちゃんは優勝しないとタケオさんのご褒美貰えないですからね。
気合いが違います。
それにあの華奢な女の子が大人達を倒すのを見るのは楽しそうですし。」
「まぁ、ジーナは体格だけ見ると華奢過ぎるわよね。
良くあれで戦えるわ。」
「ジーナちゃんだからねぇ。
ジーナちゃん勝てば人気になるかな?」
「話題にはなりそうね。
でも、王立学院か王城にしかいないし、極稀に街中に居る程度でしょ?
ジーナちゃんを知っている人も少ないだろうし、人気になっても生活は変わらないかもね。」
アルマが言う。
「優勝したら街中に居ても声をかけられる事が多くなるかも。
でも、それぐらいかぁ。
もっと色々と手を尽くさないといけないと思っていたけど、今のままでいけそうだと思うと楽ね。」
「そうね。
でも、その問題はジーナが優勝してから・・・違うか、試合が全部終わってから悩んだ方が良いわね。
今、何を想像しても現実に起きないと何とも出来ないんだからね。」
「は~い、そうします。
で、お義父さまとウィリアムが出て行きましたけど、例年よりかなり早めに出て行きましたね。」
「そうね、皆で『まだ早い』と言っても、『ジーナの試合が見れなくなるというのは避けたい』といっていたわね。
あの様子だと朝食後の仕事は上の空だったかもね。
困った物ね。」
「楽しみにしていたのは、わかっていましたが。
お義父さまらしい事ですよね。」
「そうねえ。
さて、どうせジーナの試合が終わらないと帰ってこないわね。
何して居ようかしらね。」
「そうですね・・・昼寝ですかね。」
「あー、まずはそれが出て来るか。」
レイラが言うとアルマが感心したように頷くのだった。
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