第2514話 ゴドウィン伯爵の教育方針。(親バカ発見。)
ゴドウィン伯爵軍陣内の大きいテント。
ゴドウィン伯爵が、子育てについての持論を展開しているのだが。
「「「んー・・・」」」
エルヴィス爺さん、武雄、テンプル伯爵が腕を組んで首を傾げていた。
「え?ダメなのか?」
ゴドウィン伯爵が驚き顔をさせながら言う。
ちなみにテンプル伯爵は武雄とエルヴィス爺さんがゴドウィン伯爵の子供の教育方針の持論を聞いている時にやって来たので、もう一度、最初からゴドウィン伯爵が話をしていたりする。
「いや・・・ダメと言うか・・・
エルヴィスさん、これって普通なんですか?」
「まぁ、基本的な所である文字の読み書きや計算、領内の事はしっかりと教えないといけないのは確かじゃよ。
じゃが・・・フレッド、些か詰め込み過ぎじゃないのかの?」
エルヴィス爺さんがゴドウィン伯爵に言う。
「ですが!親父殿!スミスはこのぐらい出来ていたと言うではないですか。」
「それはスミスじゃからじゃよ。
スミスには読み書きや計算、領内の事はしっかりと教えた。
これは強制的とも言えるくらいしっかりとな。
じゃが、それぞれの文官が担当する様な国全体や税、農村や町といった内容はスミス本人が知りたがったのじゃよ。
本人が望むのならと参考になるであろう文献や臨時教師を手配した。
だがな、基礎的な部分以外はスミス自ら考えて勉強しておる。
わしらが強く言ってやらせている訳ではない、大切なのは本人が望むかどうかじゃよ。」
エルヴィス爺さんが言う。
「今の時代、そこまで詰め込む必要はないと思います。
それに王立学院でその辺の事は学ぶんじゃないですか?
早く教えておけば良いという物ではないと思いますよ。」
武雄も言う。
「子育て中の私にも言えますけど、子供に色々望むのは構いませんが、過度の期待は子供にとって辛いだけですよ。
基本を教えておけば、問題ないと思います。
あとは成長して必要になってから学べば良いです。」
テンプル伯爵が言う。
「だが!だが!王立学院に入って成績が低ければやる気をなくし、成績が悪化し・・・あわわわ。」
「フレッド、一体いつの話をしておるのじゃ?
あくまで基礎的な事を徹底して教える事に注力し、その後は本人が気になる事を学ばせれば良いのじゃよ。
あれもこれもと欲張ってどうするのじゃ?」
「ですが、王立学院は貴族の子供が集まる場。
そこで悪い成績を取ろうものなら在学中はイジメられるかもしれません。」
「・・・ふむ、あるなしで言えばあるじゃろう。
スミスとジーナを送り出す際も似たような事を注意事項で言ったの。
じゃが、それは本人の成績だけで決まる訳では無かろう?」
「その要因の1つに勉強も入るでしょう?」
「まぁ・・・そうかもしれんの。」
エルヴィス爺さんが頷く。
「いや、エルヴィス伯爵、そこで頷いてはダメでしょう。
ゴドウィン伯爵、あくまでもイジメは総合的な物です。
成績が悪くとも人柄でイジメを回避する事もありますし、成績が良くても人柄が悪ければイジメられる可能性は高くなります。」
「俺の息子が性格が悪いわけないだろう!?」
ゴドウィン伯爵が言う。
「・・・ダメな親の典型じゃの。」
「まぁ、初めての子ですしね。」
「こうはなりたくないですね。」
エルヴィス爺さん、テンプル伯爵、武雄が呆れる。
「む?なんだ3人とも。」
ゴドウィン伯爵が3人を見る。
「・・・タケオ、よろしく頼むの。
少々キツクても構わんよ。」
「はぁ・・・ゴドウィンさん、まずは座って、そしてお茶を飲みましょう。」
エルヴィス爺さんが武雄に振ると、武雄がにこやかに言う。
「いや!タケオ!息子の教育の問題が」
「ゴドウィンさん、座って、お茶を飲んでください。」
「息子の将来が」
「・・・座って、お茶を飲みましょう。ね?」
「どうやればスミスのようになる」
「それは後で良いので、座って、お茶を飲んでみましょう。」
「ただでさえ、王家と同じ年に生まれるんだ、少しでも勉強が出来て、剣技も習わせな・・」
「黙れ、座れ、飲め。」
武雄が眉間に皺を寄せて半分睨みながら言う。
「!?・・・はい。」
ゴドウィン伯爵が大人しく座る。
「フレッド、お茶を飲むのじゃ、タケオの言うとおりするのじゃ。」
「はい・・・ズズー。」
ゴドウィン伯爵がお茶を飲む。
「エルヴィスさん、テンプルさん、終わりました。」
武雄が2人ににこやかに言う。
「うむ、ご苦労じゃった。」
「ご苦労様です、タケオさん。」
2人が武雄を労う。
「・・・」
ゴドウィン伯爵が大人しくお茶を飲んでいる。
「はぁ・・・フレッド、子供の教育は親の考えによるというのはもっともじゃ。
じゃが、それは小さい時だけの話じゃよ。
大きくなれは自然と自分が学びたい事が出来るじゃろう。
その時には親はそれを後押ししてやるだけじゃよ。
もちろん基礎的な事はしっかりと教えてやらねばならぬがの。」
「ですが、親父殿・・・」
「ゴドウィン伯爵、あまり期待をし過ぎてもいけません。」
「・・・ん-・・・これは期待なのか?」
「無自覚が一番厄介ですね。」
武雄が呟くのだった。
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