第2487話 その頃のレバントとシモーナは。(認識に齟齬があるようです。)
魔王国王都のレバントの店。
「うん、注文の品が揃っているわね。」
レバントがシモーナから受け取った納品書と自身のリストを見比べて言う。
「何か、王都の雰囲気が少し変わりました?
アズパール王国との戦争だからでしょうか?」
シモーナがお茶を飲みながら言う。
「あー、そっちじゃないかな。
今、王城で全軍出撃の号令がかかっていて、皆納品だなんだと忙しいのよ。」
「へえ~・・・全軍って、珍しいんですか?」
「珍しいわね。
特に今の陛下になってから1度もないじゃないかな?
少なくとも私は思い出せないわ。」
「そうなんですね。
アズパール王国相手でなかったら、どこを攻めるんです?」
「ブリアーニ王国だって。
王城から何かしら請け負っている全商店に通達が来ているわ。
我が国の隣の同盟国だけど蟲被害が大変らしいから殲滅に向かうらしいわ。
『我々は自国民も同盟国民も虐げられている者を見捨てない』だって。」
「そうなんですか。
カールラ様からは何か言って来ました?」
「ないわよ〜、向こうからの米も問題ないし、頼まれているのも止めてとは言って来てないわね。
エルヴィス伯爵様の方は?」
「少し関がピリッとしているくらいですね。
商売の方は問題なく。
私の方に事前に連絡があって、その日付に合わせて向こうの関に取りに行くという形になっています。」
「なら大丈夫ね。
まぁ、アズパール王国との戦争も驚いたけど、全軍出撃も驚いたわ。
それにしても、まさか、今の陛下がねぇ。」
「予想もしてなかったんですね。」
「なかったなぁ。
まぁ、王軍の一部は向かっていたらしいけど、ここまで大規模なのはね。
商店主達が慌ただしく動いているのよ。」
と、シモーナとレバントが雑談をしていると。
「失礼します。」
とメイド姿の女性が入ってくる。
「はーい、いらっしゃいませ。
えーっと・・・ダニエラちゃんは来ていませんよ。」
「初めまして、私は王軍第1軍で補佐官をしております。
日頃、ダニエラ様、アンナローロ様の相手をして頂きありがとうございます。
実は書面で通知しておりますが、王城と契約している納品物についてのお願いをしに参りました。
こちらが今からご説明いたします内容の書面になります。」
メイドがレバントに手紙を渡す。
「はい、ありがとうございます。
で、なんでしょうか。」
「はい、ご承知の通り、陛下より全軍出撃の大号令が発布されております。
それに伴い我々陛下の側にいる者達も出征する事となりました。」
「メイドさん達も・・・ダニエラちゃんもですか?」
「はい、例外なく。
そこで今、王城から頼んでいる商品を納付されに王城に来られましても対応出来る者が残っておりません。
今回の出征を終え、私達が戻ったのちに納付して頂けますでしょうか。」
「はぁ、それは大丈夫ですが・・・ダニエラちゃんは強いのは知っていますけど、戦闘で生き残れるのでしょうか?」
レバントが心配そうに聞く。
「・・・はい、大丈夫です。
ダニエラ様とアンナローロ様は硬いので心配は杞憂だと思います。
ご安心ください、私達は陛下の側にいる者達です。
戦闘にも戦争にも十分に耐えうる能力を持っています。」
メイドが一瞬口を開けて呆けそうになるが、すぐににこやかに言う。
「そうなのですか。
わかってはいるんです、王城で陛下の周りに居るという事がどれほど能力が高いのかというのはしっているんです。
すみません、いつものダニエラちゃんを見ていると、大規模な戦闘が出来るのか心配になってしまって。」
レバントが言うとシモーナも頷いている。
「はぁ・・・その・・・私は王城でのへい・・かの周りに居るダニエラ様しか知らないのですが、こちらに来られた際にダニエラ様は何をされているのですか?」
「え?簀巻きか試飲ですけど。」
「たまに悪さしたからなのか、タローマティさんから逃げる為に走り回っていますよね。」
レバントとシモーナが言う。
「・・・」
メイドが額に手を当てながらよろめく。
「ダニエラちゃんが他の方や陛下に迷惑をかけていないか心配よ。」
「要領は良さそうですから、無難に動くんじゃないですかね?」
「だと良いんだけど・・・」
レバントとシモーナが話している。
「・・・大丈夫です。
先ほども言いましたがダニエラ様は特に硬いので大丈夫です。
それに武勇に優れておりますので、誰にも迷惑をかける事はないと思います。」
メイドが疲れた顔をさせて言う。
「そうであれば良いんですけど。
まぁ、元気に戻ってくれるのを待っておりますかね。」
「そうですね、また、元気に駆けずり回って欲しいですね。」
「わかりました、ダニエラ様にはレバント様方が心配されていたと伝えておきます。」
「あ、よろしくお願いします。
それと納品については了解しましたので、ダニエラちゃんが戻ったらその旨も伝えてくれるように言ってください。」
「畏まりました。
では、私はこれにて。」
「ご無事にお戻りください。」
「命が大事ですから、無理はしないようにしてください。」
レバントとシモーナがメイドに言うのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。




