第2502話 ヴァレーリ到着。(あーぁ、回収出来なかった。)
森の縁の武雄達。
「・・・撤退していきますね。」
アンダーセンが言う。
「そうですね。
充分に待ってから・・・ん?」
武雄が頷いてから何かに気が付き動きが止まる。
「所長・・・メイド方が来ましたが?
あれって・・・」
「はぁ・・・ダニエラさんです。
あーぁ・・・兵士達が固まってしまっていますね。」
「はぁ・・・訓練視察・・・では、なさそうですね。」
「であるのなら、メイド服を着る必要はないですよ。
どういう意図が・・・あーぁ・・・こっちに手を振っているし。」
「うん、所長、こっちの位置バレていますね。」
「しょうがない・・・下手に無視をしてこっちに来られても面倒ですし、会いに行きますか。」
「はぁ・・・そうですね。」
アンダーセンが諦めながら言う。
「アンダーセンさん、皆さんにスコープの使用を禁止させます。
一応、念の為に私の大袋の方にしまいますので一旦、回収を。
それと戦闘行為と取られかねない行動も禁止にします。」
「了解しました。
総員、集合。
スコープを一旦、回収する。
これ以降は警戒はしつつも納刀、柄に手をかけるのも厳禁とする。
木の棒は・・・持って行くか。」
アンダーセンが周囲の試験小隊の面々に言うと皆が迅速に動き始める。
「はぁ・・・えーっと・・・トラバサミ、1個貰えないものかなぁ。
皆で観察して、後でどういう構造だったか書き取りしないといけないかも。
戻って再現になるかもなぁ。」
武雄が1人呟きながらがスコープをしまうのだった。
・・
・
魔王国 王軍の訓練中の兵士達が集まっている所。
「お、出て来たな。」
ヴァレーリが森から出て来た武雄達を見ながら言う。
「流石、キタミザト殿が率いる部隊ですね。
全員が剣を鞘に入れて攻撃の意志を無くして歩いてきます。
強い意思をお持ちですね。」
ヴァレーリの隣に居るアンナローロが感心しながら言う。
「・・・って、キタミザト殿居るし。」
「あー・・・ご本人ですね。」
近付いてくる者達の先頭の者に気が付き、ヴァレーリとアンナローロが呆れるのだった。
・・
・
「はぁ・・・どっちで?」
武雄が諦めながらヴァレーリに聞く。
「一応、我はこの戦場には居ないというか・・・観戦のみなんだ。
ちゃんとしない方が良いな。」
「わかりました。
ダニエラさん、何しているんですか?
前線に来てどうするんです。」
武雄がいきなり非難から言い出す。
「おぅ、いきなり怒られた。」
ヴァレーリが呆気に取られる。
「当たり前でしょう?
まぁ、何か道具を設置する作戦をしていたようで監視させて頂きましたけど。
ここ戦場ですよ?
時のトップが出てきてどうするんです?
危ないと思わないのですか?
まぁ、私達からすればダニエラさんに傷はつけられないでしょうけど。
護衛の兵士も連れずに不用意過ぎます。
それにここで作戦を実施していた兵士達が予定外の行動をさせられて困っているでしょう?」
「いやいやいや、そうなんだがな?そうなんだよ。
わかっているんだ。
だが、あっちで見ていてキタミザト殿の所の小隊が出て来たから、うちの新人達が殲滅させられると思って、すっ飛んで来たんだ!」
「え?うちは10名程度の部隊ですよ?
40名居る所に攻撃する訳ないでしょう?」
武雄が呆れながら言う。
「え?だって、あのオーガ戦は我も観たぞ?
あれをこの小隊にされたらひとたまりもないだろう。
心配して当たり前だ。」
ヴァレーリが言う。
「はぁ・・・戦闘行為は基本的に出来うる限りしない方向ですよ。
まぁ、オーガへの対応は率先してしますけどね。
とりあえず今回のような戦闘を目的としていないような行動をされたら、まずは監視をして、そちらの兵士方が去ってから、この場の確認を実施、それで終わらせるつもりでしたよ。
まったく・・・ダニエラさん、こっちを脅威に思い過ぎです。」
武雄が諦めながら言う。
「あのオーガへの攻撃を見て、脅威に思わない者は居ないと思うがな。」
ヴァレーリが呆れる。
「はぁ・・・そう思って頂くのはありがたいですけどね。
で、ここで何していたんですか?」
武雄が聞く。
「うん?訓練だが?」
ヴァレーリが言う。
「何の?」
「新人の索敵の経験と今度導入する簡易罠の設置訓練だな。」
ヴァレーリが言う。
「あ、ダニエラ様。」
アンナローロが言葉を漏らす。
訓練の小隊を率いている者も驚き顔をさせてヴァレーリを見る。
「新しい罠・・・ですか?」
「ああ、大型獣が踏むと動作する捕獲用のな。
・・・お前達、キタミザト殿に話したのを気にするなよ。
キタミザト殿に限ってだが、それなりにしっかりと対応しておいた方が無難に終わらせられるからな。
むしろ、ここで誤魔化したりするのなら、我らが去ってから勝手に調べて、数個持って行かれるぞ。」
ヴァレーリが言う。
「そうですか。
頂けますか?」
「ダメ。
やらん。
この後、回収して行く。」
ヴァレーリが即答する。
「ふむ・・・動作させる所を見れれば大人しく帰りますよ。」
「おぉう・・・しょうがない・・・1回だけなら動いた所を見せるか。
それで満足してくれ。」
「2回にしてください。」
「1回だけ。
アズパール王国に見せるのは問題ないが、キタミザト殿に1回でも見せるのは危ないからな。」
「2回。」
「ダメ。」
「・・・2回。」
「・・・」
「2回。」
「うぅぅぅ・・・」
「2回。」
「わかった、2回見せる。
それで引いてくれ。」
「はーい。」
武雄が頷くのだった。
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