第2496話 小さな変化をしています。(予選会を終了。)
第二研究所陣地内打ち合わせ室
「こーんな恰好ですよ!」
「こう!」
「こっちの方がカッコいいです!」
「ミア!違う!こっち!」
ミアとビエラがカッコいいポーズの身振りを交えての話し合いをしている。
「何やっているんだか・・・」
武雄はそう言いながら作り途中の縫物を進めている。
「失礼します。」
「入ります。」
マイヤーと初雪がやってくる。
「マイヤーさん、初雪、お疲れ様です。」
武雄が顔を上げて言う。
「出来そうですか?特産品は。」
マイヤーが武雄の正面に座りながら聞いてくる。
「出来ているように見えます?」
「見えませんね。
所長でも出来ない事があるという良い例でしょう。」
「はぁ・・・私を何だと思っているんですか、出来ない事の方が多いですよ。」
武雄がそう言いながら縫っていた物等々を机の端に片付ける。
「他人よりかは多くが出来ていると思いますが。
報告します。
今日の昼過ぎから前に偵察した場所付近を確認にくる兵士を多数発見、監視をしていました。」
「それは監視前に簡易的に聞きました。
それで?」
「はい・・・要領を得ませんが。
数名が現地を見回っているだけです。
何かをしているというような事は・・・たぶんありません。
時折しゃがんで地面を触ったりしている程度です。
何かを置いたり、掘ったりとかはしていないと思われます。」
マイヤーが言う。
「タケオ、スライムの観察結果ですが、その3人は特に何もしていません。
地面を数か所確認して戻っていきました。」
初雪も言う。
「・・・再度、偵察でしょうか・・・人数は数名ですか?」
「はい、前回は10名程度でしたが、今日は3名程度でした。
偵察にしては少ないし、サボりにしては堂々としているか・・・」
武雄が腕を組んで考える。
「何かあると思いますか?」
「まぁサボりというのは冗談としても偵察にしては人数が少ないし、こっちの様子を見ようという意思が2人の説明から見受けられませんね。
・・・あそこに陣取る意味は普通に考えればないんですけど。」
「あそこから攻撃を仕掛けるのはエルヴィス伯爵領軍の端を狙うには良いでしょうが、集結した時点でわかってしまって、こちらも防御を固めるでしょうからね。
戦闘をするのに、あまり意味はないと思います。
それに小競り合いは毎日しているのです。
それと並行してわざわざ端を狙ったとして・・・うん、やはりあまり意味はなさそうです。」
マイヤーが言う。
「あの位置は戦場を横から見れて監視がしやすいという利点があると思うのですけど・・・
監視に来るにしても3名で来て、こっちを監視しないという事は・・・どういう事ですかね。」
「んー・・・偵察をする準備とかですか?」
「相手に見つからずに監視をするから偵察の意味があります。
相手に事前に来るからと教えるような行動をする意味がわかりませんね。」
「ですよね。
・・・事前に下見をするとかいうのは訓練等で指導する者達が安全や訓練が出来るかの確認をするというのはありますね。」
「訓練の下見・・・ですか。
あー、そういえば、ダニエラさんは新人を多く連れているんでしたかね。
新人訓練の下見ですかね?」
「自分で言っていて何ですが、戦場でしますかね?」
「私達だって子供達に実地で研修させていますよ。
戦場という特殊空間でしか出来ない緊張感のある訓練という事かもしれませんね。
マイヤーさん、試験小隊の面々も使い、少し監視を強化してください。
朝からテントの所での監視を小競り合いの戦場だけでなく、左側の偵察した場所の確認も実施してください。
初雪はスライム達に言って、相手に発見されないように何をしているのかの監視をしてください。」
「わかりました。」
「はい。」
マイヤーと初雪が返事をする、
「偵察の訓練でもするんですかね・・・まぁ、敵陣に近付いて監視をするのは経験としては良いでしょうけど・・・前回と同じ10名程度が来たら、試験小隊も相手を偵察しに行きますかね。」
「アンダーセンにはいつでも動けるように言っておきます。」
「ええ、お願いします。」
マイヤーの言葉に武雄が頷くのだった。
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御前仕合の会場の舞台上。
「せいっ!」
ジーナが目の前の相手の首元に打ち込み、切り伏せる。
「・・・ジーナ、残ったのは僕と2人だね。」
スミスが言う。
「そうですね。
すみません、私が負けます。」
ジーナが木刀の剣先を降ろし、左手で木刀の柄の端を握り、下段に構えている。
その姿からして、戦闘態勢を解いたと誰もがわかる。
「第4組の勝者はスミス・ヘンリー・エルヴィス、2人目はジーナとなりました。」
アナウンスが流れると会場の観覧席から歓声と拍手が2人に贈られる。
スミスとジーナが軽く周囲に手を振る。
「さて・・・終わったね。」
「はい、今日は終わりですね。
荷物を貰って、明日の集合時間を聞いて帰りましょう。」
2人が舞台から降りながら言う。
「ジーナはこの後の仕合を見ないで良いの?」
「予選とトーナメントは違うと思います。
トーナメント用に剣技を使わずに終わられる方もいるかもしれません。
なので、今見てもそれしか出来ないだろうと思い込んでしまうというような事にもなると思います。」
「なるほどねぇ。
ならば、今日は帰ろうか。」
スミスとジーナが無事に予選会を突破するのだった。
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