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俺にナンパしてきた女性は一つ年上の学校のマドンナだった  作者: P.P.
光に満ちた夏の性春

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過去と今

記念すべき50話ッ!!

 中学時代、俺は県で最強とまで言われていた。

 市大会、地区大会、県大会を順調に勝ち進んでいき、最終的には全国大会にまで上り詰めた。

 

 そして、俺は全国大会の初戦で他県の選手に負け、現実を知った。

 中学から陸上を始めた自分と、子供の頃から好きで陸上をやっている他県の選手とは明らかに差が生まれていた。でも、それを感じたと同時に、自分の中では陸上をやり切ったという達成感に包まれていた。


「はぁ!はぁ!はぁ!」


 でも今こうして、俺よりも10メートル先にいる一組の陸上部を見ていると、心が躍っている。今この瞬間を楽しんでいる。


「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」

「はっ!はっ!はっ!」


 相手との距離が近付くにつれどんどん荒い息遣いが聞こえてくる。

 一組の陸上部、うちの高校の陸上部のエースと呼ばれ、それなりに結果を残してきている。


 だが、中学時代、あの日俺が経験した他県の選手よりかは圧倒的に遅い。

 だけど、それは過去の俺にとっての話。今の俺にとっては相手に食らいつくぐらいしか出来ない。

 

 だけど、それでも、藍里や倉敷さんに渡辺さん、それに蓮が繋げてくれたこのバトンを持っている以上、俺は限界を超えてでも現役エースに食らいついて抜かさないといけないッ………!!!


「はぁっ!はぁっ!はぁっ!」

「はっ!はっ!はっ!」


 いけるっ!抜かせる!気分は絶好調。今自分が思う限界を超えて、現役エースを超えるッ!!!


(あぁ、今彗さんからの声援が聞こえてきたらなぁ)


 そんな気持ちを抱きながらも俺は走る。

 クラスの優勝のため、そして、人生初の友達とのお泊りのために俺は走る。


「うぉぉぉおお!!!優勝取って学校お泊りするぞぉぉぉぉぉおおおお颯ぇぇぇえぇええええ!!」


 蓮からの声援が聞こえてくる。


「いけるよ颯っ!!そのまま走り切っちゃえっ!!お泊りのためにっ!!」


 藍里からの声援が聞こえてくる。


「颯、優勝取るんでしょ。お泊まりするんでしょ。ならもって走ってッ!!!」


 梨花からの声援が聞こえてくる。


「「颯ぇぇぇっぇぇぇぇぇえぇええええええッッッ!!!!私、俺たちの息子ならも限界超えてでも足がちぎれても走り切って優勝を奪い取りなさいッ!!!!!」」


 親からの恥ずかしい声援が聞こえてくる。


 中学時代とはまた違った声援。心地よく、そして、俺を更に楽しませてくれるような声援。


 そして、ふいに口角が上がる。

 なんで、なんで、あなたはいつも、いて欲しいと思った時にいるんですか。

 ・・・・・・彗さんっ。

 

「颯くんっ!そのまま走り切っちゃえ!!」


 大好きな彗さんからの声援が聞こえてくる。


「は、はいっ!!!」


 『ゴールテープまで残り100メートルッツ!!!先頭を走っているのは陸上部エースッ!!ですがここで二組の橘颯がスピードを上げ、陸上部エースに追いつこうとしていますッ!!なんということでしょう!!過去の体育祭にこれ程、勝負の行方が見えなくなるような勝負はあったでしょうかッ!!』


 陸上部エース?そんな肩書関係ねぇ!!こちとら世界一可愛くて素敵な彼女に応援されてんだッ!!

 ここでお前に勝たないと男が廃るッ!!この勝負、俺がもらうぜッ!!!


「はぁはぁはぁはぁっ!!!!」

「はっ、はっ、はっ!」


『残り10メートル!おおぉっと、こ、ここで橘颯、陸上部エースを抜かし、先頭になりましたっ!!ですが陸上部エースも橘颯に食らいつく!一体全体、この勝負の行方はどうなるのでしょうかッ!!』


 勝負の行方?

 そんなもん俺がゴールテープ切って彗さんにピース向けてる時点で決まってんだろうがッ!!


「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・優勝、取ったどぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおッ!!!!」

「やったじゃねぇか颯!!これで優勝は俺たちだッ!!」

「やったぁぁぁぁぁぁあああ!!これで学校にお泊りできる!!みんな!これでお泊り券は私たちのものだよっ!」


「「「「うぉぉぉぉおおおおーーーー!!!」」」」



 こうして、最終種目である1500メートルリレーが終わり、俺たちの体育祭が幕を閉じた。


今後ともひとマドを応援よろしくお願いします。

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