第2495話 特産品が欲しい。(地域の名物置物のような定番商品は無い物か。)
第二研究所陣地内打ち合わせ室
「ふむ・・・結構、難しいですね。」
武雄がチクチクと縫物をしていた。
「失礼します。
あれ?所長、半日休暇ではなかったのですか?」
ブルックが室内に入って来て声をかけてくる。
「休みだから関の所で布とかを買ってきて試行錯誤しているんですよ。」
「?・・はぁ、そうですか。」
「試験小隊の面々は訓練中なのでは?」
「ええ、ここに置いてあるタオルを取りに来ただけです、すぐ戻ります。
完成したら教えてくださいね。
失礼しました。」
ブルックが去って行く。
「・・・」
武雄は黙々と布を縫っている。
・・
・
「ちつれい!」
「ぎゅ!」
顔をあげるとリーザを抱えたビエラが入ってくる。
「・・・いらっしゃい。」
武雄が縫物をしながら言う。
「タケオ!発見!・・・何してる?」
「ぎゅー?」
ビエラとリーザが武雄に近寄り手元を見る。
「長い丸?なんか、バラバラ。」
「ぎゅ。」
2人が武雄の手元を見て言う。
「まぁ・・・円柱に見える楕円系の丸い物が何個かですよね。
布を縫って袋状にして、中に綿のような物を入れて閉じたのですよ。」
「へぇ・・・これ、どうなる?」
ビエラが聞いてくる。
「本当はこれを胴にして手足を付けて、狼のような風貌にしようかと思ったんですけど。
この楕円形群では出来そうにないですね。
これは戻ってから誰かに頼むか。」
武雄が苦労して作った楕円形の丸い物達を持ち上げながら言う。
「タケオ、何している、の?」
ビエラが聞いてくる。
「特産品というか流行物というか・・・エルヴィス伯爵領で何か独特な物を作れないかと思ってね。
出来れば、こういった家の中で作れる物にして、主婦の方々の空き時間に出来る物が良いなぁと・・・
とりあえず、見本の為に掌くらいの狼のヌイグルミを作れないかと思ったんですけど・・・まぁ、慣れていないからこのまま作っても何にも見えない物になりそうなので、ちょっと頓挫ですね。」
「ヌイグルミで、売れるの、作る?」
ビエラが聞いてくる。
「内職と言ってですね。
家の中で生活をしていて空き時間でちょっとした仕事をするという仕事方法があります。
本格的に毎日何時間働くのではなく、毎日1時間か2時間ぐらいで仕事をしてちょっとしたお金を稼ぐ方法ですね。
奥様方の小遣い稼ぎにもなりますし、あまり納期を厳しくしなければ、多くの方が参加してくれそうですから。 ヌイグルミなら適していて、やって貰えるんじゃないかと思ったんですよ。」
「ふ~ん・・・タケオ、狼だけ?ドラゴンは?」
ビエラが聞いてくる。
「・・・明らかに狼より難度が上がりますね・・・
ん~・・・でも、綿のような物を詰めるとどうしてもずんぐりしてしまうので・・・今のリーザみたいなドラゴンしか出来ないと思うのですけど?」
「ぎゅ?」
リーザが「え?私?」と自分を指さしながら言う。
「成獣!タケオ!絶対!カッコいいから!」
ビエラが欲しがる。
「んー・・・ヌイグルミで成獣のかぁ・・・カッコよくと言うよりも可愛い系が出来そうな気がします。」
武雄が考えながら言う。
「か・・・可愛い、の?」
ビエラが想像しているのとは違ったのだろう、目を見開きながら言う。
「カッコいい姿の・・・となると、木彫りとかですかね。」
武雄が木彫りの熊さんをイメージしながら言う。
「木彫り!それ、カッコいい!?」
「カッコよく彫ってくれる方が居ればね。」
「ふむ・・・じんじゃいか・・・帰ったら探す。」
ビエラが少し考えて武雄に言う。
「ええ、それと問題点が1つ。」
「うん?」
「アズパール王国ではドラゴンがほとんどいません。
まぁ、今までリツしかいませんでした。
なので、彫ってくれる方がドラゴンを見た事ない可能性があります。」
「あ・・・んー・・・私、カッコいい姿する!それ見る!」
ビエラが言う。
「え?ビエラがモデルをするんですか?」
「そう!モデル!カッコいいの、作らせる!」
「うーん・・・そうですか・・・モデルねぇ。
ま、経験も大事ですよね。」
武雄は「ビエラは、ずっと同じ姿勢をしないといけない事を分かっているのだろうか?」と考えながら頷く。
「作らせるぞー!」
「ぎゅー!」
ビエラとリーザが片手を上げて決意表明する。
「うるさいですね・・・何ですか?」
ミアが武雄のポケットから寝ぼけながら顔を出す。
「あ!ミア!そんなとこに!」
「主のポケットはそんな所ではないですよ。
ここは安眠する場所です。
ふぁぁぁ・・・で?ビエラとリーザは何しているんです?」
ミアが欠伸しながら2人に聞く。
「あー!あー、あ~、成獣の!」
「ほー・・・へぇ・・・はぁ・・・」
ビエラが身振り手振りしながら説明するのをミアが相づちを打ちながら聞いている。
「リーザはヌイグルミで良いかな?」
武雄がリーザに聞く。
「ぎゅ。」
リーザが頷く。
「なら、リーザのヌイグルミとビエラの木彫りの置物を特産品としてエルヴィス家に売り込んでみるか。」
武雄が考えながら言う。
「主~。」
「うん、ミア、どうしましたか?」
「主、私も木彫りで等身大のを作って欲しいんですけど。」
「え?フィギュア?・・・まぁ、良いですけど。」
「そうですか、なら話してみますね。
あ、ニオとかコノハとかもチビサイズで作るか聞いてみようかな?」
ミアがボソッと呟く。
「・・・仁王様のフィギュア?あれ?それって・・・」
武雄が首を傾げるのだった。
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