表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2522/3906

第2505話 武雄帰還、報告に行きます。(とりあえず研究だけはします。)

エルヴィス伯爵領軍陣内の大きいテント。

「失礼します。」

武雄とマイヤーが先導の兵士と共にテント内に入ってくる。

「戻ったか。

 まずは、無事で何よりじゃ。」

エルヴィス爺さんが机の所で地図を見ながら座ったまま2人に声をかける。

「ありがとうございます。

 小競り合いの方はどうですか?」

「順調じゃよ。

 死傷者は出ておらん・・・怖いぐらいに問題はないの。」

エルヴィス爺さんがお茶をすすりながら言う。

「そうですか。」

武雄がそう言いながら座ると、マイヤーも武雄の隣に座る。

「うむ・・・人払いじゃ。」

エルヴィス爺さんが言うとテント内に居た護衛達全員がテントを出て行く。

彼らはテントの周囲に立ち警戒はするが、テントの中の声が聞こえない距離を取ってくれる。

「・・・うむ、どうじゃった?」

「ダニエラさんが来ましたよ。

 私が出て行くのが、相当の脅威と感じているようですね。」

「まぁ、オーガ戦でタケオ達は部隊としての力を見せておるからの。

 ダニエラ殿の考えもわからなくもないが・・・戦場でアズパール王国(うち)の陛下のように動かれるのは如何なものかな?」

「そうですね。

 相当、急いだようで供回りも連れていませんでしたよ。」

「うちの陛下以上じゃな。

 で、何をしておった?」

「新人の索敵の経験と今度導入する簡易罠の設置訓練だそうです。

 ダニエラさん曰く『設置したのを持って行かれたくないから概要だけは見せる』と言ってくれて、動作を見せて頂きました。」

「ふむ・・・索敵の訓練というのは気にしないが罠・・・のぉ。」

エルヴィス爺さんが顎に手をやり、考える。

「ダニエラさんが来なかったら1個くらい貰おうと思ったんですけどね。

 ものの見事に持って帰ってしまいました。」

「ははは、ダニエラ殿がタケオに渡すと危険だと思ったのじゃろう。

 わしでもそう思うじゃろう。」

エルヴィス爺さんが苦笑しながら言う。

「過大な評価ですね。

 で、欲を言えば設置する所もと思ったのですが、動作をする所を2回見せて貰いました。

 『大型獣が踏むと動作する』と言っていましたので、どうも動作させるのにそこそこの重量が必要なのだろうと思います。」

「うむ・・・大型獣かの。

 タケオ、どんな形じゃ?」

「はい、皆で見て、戻ってから記憶を頼りに書いたのですが。」

武雄がそう言ってエルヴィス爺さんの前に紙を置く。

「ふむ・・・見た事が無い形じゃの。」

「私としてはこれをトラバサミと言いたいと思います。

 この真ん中の板を押すもしくは荷重をかけると、両サイドの半円の板が閉じて足等を挟むという原理としてはわかり易い物です。

 動力は半円の付け根にあった平らで厚めの細い板状の鉄の棒を曲げた物の反動力を利用しています。

 元々折り曲げて傾斜が付けられているので、片方の板を押し込んだら、元の形に戻ろうとする力です。

 使っている鉄の質が良い物と考えられます。」

「うむ、つまりはこの曲げてある鉄を下に押し込んで、半円板を開いて設置し、真ん中の板を踏むようにしてあるという事じゃの。」

「はい。

 地面に設置し、上から周りの草等を被せれば、一見してはわからないと考えられます。

 草を乗せる事を考慮して大型獣用に調整し、耐荷重を重めにしている可能性はあります。」

「なるほどの。

 威力としてはどのくらいだ?」

「森の中で拾った直径5cmくらいの木の棒を食い破られました。」

「・・・痛いのそれは。」

「はい、足で踏んだ場合、骨折は確実と思われます。

 用途としては、言われたように大型獣の狩猟や幌馬車等の重量物への通商経路への攻撃、拠点の周囲に設置しての防御機能が上げられます。」

武雄が言う。

「うむ、用途は落とし穴と変わらんの。」

エルヴィス爺さんが言う。

「そう言われるとそうですね。

 設置のし易さ、隠匿性は落とし穴と比べて割りと良いと考えます。

 設置までの総費用は穴を掘るのと制作から設置まででは今回の方が今の段階では高いと考えますが、将来はわかりません。」

「ふむ・・・対処法は1つずつ潰すしかなさそうじゃの。」

「それか丸太を転がすかですね。」

「ふふ、それは出来んじゃろ。」

エルヴィス爺さんが苦笑しながら言う。

「・・・まぁ、そうですね。」

武雄が頷く。

「ま、今回のトラバサミと言う罠については、わしとしては注意はするものの具体的に製作や採用はしなくて良いと思うの。

 それにタケオの方で研究はするんじゃろう?」

「今後の為、試作はしようかと。

 王都に構造を報告して、欲しがったら設計図を売る感じでしょうか。」

武雄が言う。

「ふむ・・・王都は興味を示すかの?」

「説明次第では。

 4年後の戦争に向け、非魔法師(・・・・)でも使えて、設置が簡単な物は使う使わないは関係なく手札としては欲しがるでしょう。」

武雄が言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] タケオだったらそう言う怪しそうな地面はシールドかストーンの絨毯攻撃で強制発動させそうだけど
[一言] 広範囲に魔法の石で散弾アタックすれば……今から通る道が石だらけになってしまうか。 うーむ、意外と厄介な罠なんですね。
[気になる点] 「用途」自体が「使用のみち。使いみち。用いどころ。」の意なので、「使用用途」は二重表現ではないかと [一言] トラ(虎)は現地にもいるんでしたっけ? タマ達は大きくても一応猫ですし…イ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ