踏切へ
1と2と3。
みたいに、数字を3つ並べる芸術があんのね。
ケナ先生はそこの大先生。
テレビでもお馴染みの人気者だよ。
天才。と呼ばれた。
ファーストアルバムが大ヒットしてから、
今やもう虫も寄りつかないくらいに人気者で、
地位を確立しまくってる。アルバムは全世界的に愛されている。
夕方のある日、銭湯からの帰り道、
道にポイ捨てされていた女の子を見つけた。
ケナ先生は、人生が余裕なので、このポイされた女の子をお家で飼うことにした。
ご飯をあげて、お風呂に入れて、
髪の毛をキレイキレイしてあげると、
女の子は
『ありがとう。好き。』
と泣いた。
女の子との生活が始まって、ケナ先生の芸術は、なんとなーく速度を緩やかにした。
1と3と5。
7と7と7。
あれ?
ケナ先生、どうしたんですか?
風邪ですか?
みたいに。
ケナ先生は、最先端を行きすぎたと勘違いした。まだ余裕だったんだ。
おいしいの食べた。
食べ残した。
テレビ出演が終わり帰宅すると、
女の子が何やら数字を並べて遊んでいる。
0と0と0。
あ。
ケナ先生はそれを一目見て、自分の時代が終わった事を直感で理解した。
ファーストアルバムからサボっていた魂に火がついた。久しぶりに、ちゃんと頭を思考させて数字をしてみた。
1と9と1。
満足の出来だった。
ふふふ。って隣の女の子を見ると、
2とⅦと0。
ケナ先生の心は折れた。
静かに立ち上がり、
だりいサンダルで外に出た。
うすらぼんやりと。
電車に轢かれるために。
踏切へ。
それから、10年。
ポイされていた女の子は、周りからその才能を発見され、人気者になった。
ケナ先生よりもずっとずっと。
数字並べの芸術協会から、名前ももらった。
ノナ先生。
①とゼロと壱。
0と0と。。ZERO。
など。
狂気の天才と呼ばれ、人生が余裕になった。
たくさんの美味しいものを食べて、
食べ残した。
夕方のある日、銭湯からの帰り道、
道にポイ捨てされていた女の子を見つけた。
ノナ先生は、人生が余裕なので、
このポイされた女の子をお家で飼うことにした




