第2498話 301日目 あの時はどうだったのか。(反省会この後の予定。)
寄宿舎の食堂
「え?最初の1撃は当てる気が無かったの?」
グレースがジーナの話を聞いて驚いている。
「はい、王都守備隊員方との訓練ではいつも避けられるので、今回も避けられるだろうからすぐに追加の振り下ろしをしなくてはと思っていたんですけど・・・当たったんです。」
ジーナが言う。
「いや、それって・・・来ると思っていないからですよね?」
イーデンのお付きのバイロンが言う。
「確かに突きが下からしてくるとは思わなかったのかもしれません。」
カイルのお付きのブルが言う。
「ですが、あの時私は左の脇辺りに柄を持って来ていましたし、明らかに突くと思わせる行動をとっていたんですけど・・・王都守備隊員の方々にも『明らかに突くしかない構え』と言われていて避けるか受けるかの選択を毎回させられると言っていました。
なので、次の行動をする気でいたんですよ。」
「「へぇ。」」
イーデンとカイルが感心する。
「・・・あれ?ジーナ、相手が最初振り下ろして来た時にジーナの剣を狙っていたらどうしたの?
突きが来るとわかっているのなら剣を当てる事も考えるかもしれないわよね?」
グレースが聞く。
「・・・私が突きをした瞬間に剣を払いに来られたら・・・相手の剣の軌道はある程度わかりますから抵抗せずに相手の剣の威力そのままに剣を下に下ろしながら右手を離し、左足を軸に右に回って右足の踵を相手の顔右に向かって後ろ回し蹴り・・・は軸がブレるので、ダメですね。
右手を離しているので体の捻りを利用して裏拳か肘で相手の顔を狙いますかね?」
「・・・どちらにしてもジーナが何かしらの攻撃を与えているのね。」
グレースが呆れながら言う。
「はぇ~・・・」
バウアーが感心しながら聞いている。
「まぁ、上手く行くかはわかりませんが、どれかしら当たれば良いかなぁとは思います。
まさか最初の突きが当たるとは思いませんでしたが。」
ジーナが言う。
「スミスの方は最初どうだったんだ?
相手が振って来た時に同時に振って当てていたけど。」
イーデンが聞く。
「僕の場合は相手が振り下ろしてきたけど、ちょうど僕の間合いにもなったから振った感じだね。
いつも訓練していて、間に合うと思ったから振ったよ。
ちゃんと相手よりも早く当てられたしね。」
「相手の剣が早かった場合は?」
カイルが聞いてくる。
「僕の場合は受けると体勢が崩れそうだから、1歩左足を引いて避けるかな。
でも、僕だとその後に攻撃を続けられないから、後ろに飛んで距離を取って仕切り直しだね。
場の仕切り直しは悪い事ではないし、問題ないでしょう。」
スミスが言う。
「「なるほどなぁ。」」
イーデンとカイルが頷くのだった。
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第二研究所陣地内打ち合わせ室
マイヤーと初雪、ビエラとリーザは部屋から出て行き、武雄とミアが残っていた。
「・・・自分で作っておいて何ですけど、予想通りヘンテコなのが出来ましたね。」
武雄が完成した狼のヌイグルミ擬きを机に置いて見ながら言う。
「タケオ、縫物は経験が大事です。
これからもしていきましょう。」
チビパナが現れて言う。
「主、これ何に使うんですか?
ちょっと乗ってみ・・・足が固定できないから机に腹ばいになってしまいますよ。」
ミアが狼のヌイグルミ擬きに跨るが、ミアの重さに耐えられず、潰れて机の上に腹ばいになってしまう。
「主ー、乗れないです。」
ミアが報告してくる。
「・・・そうですね、作りが甘かったですね。
何に使うかぁ・・・ただ単に置物としてと思っていましたが、ミアはどう思いますか?」
「置物でも跨れるくらいの強さは欲しいですね。
置く為ならもっと精巧なのを置くのではないですか?
ま、そこは木彫りで作るのでしょうけども。」
ミアが言う。
「なるほどね。
ヌイグルミより木彫りの方が需要自体は多いのかもしれませんね。
ちなみにミア、先ほどビエラと木彫りを作ってもらう時の姿を検討していましたが、何か良い案が出ましたか?」
「私のカッコいいとビエラのカッコいいが違うのがわかっただけですね。
お互いに何種類かまた持ち寄って、カッコいい姿を決めようと思っています。
エルヴィス伯爵領に戻るまでには決めたいです。」
「そうですか、無理はしないようにね。」
「わかりました。」
ミアが頷く。
「タケオ、このあとどうするんですか?」
チビパナが聞いてくる。
「このまま、縫物をという気分ではないです。
なので、何かしよう思いますが、今の所、他には何も緊急性のある事はないですね。
パナは何かありますか?」
「はい、訓練場の周りで薬草採りをしませんか?」
「ふむ・・・大丈夫ですよ。
何か見つけたのですか?」
「いえ、まだ何も。
ただ、こういった関の周辺は手付かずの野草があるものです。」
チビパナが言う。
「なるほど、では、してみますか。」
武雄が頷くのだった。
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