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規格外の『4倍バフ』で美少女と無双する。~褐色エルフと追放ざまぁ~  作者: 麗麗(レイレイ)


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23話。1342字。一本角の魔族と、ツリーハウス。

☆☆☆sideリクト☆☆☆


魔族は踏み込むと一直線に向かってきた。

脇を閉めて拳を構えたまま俺の射程に無防備に入る。


しっかりと視認し、相手の速度に合わせて剣を振り下ろした。

そのまま進むなら、剣で首を切り捨てる。


さて、どう動く?


「まだ舐めてんのか、おい!」


よっぽど自信があるらしく魔族は避けもせずに最短ルートを突き進んだ。

振り下ろした刃先が当たる直前に、魔族がアッパーを放つ。


早い!

剣を打ち上げるように、下から潜らせた拳は────二つに裂けた。


「バカなっ!」

「バカはお前だ!」


返す刀で胴を斜めに切り捨てる。

魔族、なかなかの強敵…………なんだけどなぁ。


念のために首と手足を刎ねてから森に戻ろう。

そう思い魔族を見ると、既に傷が再生していた。


「誰が馬鹿だ! 才能があるんだ、俺は。『再生』の天才なんだ、俺はァ!」

「逆だろそれ! 才能が『頑強』、スキルが『再生』! そんな才能合ってたまるか!」


なんなら魔族はみんな頑強だよ。

やたらめったに打ち込んで来る拳をきって切って斬る。


「くそ、なんだ。腕を切るな!」


打たれ強くてステータスが高く、再生持ち。

きっと今までは自身の高い能力に頼ったゴリ押しの短期決戦しかしてこなかったのだろう。


真っ当に戦えばシンプル故厄介な敵だ。

でも、今は長期戦は避けたい…………。


「俺は天才だ、拳で戦え!」


しかし、攻撃が意外と避けやすいな。

目で追えるし、避ける時も余裕がある。


なんだ?

この違和感は。

頑強という腕もスパスパ斬れるし。


………………あっ。


そうか。

魔族だからと、俺は思い違いをしていたんだ。


「もしかして、魔族君ってステータスが低いのか!」

「俺は弱くない! 全ステータスが4050を超えている!」


確かに凄い。

…………けど、今の俺よりずっと弱い。


いつの間にか戦う内に場所が立ち代わって、魔族がツリーハウスを背にして戦っていた。


「【防御力】は5500だ! 降参しろ!」

「バカにしたのは謝るよ、悪かったね」


俺も同類みたいだ。

今求められるのは高ステータスによるゴリ押し短期決戦!!


「そうだろう、そうだろう!」


剣に魔力を乗せる。

再生する間もなく消し飛ばすための一振り。


一撃必殺────魔力撃。


「俺は天さ────い?」


剣から飛び出た魔力の斬撃が、白光となって魔族を捉える。

白光は、そのまま真っすぐ飛んで行ってツリーハウスを二つに割った。


「ありえない、怒られるっ。お前が怒られろ、バーカ!」


顔の右半分、それ以外が消滅した魔族は、徐々にチリへと変わっていく。

再生が追い付かなくなったのだろう。


「誰に怒られるんだ?」

「勝てないよ、お前は負ける。喧嘩を売る相手を間違えたんだ。やっぱりお前は、バカだな」


消えた。とんでもない生命力だった。

これで消滅の確認は出来た。


「うし、急ごう」


剣を仕舞った時、パキリ、と音。

慌てて見ると既に中心から罅が広がっており、あっさりと折れた。


「うそ、剣に魔力を込めすぎるとこうなるのか」


自身のステータス上昇には対応できたが、剣バフは慣れていないと忘れていた。

未熟だ。


ため息を吐いて、倒壊した魔族の家らしきツリーハウスを背にセレーネの元へ駆ける。

精霊さんに従い、魔力パスをたどっていく。


パスからして少し離れていそうだが、魔力パスとバフが残っている内はセレーネも生きている。

急ごう。



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