死の計画
こないだ90分かけて、死神から逃げた。
ラッキー♪
僕ってミラクル体質。
ゆっくり言いますね?
み。ら。く。る。体質。
ラッキー⭐︎
死神の死の計画?
死の連鎖?
あれさあ……マジびびった。
そん時の僕、かっこわるかった。
まさか、一粒の麦チョコがあんなことになって、
みんな死ぬなんて。
次は、びびってかっこわるくなんないように、
いろいろ準備しなくちゃね。
負けないぞ!
靴。
どうせ靴紐が解けて、エスカレーターに巻き込まれて、死ぬんでしょ?
知ってるんだから、そんなことは。
毎日、はだしだぞ。
はい。僕の勝ち。
スカート。
どうせスカートの裾がエスカレーターに巻き込まれて、死ぬんでしょ?
知ってるんだから、こっちは。
毎日、はだかんぼ。
はい。僕の勝ち。
ネックレス。
どうせネックレスが
クレーンのフックに引っかかって首吊り。
死ぬんでしょ?
知ってるんだから、こっちは。そんなことは。
ネックレス、ポイ。
はい。僕の勝ち。
だいたいこんな感じかな?
って、お部屋の中を見渡すと、
本棚から分厚くて重い本が落ちてきそうだし。
日本刀は壁に飾られているし。
アイアンメイデンの扉はひらきっぱ。
ガスコンロのホースはあちこちに穴。
趣味で並べている釘は全部が僕を向いているし。
ベッドの下の回転ノコギリはいつでも体を
半分こに切断できるように、スタンバイ中。
部屋の立地は断崖絶壁の崖の上で、
くしゃみひとつで海に転落する。
まあ、今すぐなんとかしなきゃ、
てほどでもないかも?
はだかんぼで少し冷えてきたので、
もこもこふわふわの、マフラーを首に巻いた。
あたたかい。
読書でもしよっかな?
って僕は昨日、本屋さんで買ってきた絵本を
ヨムヨム。
本屋さんには屋根があって、涼しかった。
絵本は、とても感動するお話で、
僕は、1ページ目から泣いた。
夜になって、真夜中になると、
さらにセンチメンタルの気持ち爆発して、
胸が、きゅーん。
途中、おなかすいたので、
麦チョコを少しだけ食べて、
また絵本をヨムヨム。
涙。
とまらない涙。
とまらない、きゅーん。
窓の外には綺麗なお月様。
とめどなくあふれてくる
いとおしさ。
朝。
やわらかな朝の光。
僕は、泣き死んでいた。




