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第二十話 歪んだ正義に溺れるモノ

8:00

あの後、鈴置すずおきさんを帰ししばらくユーベルメンシュを探してみたが見つからなかった。

適当な所で路地に入り込み壁に寄りかかる。

そしてジークに話しかけた。


「ジーク、ヤツはジークの……」


『いや、私の分体の反応はなかった。 それに、あれからはクリミナルの反応が出ていた。』


うーん、やはりか。

俺はもう一つの質問をぶつける。


「ヤツが最期に使った技だが、あれはリアライズなのか?」


ジークは心外だとでも言いたげに唸ると、反論してきた。


『もちろん違うぞ! あれは言うならただ力任せに攻撃したにすぎん。 そもそもリアライズであれば変容した人間を殺す事はない。』


そうなると普通のクリミナルより危険な存在だな。

一般人だけでなく、クリミナルになった人までも死ぬ可能性がある訳だ。

ヤツが他のクリミナルにトドメを刺す前に見つけないと。


結局その日はユーベルメンシュもクリミナルも見つけられず、19時すぎぐらいに家に帰って来た。

その玄関口に見知った女性が仁王立ちしていた。


「凛ちゃん! だめじゃないこんな遅くに!」


それは夏姫なつきさんだった。


「夏姫さん? どうしてここに?」


俺がそう問いかけると、足元にあった紙袋を指示さししめした。

あれは?


「出先で凛ちゃんに似合いそうな服があったから買ってきたんだけど。 まさかこんな遅くに出歩いてるなんてっ!」


あー、またか…… 実はこういった事は何度かあった。

たまたま見つけたから、とか貰い物だけど、とか言ってちょくちょく持ってくる。

とりあえず受け取るだけ受け取っておくか。。 ちなみに代金はどうやっても受け取らないので諦めている。

と、紙袋を受け取ろうとした腕をガッシと掴まれた。

そして、夏姫さんは鼻歌まじりに玄関まで進む。


「ささっ、凛ちゃん開けて!」


そう言ってこちらを期待のこもった様な目で見てくる。

これは……

また俺で着せ替えショーをするつもりだな?

そうはさせんっ!


「あのもう遅いですし……」


俺がそういって断固とした態度でつっぱねると…… つっぱねたんだよっ!?


「じゃーん!」


夏姫さんはそう言いながら紙袋の後ろに置いてあったスーパーのレジ袋を見せて来た。


「夕ご飯の材料もついでに買ってきたのよ。 ご飯まだでしょ?」


これはなんと用意周到な!?

俺は諦めて彼女を家の中へ招待するのだった。


彼女を部屋に案内し、レジ袋を受け取り俺はキッチンに立った。

うん、そうなんだ。 なぜか俺が作る事になってるんだ。 それも毎回。

おかしいな。 夏姫さんは料理が出来ない訳じゃないはずだが……

まあいい。 とりあえずなに買ってきたのかなっと。

俺は考えるのをやめf黒の中身を確かめた。 そこには。

エビにイカとパプリカに…… ふむ。


これはあれだな。 今日はブラジル料理にしよう!

なんか唐突に思いついたので早速作る事にする。

まずはエビの下処理からだが、まず殻と尾を取り背ワタも楊枝で取ってやる。

その後、小麦粉を溶かした水で洗って汚れが取れてるのを確認したらキッチンペーパーで水気を取る。

その後、イカを食べやすい大きさに切って、さっきのエビと一緒に塩胡椒してライム果汁でマリネ。 

んで三十分ほど寝かせておく。

ちなみにマリネとは肉や野菜をお酢やレモンなどで漬けた料理の事だな。

んでパプリカ、玉ねぎ、トマトを切ってトマト以外を炒める。

炒めたらトマト、コンソメ、家にあった赤パプリカ粉、唐辛子そして塩を入れてライム液を入れる。 

後はトマトをつぶしながら炒めていく。

炒めたら真ん中を開けて、マリネしたエビなどをマリネ液ごと移す。 んでカレー粉で香り付けしてっと。

あとはココナッツミルクを入れて煮込むだけだな。

時間は15分ほど煮込んで…… どれ? 味を見て。 んー塩が足りないかな? 味を調えて。

お皿にご飯と一緒に盛り付けてっと。 

合間に作っていたサラダも皿に移して。


「出来たよ。」


ソファーでゴロゴロしながらテレビを見ていた夏姫さんを呼ぶ。


「おー! おー? なにこれカレー? というかハヤシライスぽい?」


たしかにハヤシライスに見えるなあ。 


「ムケッカだよ。 ブラジル料理の。」


「ブラジル料理? 凛ちゃんってば色々作れるのねえ。」


夏姫さんはそう言って驚いてくれた。

では、さっそくいただくことにしよう。


「いたただきます! おー、ココナッツミルクが入ってるのね。 私は好きな香りよ。 味は、まろやかで食べやすいわね。」


うむ、ライムの酸味が食欲を誘うな。

魚介もたっぷり入れているので食べ応えもあり、なかなかうまくできたと思う。


「ごちそうさまでした!」


「お粗末様でした。」


夏姫さんはニコニコと食後のプリン、袋に入ってた、を食べながら最近あった事を話してくれる。

その中で気になる事を言っていた、

なんでも幾つかの雑誌社に自分はヒーローの知り合いである。 インタビューのセッティングを引き受けてもいい、というメールが届くそうだ。

知り合い…… ねえ。

かなり胡散臭い。 まあ夏姫さん達も胡散臭すぎて相手にしてないようだが。

とはいえ、ヒーロー気取りだったユーベルメンシュではなくても、なにかしらの手がかりにはなるか?

何となれば他のジークの分体かもしれないし。 本人じゃなくても、だ。


俺は紙袋から可愛らしいワンピースを取り出しながら、満面の笑みを浮かべこちらににじり寄ってくる夏姫さんの方を成る丈見ないようにしながら考えるのだった。








                     To Be Continued……





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