第2506話 報告します。(怒られました。)
「ふむ・・・タケオの方は収穫があったと言う事じゃの。
こちらは変わらずだから結果を見れば、今日はアズパール王国側に取って実りの日になったの。」
「はい。
で・・・アリスから定期連絡が来ています。」
「うむ、今日も何事もないと書いてあると良いのじゃが・・・」
エルヴィス爺さんがそう言いながらお茶を口にする。
「ジェシーさんが子供を産んだそうですよ。」
「んっ!!ゴホッゴホッ・・・んんっ!タケオ、簡単に報告して来るの。
危うく変な所にお茶が入りそうじゃった。」
「それはすみませんでした。
ですが、もう2日前の深夜の話ですから。」
武雄が普通に返答する。
「ふむ・・・ジェシーと子供は無事かの?」
「手紙には『ジェシー、男子出産、母子ともに健康で問題なし』だそうです。
コノハやテト、仁王様、ウカとダキニにエイミー殿下のアル・・・いっぱいいますからね。」
「うむ。3名以上は『いっぱい』という言い方で良いじゃろう。
精霊だけでなく、王家にエルフも立ち会うのじゃからの。地方領で産むにしては豪勢じゃのぉ。」
「たまたまですよ。
で・・・どうしましょうか。」
「うん?んー・・・フレッドへの報告とな・・・わしらより部下から報告が来た方が良いじゃろうの。
わしらはほぼ同時に連絡が来たと言い張るしかあるまい。」
「では、報告が来るまで顔には出さないようにしないといけませんね。」
武雄が頷く。
「とは言うものの、今日か明日には来るはずじゃからの。
そこまで待つ必要はないじゃろう。」
「・・・急いでくるでしょうね。」
「急いでくるじゃろう、待望の男子じゃからの。
皆落ち着かない状態で今か今かと待っておるじゃろうしの。」
「なんだか疲れそうです。」
「うむ、わしらはコノハ殿とパナ殿が居るお陰で生まれてくる子の性別はわかるが、基本はわからんからの。
普通は生まれて来るまで皆気が気ではないのじゃよ。
皆の仕事にも力が入るというものじゃ。」
「それ、違う意味だと思いますけど、物理的に力が入っているのはどうなんですかね?」
「良く物を壊す程度じゃな。」
「困った物ですね。」
武雄とエルヴィス爺さんが雑談を始めるのだった。
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魔王国 パーニ伯爵領の関にある櫓の上。
「・・・怒られたな。」
「ですね。」
「我は新人達を救ったと思っていたんだが。」
「各大隊の幹部が総じて『何で一言言わないんですか!?』と言っていましたね。」
「ああ、『言ってたら遅れただろうから、まずは動いた』と言ったらさらに怒られた。」
「あれは余計な一言でしたね。
『各大隊が日替わりで1個中隊が直ぐ動けるようになっています!』と言っていましたね。」
「しっかりしているな。」
「王城でもそうですから。」
「アンナローロは知っていたのか?」
「当然ですね。
でも、いくらキタミザト殿の部隊でも10数名相手に1個中隊を出すのは過剰ですし、1小隊を連れて行くのも下手したら戦闘になりかねません。
それに何かあってもダニエラ様なら何とかしてしまいますし・・・と考えていたらダニエラ様が走っていました。
お付きの私は追うしかなかったのです。」
「おぅ、我が原因か。
だが・・・言う暇はなかったな。
新人が危ないと思っていたし、すぐに間に入らないといけないと思ったしな。
後悔はしていない!」
「ダニエラ様は優しいですね。
・・・それに彼らの献身が必要なのはここではないですからね。」
「こんな所で怪我をされては困る・・・だけだな。
・・・まぁ、それは良い。
ここで話す事でもないな。」
「はい。
それにしてもキタミザト殿自ら出てきましたね。」
「監視にキタミザト殿が出て来るのか?
貴族だぞ?」
「それを言ったらダニエラ様は国王ですよ?」
「んんっ!まぁ、10数名しか居ないと言っていたし、人数が居なかったのだろう。」
「もしくは、キタミザト殿がこちらの動きが気になったかですね。
キタミザト殿は率先して気になる事には動きそうですので。」
「まぁ、キタミザト殿の今までの事を考えると新しい事や知らない事、やりたい事が重要だな。
出て来たという事はアンナローロが言うようにキタミザト殿がこちらの動きを気にしての事と考えるのが普通か。」
ヴァレーリが考えながら言う。
「はい、小競り合いをしているのに戦場とは違う所で何かをしている部隊・・・気になるポイントですね。」
「はぁ・・・なるほどな、のちの脅威になりそうな事がありそうだから見に来たか。」
「キタミザト殿の前でしたのが今回の原因ですかね。」
「訓練自体は間違いではないからな。」
「はい、今回の戦争は新人にとっては訓練に最適です。
これを使わない手はありません。
なので、次はパーニ伯爵領軍の方でしますか。」
「ついでに周辺監視は今回よりも丁寧にした方が良いだろう。」
「では、そうさせましょう。」
ヴァレーリの言葉にアンナローロが頷くのだった。
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