第2492話 御前仕合会場に到着。(産まれたては母乳を与えるのが大変です。)
御前仕合の会場。
「「ん〜・・・」」
スミスとジーナが端に寄って人だかりを見ながら少し呆気に取られていた。
「ジーナ、こんなに出るんだね。」
「・・・出場者80名となっていましたが、明らかにそれよりも多いですね。
付き添いの方もいらっしゃるでしょうか。」
「だね。
・・・次は木剣の審査だったよね?」
「はい、その後、荷物を預けるという事でした。」
「僕は練習に使っていたのを申請するよ。」
「私もです。
気持ち手に馴染んでいる感じがありますので。」
「そうだよね。」
スミスとジーナが次の予定を確認していると。
人だかりが二手に分かれて道が出来る。
「おい、あれ、フロッド・トーテじゃね?」
「え?去年の優勝者の?
今年も出るのかぁ。」
「去年よりも絞ったな。
体から出ているオーラが違うな。」
「今年もやる気という事か。」
見ている者達がコソッと話している。
「「・・・」」
スミスとジーナが目の前を歩いて行くフロッドを見送る。
彼が通り過ぎて行くと周りの騒がしさが戻る。
「・・・どう思う?」
「どうとも思わないと言ったら失礼なのでしょうか。」
スミスの問いにジーナが答える。
「・・・僕達の悪い所は、周りに凄い人達が多すぎると言う事なのかもね。
僕もあの人には大して強い感じはしないね。」
「ご主人様、アリス様を見ていますので・・・この程度ではと思ってしまいます。
それに王都守備隊での訓練もさせて頂いているというのも相まって強さの感じ方が他の方々と違うのかもしれません。」
「そうだね・・・さっきの王都守備隊の方々の言葉ではないけど、慢心はいけないね。」
「はい、常に王都守備隊の方々を相手していると考えながら仕合をしないといけないと思いますし、たぶん皆様見に来られるので・・・変な戦い方をすると後日の訓練が大変な事になるのではないかと。」
「・・・そっちの方が怖いね。
と、木剣の登録に行こうか。」
「はい。」
スミスとジーナは受付を済ませるのだった。
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エルヴィス伯爵邸の客間。
「よしよし、いっぱい飲むんですよ~。」
ジェシーが子供に授乳をしている。
「ふむ・・・乳の出は問題なさそうね。」
チビコノハがジェシーの肩に乗って、母乳を与える様子を見ながら言う。
「・・・コノハ殿、結構、子供の吸う力が痛いんですが・・・」
ジェシーが困った顔をさせてチビコノハに言う。
「それは致し方ないわ。
でも、産まれたては吸う力が弱いはずなんだけど・・・ま、個人差よ。」
「はぁ・・・そっか・・・あの人の食い意地が移るとは・・・」
ジェシーが諦める。
「ジェシー、子供が満足したら今は無理にあげなくて良いからね。
もし片方で終わってしまったらもう片方は搾乳しよ。
煮沸したガラス瓶を用意してあるから・・・万が一の時は使えると思うよ。」
「え?そうなの?」
ジェシーが首を傾げる。
「うん、つい先日、試作の冷蔵箱が出来て来てね。
こっそりと厨房に納入してあるんだ。
ジェシーの搾乳したのを瓶に入れて冷やして置いて、必要になれば湯煎して、子供に飲ませられると思う。
数時間なら多分大丈夫だよ。
ダメでもケアで何とかしてあげるわ。
ジェシーはその間、仮眠ね。」
「3、4時間ごとに起きると思っていたけど、それが6、7時間ごとになると便利ね。」
「え?・・・何言ってるの?
ジェシー、3、4時間ごとに搾乳はするわよ。
その時に子供が起きているかはわからないけど、定期的に搾乳しないと母乳の量が落ちちゃうからね。
ジェシーは3、4時間しか寝れないから。
ま、寝ても5時間だね。」
「え・・・」
「子供は3時間ごとぐらいに飲みたがるから、1回母乳を与えて、次起きれたら与える、ジェシーが寝ていたら搾乳したのを与えて、子供が寝ている時にジェシーが起きて搾乳、次の母乳の時まで起きていて与えるという感じかな?
ま、無理はさせないけど、出来る限り、定期的にさせるからね。
わかった?パンニューキス。」
「了解しました。」
パンニューキスが返事をする。
「・・・えーっと・・・結構大変ね。」
「最初の1、2か月は大変よ。
その為の乳母だからね。
それと今の苦労をアリス達に見せておかないとね。
じゃ、その母乳が終わったらジェシーは仮眠してね。
子供はアリス達が抱きたがっているからここで相手しているので安心してね。」
「それは・・・まぁ、ワクワクして待っているのはわかるけど・・・」
ジェシーが授乳をさせながらアリス達を見ると、アリスもエリカもエイミーもキティも子供を抱きたがっており、まだかまだかと授乳が終わるのを待っている。
「はぁ・・・ん?あ、寝そう。」
ジェシーが授乳させていた子が飲むのを止めたと思って、胸元を見たら、口を大きく開けて寝始めている。
「この子、豪快ね。」
「はぁ・・・あの人の血が濃いのがわかるわ。」
ジェシーがしみじみと言う。
「ジェシーお姉様、代わります。」
エプロン姿のアリスが満面の笑みをしながらジェシーの元にやってくる。
「はぁ・・・手伝ってくれるのが多いのは良い事よね。
アリス、落とさないでね。」
「はい♪ジェシーお姉様。」
アリスが子供を抱きかかえる。
「アリス様!次は私で!」
「順番、順番。」
エリカとエイミーが私も私もとアリスの元に近寄る。
「じゃ、ジェシーは軽くスープでも飲んで寝なさいよ。
まだ、疲れているでしょう?」
「うん、そうします。」
ジェシーが体をリラックスさせるとすぐにウトウトし始めるのだった。
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