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革命

 深く息を吸った。木々のいい香りが鼻を通っていったのだ。

男は山を歩いていた。


 風が吹いていた。木々の葉を揺らし、静かに男の髪を揺らしていた。

 左に反り立つ崖を見つめた。岩肌が縞模様を描いていた。所々に緑の草が生え、色鮮やかな花が揺れていた。

男は伸びをして、息を吐いた。それから、また吸う。澄んだ空気だった。


 「おい、お前。ちょっと」

どこからか声が聞こえた。男は辺りを見回した。ヒトの姿は見当たらない。足元を見た。

 蟻の列があった。男の脚で塞がれていたのだ。

「ごめんなさい」

足を退けた。蟻の列はまた再開する。

「ねえ、どこに行くの?」

男は尋ねた。蟻は誰も止まらなかった。


 男は蟻の列を辿って、林の中に入っていった。

蟻の列は、小さな穴から出ていた。

「何を運んでいるの?」

男はもう一度訊いた。

「飯だよ」

羽の付いた大きな蟻が答えた。


 中から一際大きな蟻の骸が運び出された。

「あれ、女王様?」

「そう、乗っ取ったのさ」

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