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第2500話 何を設置しているのかな?(1個欲しいです。)

武雄達は森の訓練場を抜けて、前回、試験小隊が監視をした場所を臨む森の縁に到着していた。


「なるほどね、ここからほふくで行ったのですか。」

武雄がファロン子爵領軍の方を見ながら言う。

「所長、この木の横に屈んでなら魔王国(向こう)の櫓からは見えないですよ。」

オールストンが言う。

「そうなのですね。

 では、失礼して。」

武雄が指定された場所に行き、屈んでからヴァレーリから見えないか軽く確認してスコープを取り出し、確認しだす。

アンダーセンも武雄の横で屈んでスコープを取り出す。

他の者達は武雄達を中心に少し離れてその場に屈みながらも全周の警戒を実施している。

「・・・あれって・・・トラバサミだったかな?」

武雄がスコープで覗きながら言う。

「・・・所長はあの物がわかるのですか?」

アンダーセンが聞く。

「使った事はないですが、本とか(映像とか)で見た事がある程度ですね。

 確か、熊とかイノシシとかを捕らえる道具です。

 ま、簡単に言うと蝶番が付いている小箱の蓋を開けておいて、手を入れたら蓋が閉まるような物です。

 ただし、あれは強力な力で挟み込んでくるので、そう簡単に離さないんです。

 軽く骨が砕けると聞いた事がありますよ。」

武雄が言う。

「とても強力なんですね。」

「使い方としては対魔物や動物なら動作する為のスイッチ部分に餌とかを置いて招き入れるという感じでしょう。」

「村とか町から離れた山間では重宝がられそうですね。

 我が国でないのはどうしてですか?」

アンダーセンが聞く。

「あれを作るのには強力な板バネが必要だったはずです。

 残念ながらトラバサミに使えそうなのは、この国で見た事ないですね。」

「我が国に無い技術という事ですね。」

「・・・あれを戦争で使うのならああいった茂みもそうですが、相手の戦力の侵攻を遅らせる為に進行上の道に設置しますね。

 もしくは相手に勝てると踏んだなら相手の裏に回って撤退ルート上に設置して、敗走時の足止めをさせますかね。」

「なるほど。

 所長に渡してはいけない道具の1つですね。」

アンダーセンが言う。

「・・・戦争が高度になってくると兵士を殺すのではなく、兵士に傷を負わせる事に注力が注がれるようになります。

 トラバサミのような装置はこれから先増えるのかもしれませんね。」

「それはどういう考察なのですか?」

「考え方は簡単ですよ。

 兵士を殺すという事は戦力のみを減らし、国が遺族への補償をするという事が発生しますが、兵士に怪我を負わせるという事は、戦力を減らすだけでなく、治療をさせなくてはいけない、治らなければ補償もしなくてはいけない、住んで居る街に戻ったのなら就業出来るようにしてあげなくてはいけない。

 兵士に怪我を負わせると兵士を殺すよりも相手国家を経済的に疲弊させられるという事です。

 これから先、わざわざ殺さないように殺傷能力を抑えた武器が登場するようになるかもしれませんね。」

「相手の国家を弱らせるのですか。

 はぁ・・・別に戦争が好きなわけではありませんが、なんだか戦争自体が味気ない物になりそうですね。」

「まぁ、突き詰めれば戦争とは国力対国力ですからね。

 小麦が作れなくなれば、国民が食べられなくなり、兵士の数が減らせると考えるのなら相手の農地を根こそぎ壊すと言う事も選択肢としては当然あります。

 食料、水、ゴミ処理場といった国民生活に直結するような所を攻撃すれば、それだけで疲弊していくでしょうね。」

「我が国としては各所を攻撃されないようにしなければなりませんね。」

「相手にもよるでしょうが、そもそもは本格的に侵攻されないように外交をして行かないといけないのですけどね。

 今回のような慣例の戦争ではなぁなぁで終わらせるのが一番なのですけど。」

武雄が言う。

「オーガ戦はやり過ぎましたかね?」

アンダーセンが聞いてくる。

「そもそもオーガを出して来た時点で過剰でしょう。

 見せるだけなら耐えますが、戦闘となれば話は別ですし、そこまで余裕があった訳ではないですからね。

 オーガ戦はこちらが過剰反応したのではなく、向こうが考えなしに用意した結果です。

 と、話が逸れていますね。

 で、えーっと・・・トラバサミですよね。」

「はい、所長に渡せない道具ですね。」

「・・・まぁ、それは良いとして。

 あれ1個持ち帰りましょうか。

 4年後までに量産を進めて西側・・・ニール殿下と一研とバビントン殿に売り込んだりゴドウィンさんやエルヴィスさんに売り込んで関の強化に役立たせられそうです。」

武雄が言う。

「では、あの者達が持ち帰らなければ、1個拝借しますか。」

アンダーセンが言う。

「閉じる力は骨をも砕きます。

 近付いたら慎重に地面を確認して見つけ出しましょう。」

「了解です。

 ならば・・・アーリス、オールストン、その辺から2mくらいの枝ないし棒を用立てろ。

 地面を叩きながらあの道具が設置されていないか確認するぞ。」

「「了解。」」

ベテラン2人が森の中に入って行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] おとなしいとされるスライムが分裂して数を増やして敵国の食料の備蓄を根こそぎ吸収する作戦とか無敵じゃね。。
[一言] 「シールド!」 漢解除!!
[良い点] 2500話おめでとうございます。 [一言] トラバサミは凶悪過ぎてかえって使い勝手が悪いかな。 敵に鹵獲されるのが前提の罠だから敵にマネされると目も当てられない。 むしろ素直に落とし穴とか…
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