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液体
清潔な空気。
冬の低気温は、生きる人間同士がその体温を寄り添わせて、あたため合うため。
カーテンを通過する冬の淡い光。
陽はゆるやかに傾き、その室内に不法侵入する。
柔らかな純白。
息をするふたり。
手をつなぐふたり。
指。
爪。
その距離は計測不能なほどに接近していて、
隙間を可能な限りにゼロにして、
お互いの体温をわかちあう。
熱伝導。
素肌をとおして。
ゼロ。
唇の表層のみのコミニュケーション
ピアニッシモ。
この後に及んで、迷うのは、
大切すぎるから。
想いが深すぎるから。
鼓動はかろうじて体内のみにとどまる。
躊躇しながらも、コントロールは不能。
確かめるピアニッシモ。
『ここにいる?』
『いるよ。』
雪が光に触れてやがて水になるように、
強張っていた体はゆっくりと静かに
その輪郭を失っていく。
痛いほどに、感情。
テンポの変化。
ピアニッシモからクレッシェンド。
表層から、内側へ。
ただ優しく。
愛おしい生きている……味覚。
思考の全ては
涙につながる想いで満たされて
痺れを伴い、苦しいほど。
それは呼吸をも乱す。
ゆっくりと。
液体になっていく。
自分の皮膚がどこで終わり、
相手の温もりがどこから始まるのか、
切り裂かれるような愛おしさに満ちた、
今。
ゼロを侵食して、意味を変える。
ひとつの液だけになって、
体
今を。
愛だけを
する。




