守りたいもの
美しさを最も、もっとも。とする男が、死んだ。
その最期は敵の美しさにあろうことか目を奪われ、無防備になり、殺されてしまったのだ。
あろうことか。アロー?
これは、なんて恐ろしい出来事なの?
僕たちは、早起きをして集まり、
対策をどうにかするために早起きをした。
死なないために。
あまりの朝の早い時間だったので、
寝癖はもちろん、靴下かたっぽ、
集合場所を間違える僕、間違えた電車で奈良まで連れていかれちゃう僕、行き先の階のボタンを押さないのでいつまでも動かないエレベーターの中でいつまでも動かない僕。
とりあえず奇跡的に集まれた僕の何人かで、
早起き会議をはじめた。
取りまとめ役は僕
『みんなおはよう。ねむねむ。』
『ねむねむ。』
『ねむねむ。』
『ねむねむ』
『ねんね』
もうダメだった。
ねむねむな頭をぶんぶんにふって、
眠気を追い出して、僕は頑張ってみた。
『なんだっけ?』
もう本格的にダメだった。
目を覚さなきゃ。僕が死ぬ。
眠気殺しの抹茶の冷たい液体をみんなに配布した。頑張れ。僕。頑張れ全ての僕。
『抹茶きらーい』
『やだー』
『えー?僕、抹茶だいすきー』
『わ。 ほんと?』
『抹茶おいしいよ』
『同じ僕なのに、それぞれちがうんだねえ』
『ねえー。くすくす』
『不思議だね。くすくす。』
いよいよダメだった。
早起きの意味を思い出さなきゃ。僕が死ぬ。
戦え。僕。戦え全ての僕。
『あのあの。今、僕はこの早起きの意味を思い出そうとしているの。なんか知らない?』
『知らなーい。』
『ねむねむ。』
『お外に遊びに行こうかな?』
『それ楽しそう。』
『ね。』
『ね。』
『うん。』
そよ風が好き。
やわらかなピアノの音が好き。
自由が好き。
遊ぶのが好き。
お花。
夕焼け。
儚いもの。
水。
いつか消えていくもの。
涙をするときは、ちゃんと、涙。て言えるよ。
僕たちは、お外でみんなで遊んだ。
ねむくなんかないよ。
かわいい。が大好き。




