第2491話 アップを始めました。(スミスとジーナは順調です。)
王都守備隊の訓練場。
「はぁぁ!!!!」
「ふっ!」
「せいっ!」
「ふぅぅぅぅ!」
「はぁ!」
「くっ!」
作業服+戦闘ベスト+ヘルメット姿のジーナが男性隊員2名、旅姿のスミスも男性隊員と女性隊員の2名と打ち合っている。
「残り5分!」
王都守備隊員が懐中時計を見ながら言う。
スミスとジーナは今日から始まる御前仕合の予選に向けて仕上げをしていた。
最後の仕上げは試合時間の約10分の間10人総当たりで動き続ける訓練。
要は相手の攻撃をいなし続けるという事だった。
「ほぉ・・・これ程とはな。」
アズパール王が珍しく王都守備隊の訓練場に来て、端から2人の仕上がりを見ている。
「これが御前仕合の戦いかと言われると・・・どうなんですかね。」
王都守備隊総長が言う。
「うーん・・・トーナメントの準決勝から毎年見ているんだが・・・
ジーナ、強いよな?」
「これで勝てないのなら、上位陣は騎士団が毎年、引っ張っていきますよ。
ジーナ殿、前年の勝者より強そうなんですよね。
あの余裕を持った受けなんて怖いですよ。」
「ほぉ・・・スミスは?」
「あー・・・上手く行けば決勝まで行けるのではないですかね?
ですが・・・決勝、エルヴィス殿とジーナ殿になりそうと思うのは私の気のせいでしょうか?」
「うむ・・・実力者が出て来なければそうなるかもな。
ま、ケアが出来る者が控えているし、死者は出ないだろう。
ある意味では実力をいかんなく発揮して貰える場ではあるな。
実際、スカウトしているんだろう?」
「軍務局辺りは見込みがありそうな者に声をかけているようですね。
登用できたかは知りませんが。
軍務が嫌だから来ていないのに声をかけても・・・とは思いますね。」
「ふむ・・・ま、そこは軍務局が何かしているんだろう。
・・・ジーナに勝つほどの人材は欲しいな。」
「そこは本心ですね。
ですが、そんな者が出てくれるんですかね。」
「んー・・・どうだろうな。
・・・じゃ、執務室に戻るかな。」
「2人に声をかけないので?」
「声をかけない方が良いだろう。
3日後の優勝時、記念の盾を渡す時に話せれば良い。」
「はっ!では、戻りましょうか。」
アズパール王と王都守備隊総長と警護している王都守備隊員が王都守備隊の訓練場を去るのだった。
「残り1分!」
王都守備隊員が懐中時計を見ながら言う。
「「はぁぁぁ!!」」
「くっ!」
「せいっ!」
「「はぁ!」」
6人が動きを増していく。
・・
・
「終了!」
「「「「「「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」」」」」」
6人が木剣を地面に置き、膝に手をやって息を整えている。
「はぁ・・・お二人とも十分でしょう。」
1人が体を起こして言ってくる。
「「ありがとうございます。」」
スミスとジーナも体を起こして言う。
「早めに集合場所に行った方が良いでしょう。」
「「はい。」」
「まずは今日は無事に予選を突破しないといけませんね。
大多数は相手にしても問題ない方々でしょうが、油断はしないように。」
「「はい。」」
「格下と思っている相手でも負ける時は負けます。
負けの最大の要因は油断です。
慢心せずに望んでください。」
「「はい。」」
「では、頑張ってください。
王都守備隊で暇な者は観戦しに行っていると思いますが、気負わずにね。」
「「ご指導ありがとうございました。」」
スミスとジーナが頭を下げて王都守備隊員の前から荷物を置いている場所に戻っていく。
「はぁ・・・本番だぁ・・・」
スミスが荷物を肩に担ぎながら言う。
「緊張しますね。」
ジーナも自身の荷物を担ぎながら言う。
「え?ジーナが緊張するの?」
「え?スミス様、私をなんだと思っているんですか?」
スミスとジーナは話しながら王都守備隊の訓練場を後にする。
「ジーナはジーナだね。」
「え?どういう事ですか?」
「あー・・・ジーナは動じない印象だね。」
「動じていますよ?結構。」
「え・・・僕はジーナが動じているのを・・・タケオ様以外では見たことないかな?」
「結構、頑張っているんですよ?
まぁ、王立学院では動じる様な出来事が、かなり少ないのは確かですが。」
「そうだよね・・・タケオ様関係の方が予想外過ぎて大変だよね。」
「はい、ご主人様関係は気を張らないといけませんから。
で、スミス様、予選までの流れはわかっているんですよね?」
「大丈夫だよ。
昨日、マリと確認してきたよ。
ジーナも大丈夫?」
「はい、大丈夫です。
予選はどうなりますかね?」
「んー・・・ジーナとは同じ組になりたくないかなぁ?」
「そうですか?
私はスミス様と同じ方が楽だと思うのですけど。
事前の話では残り2名になれば良いと言う事ですから。」
「あー・・・そうだね。」
「スミス様がトップ通過で私が2位通過の方が良いでしょうね。」
「え?どういうこと?」
「いえ、何でもありません。」
スミスが首を捻りながら予選に向かうのだった。
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