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優しい世界と熱くないコーヒー




……浅学を極めた俺はセンちゃん。

創作に必要なのは、お勉強から得た技術なんかじゃあ、ねえんだよ。そんなもんありふれててつまんねえ。あっちもこっちも。泣くぞ。

あんた、オレを見た? 

見ただけじゃあわかんない? 積み重ねの模倣を突き破って行こうぜ。先端で怪我しちゃおうぜ。ね。このあたりけっこーセンガクでしょう? 笑ってくださいよ。厳しい意見まってるぜ。

オレに憐れみをくださいよ。

俺の知識や技術はなんと、0を超えてマイナスに達するまぬけちゃんなんだぜ。見た? まだ?

ほんじゃあオレのお話を見てさらせ。

倫理も正論も謙虚も技術も生活も明日も一昨日も恋人も指輪も、そんなもん知らねえ。

じゃあお話をどうぞ。ただ楽しく生きていたい。

↓



かわいい女の子がいました。

ひとりの名前はスミレさんでした。

もうひとりの名前はスズランさんでした。

とても好き好きしててました。

KISSをしました。

とても好き好きしててました。

それを見たナンバー3の私は、

ニッコリとしました。

お庭で犬がわんわんしたので穴をほりました。

そしたら出てきたのはバラバラの死体でした。

なんぜこんなところに死体がうまってるの?

なんぜかしら?と犬に聞きました。

犬はエサ食べて寝ました。

私も寝ました。

スミレさんも寝ました。

スズランさんも寝ました。

みんな寝ました。

たくさん寝ましたので、私は起きて喉が渇いていたのでお水を飲んで、お水のあとにコーヒーを飲もうと思って、コーヒーを飲んで、だけれども熱いコーヒーが苦手なので、こおりを入れて飲んで、スミレさんは寝てて、スズランさんも寝てて、犬も寝てて、ました。


死体の正体を今、思い出したのですが、

昨日の抗争で私が攫ってきて、ぶっ殺した死体で、どうやって殺したのか。それは。

私の記憶の記録をどうぞ。


まず、足を折ります。脛を狙って鉄の角材を斜め下に振り下ろす。重力を利用します。

そうするとすぐに脛は折れて、痛くて倒れ込む。私は反撃される恐れが無くなり、相手が痛みで動きが鈍ったところに、安心してさらに打撃を加えて、足の指、足首、脛、膝、とゆー箇所をランダムに、予測されないようにあちこちに打撃を落としていくのです。あわよくば骨折をさせたいという意図。たまに手の指にも当たりますね。

その私の狙いの、だいたいたぶん半分くらいがうまく骨折したと思われます。しました。相手はひいひいやめて。なんて叫び、お尻を支点にして、

なんとか逃げようと泣きますが、それは聞こえていました。

蠢く虫みたいに這いつくばる相手に、今度はマチェーテ。です。マチェーテは便利です。日本刀みたいにくねりません。頑丈です。

あちこちに切創。肉が裂けて白くてピンクで汚い。パッと表も深いところも皮膚が裂けて肉が開いて、そのあとに血が溢れ出るのは本で読んだとおり。

感動しました。

血が私の手にも指にも付着して、そのたびにタオルでふいて、私はマチェーテが血で滑らないように気をつける。

下半身は履いていたズボンごとボロボロで、あちこちに花が咲いたみたいに肉がささくれてズタズタで、2度と使い物になりません。まだ命だけは助かると思っているのなら、こんなに滑稽で愉快なことはありません。グレーのズボンにびっしょりと黒い血の濡れ。下半身と言いましたが実は下半身だけではなく、相手が痛いのから逃れるために咄嗟に足を庇った時の防御創で、手も腕も指もすでにパックリと開いた傷だらけで、血液にまみれて少しずつダメになりかけてて、そのうちの指のいくつかは、皮でギリギリ繋がっている状態で、指としての機能はもはや果たせず、ただプランプランとしていて、まるでスマホや鞄に女子達が取り付けた流行りのアクセサリーみたいで、少しかわいいかった。赤まみれのウインナーみたいなアクセサリー。傷口をプラプラさせて痛くは無いのかな?と不思議でした。

悲鳴や涙や痛いと訴える声はけっこう元気で、

人の生きようとする思いの強大さ、なにかしらの神秘さを感じずにはいられませんでした。

今回はシンプルな鉄角材による打撃、

マチェーテによる殺害をチョイスしましたが、いつかの日にかまたこのような機会があれば、次はいろいろな方法を試してみたいなあ、

って思います。

例えば農薬や劇薬を無理やりに飲ませてみたり。

ガストーチを肛門から差し入れて、内臓から焼いてみたり。そんな遊びを。めんどくさそうさは、今回よりは無さそうです。


さて、続きですが。

出血ばかりしているので、そのまま失血死、そうなる前になんとか最後までしなきゃいけない。殺される側も必死でしたが私も必死でした。血の匂いも嫌いです。臭いからです。


ひーひー。と死にかけの呼吸を声にしながら、

地面にのたうつ相手。まだ生きてて助かる。

でも私も疲れてきたし、そろそろかなあ。という気持ちをこらえつつ、急所をさけたマチェーテ。

これをどのタイミングで、どのように終わらせていいものかどうか、

実は私はこの時、悩んでいました。


出血と痛み、痛みなんてこの時点で感じているのかは体験した事がないので私にはわかりません。あくまで想像ですが、とても寝ぼけている時のように、意識が半分。そんな感じかもしれません。只いくら寝ぼけていても、大量に出血をしているということはそれは血でありますから、血は臭う液体ですから、半覚醒のような中でも液体の感触はわかるのかもしれません。

それは、ほら、おねしょをした時みたいに。

あまり美しく無い例えだったなあ。

私、そろそろ飽きて、集中力が切れてきたのかもしれません。

そろそろ終わらせましょう。

とりあえずやはり首ですよね。いつか見た戦争のニュースみたいに、いつか読んだ民族同士のノンフィクションのジェノサイドみたいに、首を切り離してしまいましょう。

そうすれば生きている生き物なんかいませんから。

とは言ってもオイルみたいに滑る血、マチェーテのもともと鋭利ではない雑な切れ味に、まとわりついた人間の脂、肉片、その他もろもろな状態では、鮮やかな切断なんてのは私には無理です。

なので、切先を、ちくちくちくと首だと思われる場所に小まめに突き刺し、少しずつ切断して行きます。食肉の下ごしらえの時のようにそれをしながら、焦らずに丁寧に殺害をいたしましょう。


詰まり気味の排水溝のような、水と空気と入り混じったゴポゴポに近い、変な音。

なんともいえない嫌な音。

生命の終わりの音。


犬がわんといって、

殺害を無事に終えた私は、

ふう。とため息をひとつ。ふたつ。

喉が渇いたので、水を飲みました。

コーヒーを飲みました。熱いのが苦手なので、コーヒーにはこおりをいれました。



スミレさんはテレビを見ている。

スズランさんはテレビを見ながら、

スミレさんとくっついている。

犬は微笑んでいる。


私は、まだなんだか手がぬるぬるしてる。

やだなあ。臭いし。

私、先にお風呂に入ります。




……見た?


終わりー。

さっそくコンテストにエントリーして来るぜ。

ドキドキしてきた。














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