ピーナッツ
しょうもない僕は、
すぐに死にたがるのが趣味で、
1週間に一度は死にたがります。
そんなしょうもなさの生き方の中で、
僕の唯一のできること、作曲。
なにやら僕の作曲には、人の心に届く何かがあるようで、これまでに発表した曲はどれも人気で、カラオケで国民に歌われたり、
音楽の教科書に載ってみたりですごい。
すごいけれど、なぜか僕の心には届かない。
1番最初に作曲をした時、夜中で泣きながら歌詞世界に泣いた。
んですっかり陶酔してもて、今にして思えばアホだなあはずかしいかも。なんて死にそうになるけれど、たまたまその作曲を聴いたのが、
僕のアパートの隣に住んでいるピーナッツで、安い壁を突き抜けて夜な夜な聞こえる自死性の作曲に、なんかよいかも。なんて思っててくれたみたい。
ある日ピーナッツが突然に僕の部屋にやってきて、言うたのは
作曲すきだわあ。
で、それから僕は、ほんとかなあ?とか思いながらも作曲をやり続けた。
ピーナッツはあちこちのレコード屋さんに、僕の曲を売り込み、その効果はすぐにあらわれて、僕はなんかすぐ売れるようになった。
僕の曲リストを見て。
・夜明けの死にたがりでごめんなさい。
・死にたい水曜日。
・雨ふりと死にぞこない。
・見上げる夜空はだいたい死にたい。
・静かに生きて死ぬ。
こんなんばっか。
なんでこんなんが国民に愛されるのかが理解できない。
もういいかなあ。
と、ある水曜日のお昼に僕は、
なんか紐を天井からぶら下げて、その紐の先に輪っかを作って、とりあえず死にたがる事にしてみた。
輪っかを首に通して、
ふにゃ。と輪っかに身体を預けると考えていたより首が閉まって、あ、これは……
と思ってると、悲しくも無いのに目からは涙が出てきて、それはたぶん僕的には感情や心の一切がかよわない普通の体液扱いなんだけど、
それを知らずに後から見る人が、泣いてるやね。とか言うのは少し嫌だな。
勝手に物語にしないでね。
宙ぶらりんで、落花しながら
あれこれ考えていると、
たまたまピーナッツが部屋に来て、
下着を汚しながら首吊る僕を発見した。
おま、お前、何してるんだ
ピーナッツは慌てて、僕をなんとか助けようとした。
けれど、ピーナッツには手も足も目も鼻も無い、
ただのピーナッツなので、
文字通り手も足も出ない。
水曜日。
そんだけ。




