180年前の甘い粉
120年前のお話。
タイトルにあと60年足りないのは、
そんなもん気まぐれ。
夏の日、友達の桜ちゃんと
コンビニで甘い粉を買って、薄着。
まるで幸せをしていた僕は、お散歩の途中
アスファルトに書かれた矢印を見つけた。
『桜ちゃん……』
『ん?どした?』
僕は矢印を見つめたまま、言いました。
『今、冒険が始まった』
桜ちゃんは、お返事もせず粉を舐めていた。
とりあえず矢印の指す方角へ、旅を始めた。
薄着と、だるいサンダルと、甘い粉。
夏の日、太陽は人を殺す裂帛の気合い。
そんなもんに殺されてたまるか、
逆にやってやんぜ。
ってプンスコした僕と桜ちゃんは、太陽にめがけてシャンパンの先っぽを、飛ばした。
ぽん⭐︎
太陽が半分くらい割れて、
少しは涼しくなったかも。
なめんなよ。
僕と桜ちゃんはハイタッチして
喜びをわかちあった。
いつもよく通るアスファルトなのに、
ぜんぜん気づかなかった。
矢印は、僕らを導くみたいに、マークされていて、たまに、矢印だけじゃなく、
「あと100歩」
とか
「頑張れ」
とか
「運命の地で君を待つ」
みたいな応援のメッセージや、心くすぐるメッセージも書かれていて、
僕と桜ちゃんは、ふとすると死にそうになる
アホみたく燃える空気の中、旅を続けた。
太陽。やだ。
旅の終わりは突然にやってきた。
甘い粉、ぜんぶ舐めちゃった。
『じゃあ、明日にしよっか?』
『そうだね。おなかすいたし。』
『アニメも見たいし。』
『本も読みたいし』
『うん。じゃあ……また!』
『うん。……また!』
焦げた日焼けな僕は、お家に帰って、
なんかお母さんに怒られて、泣いた。
それでもアニメ見て
お風呂入って寝た。
次の日、朝から運命の地に
行く気まんまんだったけれど、
だらだらと夏休みの宿題したり、
バニラを舐めたり、
甘い粉を隠れて注射したり、
その後、なんとなくお昼寝して
すやすや。
さっき目が覚めた。
120年、寝てた。
おはよう。




