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規格外の『4倍バフ』で美少女と無双する。~褐色エルフと追放ざまぁ~  作者: 麗麗(レイレイ)


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5話。1936字。覚悟完了。



村の中心へ行く道中、状況確認のために周囲を見回す。

俺たちの入ってきた北側入り口周辺では家が燃えて被害にあっていた。

しかし、中心にある程度進むと被害は観測できなくなる。


燃えた家は村の入り口付近のみ、となると村の四方で防衛線戦は機能してるはず。


「思いのほか今は大丈夫そうだな」

「だね、入り口付近で戦ってる人を心配すれば良さそう」


血も見えない、人影を探すが見当たらない。


魔物を倒せば血ごとチリになって消える。

争いの形跡はなく、人がいないなら村の皆は安全に避難出来たのだろう。


走る父親に捕まっている内に、中心の家が見えてくる。


一等大きな家へ駆けこむと大勢の村人がぎちぎちと集まっていた。

既に避難は終わっているらしい。

ケガもなさそうだ。


「村長、状況は!」


父親が玄関口に入って早々に声を上げると、入り口付近にいた村長がこちらに振り向いた。


「既に近隣冒険者に救援要請は出した! 戦闘できる者が村の周囲で戦線を維持しておるがいつまで持つか分からん! 避難はお前らで最後じゃ!」


うーん、村の人たちでも勝てないのか。ゴブリンの群れは相当に厄介らしい。


なら今の最適は防衛線戦を維持し、救援を待つことだろうか。

それなら俺も手伝えるはずだ。


父親は一つ頷き、俺にかかっていた浮遊魔法を解いた。


「村長、俺のガキ預かっててくれ。それと俺の家内は何処に?」

「西口で戦っておる」

「なら西の戦力は足りてるか。じゃ、俺は東側に行くよ」

「……すまんの」


眉を下げる村長へと父親に優しく投げ出され、俺は慌てて親父に声をかける。


「なんで置いてくんだ!」

「もう十分だからだ。お前は頑張ってくれた」

「そんな筈ない!」


だって皆は今も怯えている。

俺には出来ることがあるはずなのに、座ってなんかいられない。


「それに、ここでもバフの効果範囲が戦線に届くかもだ。無理はさせられないよ」

「それは…………そうかも。うーん」


返す言葉が手元にない。

前世のゲームでの立ち回りを思い出す。


バフ使いは後方支援をが基本だ、仲間のステータスを上昇させて敵に倒されない位置に下がる。

戦線が効果範囲なら此処に籠るのが最適な気がする。


「じゃあ行ってくるわ。大人しくしとけよ!」

「死なないでね!」


出ていく父親の背に手を振る。


そうして俺は、村のみんなと一緒にただ待つことになった。

出来ることがないってもどかしいな。


いま何か出来ること。

…………そうだ。


俺のステータスを削った分の四倍が父親へのバフになるなら、もっと俺のステータスを削れないか?

具体的な数値はイメージしていなかったが、着いていきたい意思はあった。

なら、動くための最低限のステータスは残っているかもしれない。


思い立ってすぐ心の中で念じた。


────ステータスオープン!


【ステータス


最大魔力量 10(500)

攻撃力 10(130)

防御力 10(110)

素早さ 10(120)

器用さ 10(250)


スキル名────『レート4倍みたいなバフで最強目指しちゃう的なスキル』


やっぱりステータスがわずかに残っている!



神官のお姉さんは確か子供の平均ステータスは100と言っていた。


なら0になればどうなるだろう?


魔法が使えなくなる?

箸が持てなくなる?

骨がすぐ折れる?

移動できなくなる?

扉があけれなくなる?


きっとその程度。

すぐ死ぬわけじゃない。


ちょっと命を賭けるだけでいいだなんて、すこぶるお買い得だ。


バフを使ってから感じ続けている全身のダルさと無力感。

これが肥大化するだけで、父親の全ステータスが40上がるなら十分な価値がある。


「出来るかな?」


今から遠隔で父親にかけたバフの量を調整する、そのイメージを頭の中で繰り返す。


きっと遠隔でバフを解除することは出来るのだ。

能力の性質上バフの間は俺のステータスは減少するのだし、流石に出来てほしい。

遠隔でバフを減少できるなら、その逆も行けるはず。


イケるイケるイケる。

気合を入れてスキルを発動する!


────『レート4倍みたいなバフで最強目指しちゃう的なスキル』!


ステータスを急いで確認する。


「うっわ、数値が何も変わってない」


遠隔でバフを盛るのは無理っぽいですねこりゃ。


前提の解釈が違ったかな?

遠隔でステータス減少はおそらく出来ない。


スキル解除なら出来るって所かな。

うーむ。


しかたない。


全ステータス40のバフはここを守ってる剣士へ、適当にかけておいた。

複数人同時にバフをかける事は出来るっぽい。


☆☆☆


寝転んで二分。

膝を抱えてから五分。

ステータスを開いたり閉じたりして三分。


事態が動いた。

というかステータス欄の数値が変動した。


俺のステータスが元に戻ったのだ。


「────はぁ!?」


正確には魔力は減っているが、つまり。つまりは。つまるところは。


父親へのバフが消えた…………!?


え。

父親死んだかもじゃね?


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