第2520話 ベルテ一家の副業を探さないと。(エイミーの提案。)
ベルテ一家の農場。
「ふーむ・・・ニルデ、ジルダ、これで良いの?」
ウカが干してあるタンポポの根を見ながら言う。
「そうですよー。」
「大丈夫!
あと少しで完成!」
2人がウカに言う。
「まぁ、実績がある2人が言うなら良いけど・・・
量を作る時は少し考えないといけないかなぁ?」
「うーちゃん、どしたの?」
ダキニがウカに聞いてくる。
「乾燥の日数が多いなぁって。」
「根はカラカラに乾燥させないといけないみたいだからね。
ニルデとジルダが学んだ事をやっているから、今はそれで作るしかないよ。」
「そうなんだけどね。
乾燥の数が多いと天候で良し悪しが出ちゃいそうだしさ。
不均一な品質になるのは商売としてマイナスだからさぁ。」
「まぁ、うーちゃんの言葉はわかるけど、まだ始めたばかりだしね。
むしろ本格出荷をする前にどの程度の天候不順でも品質が保てるかの試験をしておいた方が良いんじゃない?」
「あー、それもそうだね。
人工的に乾燥をさせるのは機械が必要だろうしね。
今は、天候によっての味の違いを確認の時かぁ。
んー、道は険しいねぇ。」
「安定するまでは結構かかるしね。
うーちゃん、米の方は大丈夫なの?」
「順調、順調。
元々敷地の周りに魔物や虫が嫌うであろうトウガラシが等間隔で植えてあったからね。
これのお陰もあるかもね。
来年はトウガラシも多く敷地の周りに生やして、収穫したら乾燥して売ってみるのもありだよね。」
「そうだねー。
それに来年の収穫を多くさせるならゴマ油はないけど、オリーブオイルか何か使ってラー油擬き作ってみようよ。
小瓶に入れて売れば売れるんじゃない?」
「なるほど、ご当地七味ならぬご当地ラー油かぁ。
・・・タケオが作っていそうだけど・・・小口として商売の足しになりそうだよね。
作業的にもそこまで時間もかからないか。
だーちゃん案、採用だね!」
「うんうん、ベルテ一家のちょっとした小遣い稼ぎになると思うし、伯爵とタケオの所には定期的に卸させてくれると思うしね。
変な話、タバスコの代わりにピザに振りかける猛者も居るかもしれないし。
あとでドナート達に相談しよう。」
ダキニが言う。
「ピザにラー油かぁ・・・確かにタバスコが出回る前にそれで馴染ませておけば、タバスコが出回っても固定客は増えそうだね。
あ、コノちゃんにも連絡入れておこうっと。」
「だねー、この地域の大手はタケオとアリスの売り込みならまずは試してくれそうだし、1番難しい切っ掛け作りが簡単になりそうだしね。
もしかしたらタケオが実演販売してくれるかもしれないね。」
「うんうん、タケオ何気に上手そうだしね。
この間も店頭でウスターソースの実演販売したんだっけ?
なら、ラー油も100個くらい売ってくれそうだよね。」
ウカとダキニはタケオの販売力とこの街の住人の購買力を見誤るのだった。
------------------------
エルヴィス伯爵邸の客間。
エイミー達がアリスと合流し、明後日の出立を伝えていた。
ジェシーは乳母達と別部屋でお茶をしながら今後の予定を詰めると言う事で離席していた。
「わかりました。
今日の昼の連絡でタケオ様達には連絡を入れます。
明日は午後から精霊の打ち合わせですね。
コノハ、皆さんに伝達お願いしますね。」
アリスが頷く。
「ん?うん、わかったわ。」
腕を組んで窓の外を見ていたチビコノハが振り返って頷く。
「で、エイミー殿下、今日はどうされるのですか?」
アリスがエイミーに聞く。
「お土産というかアズパール王の頼まれた物は買えましたし、新しいスニーカーも買わせて貰いました。
雑貨屋で魔王国の物も買わせて頂きましたし・・・とりあえず、買い物は満足なんです。」
「昨日は帰って来てから話しておいででしたね。」
「はは、我ながら目新しい物に目が行きました。
まさか、魔王国の物が手に入るとは思いもしませんでした。
あ、そうだ、ふと思ったのですけど、小さい宝石の付いたネックレスを輸入してはどうですか?
意匠は無難であっても魔王国産というだけでアズパール王国での価値はあると思いますし、長期間置いておけます。
王都に少量出すのでしょうけど、基本はこの街にくれば魔王国のネックレスが買えるというのも1つの特色かと思います。」
エイミーが言う。
「なるほど、今後の参考にさせて貰います。
それで、今日は?」
「そうですね・・・この街の農業を見たいですね。
確か、試験をしているんですよね?」
エイミーが聞いてくる。
「・・・経済局の農業試験場ですか?
確か、小麦とトマトを主とした主要野菜の品質改良と肥料の試験をしていますね。」
アリスがベルテ一家の事は触れずに言う。
「ええ、まぁ、見てどうこうするではないのですが、どうやっているのかなぁ程度の好奇心です。」
「わかりました。」
アリスは頷き、ベルを鳴らすと執事が入ってくる。
「失礼します。
アリス様、お呼びでしょうか。」
「はい、エイミー殿下が経済局の農業試験場を見学したいそうです。
可能ですか?」
「はい、問題はありません。
ですが、少々片付けますので1時間後に移動をお願いします。
経済局よりご案内する者をこちらに寄こしますので、お待ちください。」
「エイミー殿下、それでよろしいですか?」
「はい、構いません。」
「では、1時間後に迎えに来てください。
それまでエイミー殿下方はここでお茶をしておりますから。」
「畏まりました。
準備をさせますのでお待ちください。」
執事が客間を退出して行く。
「・・・アリス様、ありがとうございます。
その言っておいてなんですが・・・断られるかと思っていたので。」
エイミー殿下が言う。
「え?特に隠すような事はしていませんから大丈夫ですよ。
それに他からの意見は大事にしたいので、見て貰うのも丁度良いと思ったからですよ。
エイミー殿下方も気兼ねなく色んな事を文官達に言ってくださいね。」
アリスが朗らかに言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




