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規格外の『4倍バフ』で美少女と無双する。~褐色エルフと追放ざまぁ~  作者: 麗麗(レイレイ)


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28話。3382字。薬草採集、膝枕とサボテン、強化イベント。


「この後どうする? 良ければだけど、予定ないし今度は俺が付き合うよ」

「うーん、では薬草採集に行きましょう!」


前に言っていた奴か。

この辺で薬草採集なら森か川辺が良いかな?


採集はクエストを受理せずとも良く、持ってけばそれだけ買い取ってくれる。


「セレーネって薬草の種類とか詳しかったりする?」

「大体は分かりますよ。最近出入りした森を見るに地元と同じ種類でしたので」


俺も昔に見た薬草の種類と値段表は覚えているし、ギルドには寄らず外に出ても良いだろう。

伸縮性の高い袋は常備しているし、二人分の薬草を入れるくらいは出来るだろう。


「そんじゃ今から行くか?」

「はい! 場所は草原が良いです!」


草原はあんまり薬草が取れない、と言うか取りつくされてる。

草原は魔物が出にくいし、薬草は金になるからな。


セレーネの地元だと違ったのだろうか?


「この辺の草原だと、薬草少な目かつ距離は歩きで1時間くらいだけど良いか?」

「最高です! リクトさえ良ければ行きましょう!」

「よし、行こうか」


俺たちは街を出て、草原へと向かった。


……………………お互いにバフをかけあえば、楽に早く着く。

セレーネのための休日だし、方針は合わせるつもりだ。

でも、気づいていない可能性もある。


なんとなく言い出せずに、雑談をして歩いていくと…………俺たちは草原に着いた。


まぁ帰りにね。疲れが溜まった帰りに提案しよう。

最初からそのつもりでしたってね。


「よし、二手に分かれるか?」

「一緒にですよっ! 雑談しながら薬草を採集するんです!!」

「なるほど了解」


セレーネに怒られてしまった。

ダークエルフが分からない。


いや多分、セレーネが分からないと言うべきだな。


とにかく方針には黙って従おう。


「雑談しながらの採集、常識ですよ?」

「そうかなぁ?」


知識は書物で得たのだろうが、それまだ燃やしていなかったのか?


「その常識について聞いても良い?」

「ええ、私にはバイブルと言える書物があるんです」


そのバイブル腐ってるだろ。


「バイブルには何が書いてあるんだ?」

「なんでも、二人でサボテンをすると仲良くなれるそうです」


サボテンを…………する?

まさか、組体操のサボテンをするのか?


セレーネの人生が迷走している原因は明らかにそのバイブルだろう。


「燃やした方が良いかもね」

「これだけじゃないんです! 膝枕もこの書物に書いてあった事で、発展形もあって…………」


薬草を取り、毒草を回収し、下らない事を喋りながら薬草袋を膨らませていく。


2時間ほど採集を続けると、それなりに袋が膨れた。

と言っても、袋の大半は毒草を回収しただけで、お金にはならなそうだったが。


「うーん、疲れたから休憩しない?」

「ふふふ、その言葉を待っていました!」


そろそろ休もうとセレーネに声をかけると、あくどい笑みを浮かべていた。

なんだろう。嫌な予感しかしない。


「命令します!」

「はいはい」

「私の膝枕で、ぐっすり休んでください!」


役得とは思うが、セレーネは相変わらず変な事を言う。

俺は朝起きたばかりで眠くなんてない。


強制入眠なんて出来るとは思えないし。


────ふわり。


「冗談…………だろ?」


出来るらしい。


精霊さんのジャッジに合わせて強烈な眠気が全身を襲った。

抗えずに地に膝をつくと、セレーネが俺の体を支える。


体を包む柔らかさは体の向きが横に変えられて消える。


「おやすみなさい! ゆっくり休んで下さいね!」


頭がセレーネの膝に乗った、意識すると同時、俺は意識を手放した。


☆☆☆


意識が覚醒すると、思考は直ぐに平時と同じくらい回り始める。

精霊さんの幅が思いのほか広かったのが敗因だったな。


急ぎセレーネの膝から頭をどけねば、と上体を起こそうとして既に自分が座っていると気付く。

俺は正座をしていて、膝にはセレーネの頭があった。


「なにしてるの?」

「膝枕です」


…………まぁそれは良いよ。

でも足が痺れを超越したっぽくて感覚ないんですけど。


「なんで起きたら手のひらヒリヒリしてんの? あれから何時間たったの?」

「2時間ほどですかね。手のひらは、リクトが寝てる間にも命令権が行使できるか実験してたんです」


俺の人権は?


ああ、売ったんだった。

しくじったかな?


「さっきまで指示を細かく出して私の頭を撫でてもらっていたんです」


怖いよ。

俺を通して精霊さんと交流しているだけじゃないかなそれ。


精霊さんは善性を世界にプログラムされた魔力塊でしかないはずだぞ。


「大人になってから頭を撫でて貰うのはなかなか面白い体験でした」


………………………………あれ?


「後でリクトも撫でてあげます」

「…………命令時に相手の意思は不要。…………意識も不要。命令の幅も結構広い…………?」


……………………使えるなぁこのデバッカー。

意思は不要か、なるほど使える。


何で気づかなかったんだろう。


「…………あの、寝てる間にエッチな命令とかは嫌ですよ?」

「しないよ、ちょっと静かにしててね」

「はーい」


俺たちは相互に相手の欲しいバフをかけあうのがベストだ。


同時に攻撃するなら【攻撃力】は最初から配って終わりで良い。

でも、片方ずつ攻撃するなら。

一瞬だけバフを解除して火力を伸ばすべきだ。


「なぁセレーネ」

「はっ、はい!」


同時に攻撃されるなら【防御力】は最初から配って終わりで良い。

でも、片方がピンチに晒されたなら。

リスクを考慮してバフを解除し【防御力】を上げる選択肢が欲しい。


「バフを瞬時に解除すれば、一人のステータスを高められる。それに精霊さんを利用できないか?」

「うーん? バフの解除に命令権を絡める…………? バフが切れた側が危ないですよ?」

「そこは考えがある。あと緊急時の手段が欲しいって意味もある」


その時、俺たちはバフを最短で切り替えたい訳だ。


精霊さんを介さずに、解除を自分で判断するのは良い。

問題は、バフの付け外しを瞬時に行う必要があるという事。


遅くなれば命が危ないし、そっちに思考を割く必要もある。

そこでだ。


「…………精霊さんに思考リソースを押し付ける事が出来るんじゃないか?」


例えば、セレーネが攻撃を食らいそうになった時に「俺への防御バフを解除して身を守れ」と指示する。

セレーネは思考してバフを解除し身を守る。

その後、俺の【防御力】が低下しているので再度【防御力】バフを俺にかける。


しかし精霊さんならどうだろう。


「事前に決めれば、俺が「B」と叫んだらセレーネは【防御力】バフを無意識で自動的に解除して身を守れるはずだ。俺へ再度バフをかける命令も含めれば良い」

「確かにそれならバフの付け外しコストを0に近くできます。えーと、じゃあ相手の判断でしか身を守る事ができない…………そっか、だから良いんですね」

「ああ、問答無用で【防御力】バフを全部解除する作戦をとると相手は【防御力】0になって判断ミスで死にかねない。けど、相手がバフ解除を判断するなら、戦略としてアリだ」


思考の段階をスキップ出来る。

ついでだが、事前に決めれば命令権でバフの種類と量を叫び相手に付与する事も出来るだろう。


「A500」と叫べば相手の体を精霊に操作させ、自分の意思で戦いながら自動でスキルを使用し【攻撃力】+500のバフを相手に付与なんて風に。


眠気を強制的に引き起こされた時に肉体の操作権は俺にあった。なら出来るだろう。


「はえ~。ぱーぺきに理解しました」

「…………このあと少し練習しない?」

「ぱーぺきなのに…………?」


それと、スキルの強制使用命令はかなり重い命令だ。

追加で許可を出しておこう。


「俺への命令権に追加権限を付与するよ、スキルの使用だ」

「…………そういう事ですか。では、私への命令権に追加権限を付与、内容はスキルの使用です」


もしかしてセレーネの言う通り、パーフェクトで完璧な理解をしているのかも知れないな。

人権を売った甲斐があるというもの。


その後は一緒に薬草採取しつつ、バフの簡易命令について話をした。


「B 」は【防御力】、「A」は【攻撃力】の解除といった具合だ。


それからノリで「CAC」がサボテンに決まった。


「リクト! CACです!」

「冗談を真に受けるな!!」


…………【攻撃力】はセレーネの方が高い。

セレーネの意思か、精霊さんのジャッジかは不明だが、結果としてサボテンは俺が上だった。


情けないよぉ。


「このまま歩いてみます?」

「止めよう。俺の靴が置いてかれるし、危ない」


あと誰かに見られたくない。


☆☆☆


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