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気まずさ
「送ってくれてありがとね」
『あの、もしよかったらお母さんのことについて教えてもらえませんか』
その言葉を発していた彗さんはどこか悲しそうな目をしていた。そんな彗さんを俺は見ることしかできなかった。自分が情けなくて仕方がなかった。
彗さんは俺を助けてくれたのに今まで俺は彗さんに何にもしてあげれてない。
彗さんは一体どれだけ俺に自分のことを話してくれていたのか。
「いやいや、こんな夜遅くに女性一人で帰らせるなんてできませんよ」
「もう!そこはハッキリと彗は俺の彼女なんだから俺が送って当然だろ、とかって言ってよ」
「なんですかそのセリフ!」
「ふふっ、そんな顔を真っ赤にして言われるとかわいく見えちゃうよ」
「はいはい、じゃあ俺はこの辺で」
「うん、家まで送ってくれてありがと」
「はい、じゃあまた明日学校で」
「うん、また明日」
俺は彗さんが家に入っていったのを確認した後、ある場所に向かった。




