第2497話 試合後の話。(ジーナの相手が出来るのは誰なのか。)
寄宿舎の玄関
「「「お帰り♪」」」
スミスとジーナをグレース、イーデン、カイルが出迎える。
「・・・うん、ただいま。
何しているの?」
スミスが驚きながらも満面の笑みの3人に訝しげに問う。
「見てたぞ!
スミスもジーナ殿も負けるとは思わなかったが、しっかりと予選突破したからな!」
「本当よ!大人相手に凄いわよ!」
「お疲れさん、お茶を用意しているよ。」
イーデン、グレース、カイルの3人が言う。
「・・・待って、今回は80人出て10名ずつの予選だったよね?
僕達が4組目という事は後に4組しているわけだけど・・・いくら帰り支度等々していたとはいえ、なんで、僕達よりも先に帰ってきているの?」
スミスが聞く。
「スミスとジーナ殿の仕合以外興味ないしな!」
イーデンが堂々と言う。
「・・・はぁ・・・他の仕合も見てきなよ。」
スミスが呆れる。
「明日のトーナメントの方はしっかりと最後まで見るよ。
前の3組よりスミスとジーナ殿が一番、歓声が大きかったよ。
やっぱり大人を倒すのは見ごたえはあるよね。」
カイルが言う。
「まぁ、私はジーナの完全戦闘態勢であるその作業服とヘルメット等々を見た瞬間に勝ったと思ったけどね。」
グレースが苦笑しながら言う。
「まぁ、良いか。
で?お茶が用意されているのですか?」
スミスが少し呆れながらグレースに聞く。
「ええ、バウアー達が用意してくれたわ。
直ぐに寝たいかもしれないけど、お話を少し聞かせて。
毎年見ていたけど、今年は参加者の話が聞けるから楽しみなの。」
グレースが言ってくる。
「わかりました。
ジーナは平気かな?」
「私は問題ありません。」
「なら、お茶を頂こうか。」
スミスがジーナに聞き、食堂に向かうのだった。
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御前仕合の会場の観覧席。
ジーナを見守る会の6人が仲良く見ていた。
「「「んー・・・」」」
男子生徒と女子生徒の1人とルークが今実施している予選を見ながら唸っている。
「このお菓子いまいちだね。」
「次は何買ってこようか。」
「これ以上食べると夕食に影響がありそうだよ?」
コートニーと女子生徒2人が買って来た物の品評をしている。
「ルーク、どう思う?」
「んー・・・ジーナ殿の相手になりそうなのは3名かな・・・
その中でも去年の優勝者が一番強そう。」
「だな。
相手になるだけで負けそうではないと思うが。」
「でも・・・ジーナ殿やエルヴィス殿の動きを見るとどうなるかわからないね。」
女子生徒が言う。
「そうだな。
エルヴィス殿もジーナ殿も独特な構えをしていたが・・・一撃で倒していたな。」
「まぁ、ゴブリンの時もあれだったな。」
「あれ、どうなの?
領主が使う剣技とは思えないんだけど?
相手が上手かったら自分に当たるかもしれないんだよ?」
「そうは言うが・・・相手の剣よりも確実に早く当てられるという自信があれば問題はないんだろうな。」
「俺はわかんないんだけど、2人から見て領主の剣技はどんなものなの?」
ルークが男子生徒と女子生徒に聞く。
「聞いた話だが・・・貴族の扱う剣技は防御主体だと言う事だ。
あくまで不意の戦闘で相手の剣を受けるか捌くかのな。
あそこまで攻撃に特化している剣技は・・・第1騎士団でもしないんじゃないか?」
男子生徒が言う。
「そもそも領主が戦うという時点でかなり不味い状況だからね。
エルヴィス家のような最前線の領主達は守るのではなく切り伏せる事が命題なのかもしれないけど・・・
西側の領主の子息がああいった剣技を使うとは聞いていないわ。
魔王国側の貴族はいざとなれば最後まで戦うという意思なのかも。」
女子生徒が言う。
「そういえば、エルヴィス伯爵家から王都に来た兵士が第1騎士団の小隊長に昇格するらしい。」
「うわぁ、地方から来て数か月で小隊長って・・・どれだけ凄い人材を寄こしてきているんだろう?」
「その送り出してきている主家は只今戦争中。
エルヴィス殿もジーナ殿もやる気に満ちているのかもな。」
「なら、尚の事、明日のトーナメント1回戦は何とかなりそうね・・・ルーク君の言う3人に当たらなければね。
昨年の優勝者かぁ・・・うーん、あの攻撃に特化している剣技を見ると一抹の不安はあるわね。」
「どちらが先に動くかだろうな。」
「先に動くかではなく、先に当てるかだと思うよ。」
「「確かに。」」
ルークの言葉に男子生徒と女子生徒が頷く。
「ねぇ、買って来たよ。」
コートニーが3人に食べ物を渡す。
「おぉう、コートニー、真剣に見ないのか?」
「うん?見ているよ?
でも・・・正直、父さん達の訓練受けているし・・・ジーナ殿は絶対に勝つだろうしね。
楽しんで見ているだけだね。」
コートニーが先程母親に聞いた事をさらりと顔にも出さずに言う。
「コートニーはそう思うのか?」
男子生徒が聞く。
「思うよ~。
だって、ジーナ殿はアリス様の弟子で魔眼持ちでしょう?
魔眼を使っての戦闘を見た事ないけど・・・無くてあの強さだよね?
使ったら御前仕合程度なら負けなしでしょ。」
「「まぁ、それはそうだけど。」」
男子生徒とルークが頷く。
「コートニー、1つ忘れているかもしれないけど。
もしかしたらキタミザト様が大会の公平性をある程度考えて、ジーナ殿に魔眼禁止を言っているかもしれないんだけど?」
女子生徒が聞く。
「・・・それは考えていなかった。」
コートニーが口元を押さえて不安顔をするのだった。
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