第2522話 ジーナ決勝進出。(スミスの周りは戦いたい者しかいないのか?)
御前仕合の会場の舞台上。
「勝者!ジーナ!」
会場が沸く中。ジーナが目の前で蹲っている対戦相手と審判にそれぞれ礼をして舞台を降りて控室に向かう。
(ジーナ、やったね。)
パラスが語り掛けてくる。
(次は3時間後に決勝ですね。
大会の方が個室の控室前で護衛してくれていますし、呼ばれるまで寝ていましょうかね。)
(だねー。
あ、控室に入ったら水飲んでね。
キャラメルも1個食べてから寝てね。)
(ええ、わかっています。)
(あ、マリから『良くやった』だって。)
(ええ、良かったです。
・・・負けたら訓練内容がどうなるかわかったものではないですからね。)
(マリがそんな事・・・そんな・・・スミスにしそう。)
(スミス様は勝っても負けても多くなるでしょうね。
ま、私は勝ったら免除という事で交渉をしましょうかね。)
(交渉出来れば良いね。
さて、次がどっちになるかだね。
やっぱりスミスを負かしたトーテかな?)
(どうですかね。
あまり気になりませんが・・・今までと同じ戦い方が楽そうですよね。
トーテ様には負けて頂いた方が良いでしょうか。)
(だよねー。
ま、トーテが来てもジーナはマリと練習した成果を出せば、何とかなるよね。)
(そうですね。
でも・・・一刀両断の方が気持ちが良いんですよね。)
(まぁ、気持ちはわかるけどね。
燕飛に一刀両断、嵐勢、石厭、鋒縛・・・タイ舎流はジーナ向きだったのかもね。
これだけ出来れば、剣豪と言われるかもね。)
(どうなんですかね。
でも、燕飛に一刀両断、嵐勢は気持ちが良いですね。
石厭は使う機会はないですし、鋒縛は片手で持ってやりますから・・・使い勝手は良くなさそうです。)
(・・・あれ?嵐勢で相手の剣を打ち下ろして、その時に左足を出しながら燕飛で相手の顔めがけて下から突きを出して仰け反らせ、最後に一刀両断て、流れ的に最高じゃない?)
(最高かわかりませんけど、決まれば気持ちが良いですよね。)
ジーナとパラスが気軽に話しながら控え室に向かうのだった。
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御前仕合の会場の観覧席。
「なんと言うか・・・ジーナの仕合は直ぐに終わるから目が離せないわ。」
グレースが言う。
「それは・・・まぁ、そういう剣術ですから。」
スミスが苦笑しながら言う。
「スミスとジーナ殿の戦い方は一撃で仕留めるんだよな。
今まで見た事なかった。」
イーデンが言う。
「そうなの?」
グレースがカイルに聞く。
「ええ、基本的には打ち合って相手が弱った所で一撃を打ち込むような感じです。
2人がしているのは開始と同時に雌雄を決するやり方で普通はしません。」
カイルが言う。
「スミスはどう思うの?」
グレースが聞いてくる。
「・・・そもそもなんですけど、戦場で僕が剣を抜いている時点で戦況は最悪なんですけどね。
剣を打ち合うとかそんな余裕はないですよ。
僕は領主としてジーナは側近として一撃で倒さなければならない状況で剣を抜いているんです。
なので、この戦い方で良いんですよ。」
「「「あー・・・」」」
3人が頷く。
「あ、待って。
スミス、戦場ではそうかもしれないけど、街中とかでイザコザがあった場合は?
相手が多い時もあるだろうし。」
グレースが聞いてくる。
「なんで領主が剣を抜いているのでしょう?
捕縛は兵士か警護の仕事です。
それにイザコザに巻き込まれたらまずは交渉で何とかするのが最初なのでは?
どうしようもないなら一緒に来ている兵士達にお願いした方が良いでしょう。」
スミスはそう言いながらも頭の片隅に率先して戦闘をするであろう姉と義兄を思い浮かべてしまう。
「「「あー・・・」」」
3人が頷く。
「じゃあ、なんでスミスは剣を学んでいるんだ?」
イーデンが聞いてくる。
「体力作りと万が一の際に相手を屠れるようになる為だね。」
「でも、スミス的にはその万が一というのは戦場の最悪の事態になった時ですよね?」
カイルが聞いてくる。
「ええ、そう思っています。
なので、貴族だからどうのといった剣技を学ぶ気はありません。
どうせ、使う機会はないんですし。」
「・・・領主としてそれで良いの?」
「はい、良いと思っていますよ。
領主が誰よりも強くならないといけないとは言われていませんし、その為に武官や警護が居るんです。
僕よりも強い人を横に置いておけば問題はないですよ。」
スミスが言う。
「スミス、領主がそれだと他の貴族から何か言われない?」
グレースが聞いてくる。
「別に気にしませんけど・・・グレース殿下、貴族は強くなくちゃいけないのですか?」
「いえ・・・そうならないといけないというか・・・努力をしなくてはいけないと思うわ。」
「そうですか。
まぁ、剣術はこれからも鍛えていきますけど、人前で披露するのはこういう時だけでしょうね。」
「「「ふーん。」」」
3人が納得したのだか、していないのだか、微妙な顔をさせて頷くのだった。
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