だいたい200光年
『札束がいっぱいだと重くてだるいので、
電子のマネーにしてください』
バンクに来店した悪い人がカウンターのバンクの人にそう言った。
なるほど、理にかなってる。
100億円って重いから、そんな重いものを
もって逃走するのは大変だものね。
PayPay♪に似た軽い音が鳴りました。
スタートの合図。
『さあ頑張って逃げるぞ! 100億円るんるん』
バンクの外に待機していた逃走用の車は、
もちろんかっこよくて速い車で、バンクは大通り沿いにあって、そこに車をとめちゃうと他の車両の通行の妨げになるから、ちゃんとモータープールに駐車した。モラル。
悪い事を成功させてバンクから出てきた悪い人を
モータープールで待っていた悪い人が
笑顔で迎えた。
『うまくいった?。おなかすいてない?』
モータープールの精算機は、クレジットや電子のマネー対応だったので、すばやく精算をすませ、かっこいい速い車での逃走を開始。
車道に出る前に一度、歩道を通るから、歩行者にも注意してね!
ブンブーン♪
『ニコニコな気持ちだよねえ』
『ニコニコな気持ちだよぅ』
ブーン♪
『るんるんな気持ちだよぅ』
『るんるんな気持ちだよねえ』
海沿いの逃走経路。あおぞら。
『今日は朝からお天気が良いから、
海の風が気持ちいいねえ。』
『オープンカーにして良かったぁ』
『んふふ。』
『にゃひひ。』
ブンブーン。
うー。
『なんか、うーとか言ってるよ?』
『うー、とか言ってるねぇ』
『前の車、とまってくださーい』
『とまって。っていってるよ?』
『はぁい』
海風そよそよ。
『あのですねえ、私、警察なんですけど、
給油口の蓋、開けたまま走ってましたよ?』
『あ。ぜんぜんわかんなかった。』
『ね。ぜんぜんわかんなかったねぇ』
『なんかこんな普通な事で停車させてごめんなさい。気になっちゃって。職務をこえて。』
『いえ。ありがとうございます。』
『ありがとうございます』
『はい。それでは安全運転でお願いしますね』
『はあい』
『はぁい』
ブンブーン♪
『ホットドッグ食べたいな』
『ホットドッグ食べたいねぇ』
『あ。ちょうどそんなお店があるよ』
『ホントだ。わぁい。』
『クリームソーダにしようかな?』
『クリームソーダにしようよ。わぁい。』
ブンブーン♪
悪い人たちのかっこいい車は逃走を続ける。
速い速度で。
ホットドッグ。ケチャップ。
クリームソーダ。
『ねえ。楽しいなあ。』
『うん。すっごく楽しい。』
クリームソーダ。
『どこまで逃げよう?』
『んひひ。ちゃんと考えてきたよ。』
『ほっぺにケチャップついてるよ?』
『やん。』
『ちゅ。』
『やん。』
『どこまで逃げよう?』
『アンドロメダ座β星』
『遠い?』
『そんな。ゆーほど。』
『なんで?』
『なんとなく♡』
『ちゅ。』
『ちゅう。』
ブンブーン♪




